表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/159

ターニングポイント 第153話洞穴

士郎達は豊影に連れられて船で本土から少し離れた島に向かった。

 

船から降りる時


「ここにライフジャケットをお返し下さい」

 

士郎と勇はそこにライフジャケットを返すが豊影が大地に


「おい、これ持って帰ろう」


「えっ、それはまずいんじゃ」


「つべこべ言うな」

 

豊影は大地を引っ張りながら船を降りた。

 

士郎は勇に


「おい、あれはさすがにまずいんじゃないの?もう泥棒やん」

 

勇は少し怒り気味で


「ホント、豊影が勝手にやるのはいいが俺の大ちゃんを巻き込まないでほしいわ」

 

士郎達四人は準備体操して海に入った。

 

豊影と大地はライフジャケットを着ながら泳いでいると船員が大きな声で


「そこの二人、ライフジャケットを返してください」

 

豊影と大地は注意されライフジャケットを返した。

 

士郎は豊影の泳ぐ姿を見て


「おい、勇。何であの猿袋持ちながら泳いでんだ?」


「わかんない。何でだろう」

 

豊影は士郎達を呼び寄せ


「おい、今から面白いのを見せてやる」

 

豊影は袋からサーターアンダギーを取り出し海の中にいる魚の群れに向かって


「ショー、タイム」

 

と低い声で言いながら投げ始めた。

 

そうすると魚は一斉に向かって来た。

 

その様子を見て豊影は満面の笑みで


「なぁ、凄いだろ」

 

士郎は軽蔑した顔で豊影の顔を見ながら

 

こいつヤバ!盗んできたサーターアンダギーを魚に撒いて何がショー、タイムだよ

 

勇も呆れている横で大地だけは全員が良い反応をしないのはまずいと思い


「凄いですね、こんなきれいな魚の群れをこんなに近くで見たの初めてですよ」

 

大地の反応に豊影は大いに喜び


「そうだろ、そうだろ。お前はよくわかってるな」

 

豊影はその後もサーターアンダギーを撒きながら泳いでいた。

 

豊影はちょっとした洞穴を見つけると


「おい、お前ら入って見ようぜ」

 

そう言って豊影が洞穴に入っていく。続いて士郎も渋々と入って行くといきなり引き潮で

 

豊影と士郎は引っ張られて行った。

 

ヤバい、ヤバい死ぬんじゃ

 

引き潮で引っ張られた士郎は豊影に勢いよく激突し、豊影を吹き飛ばした。

 

士郎は慌てて


「太閤殿下、すみません大丈夫ですか‼」


「おう、大丈夫だ」

 

引き潮の力が弱まり豊影と士郎は洞穴から出ようとすると、再び引き潮で洞穴の奥に流されていくその度士郎は勢いよく豊影に激突し豊影を吹き飛ばした。

 

それを四度ほど繰り返しようやく二人は洞穴から出れた。

 

洞穴から出ると士郎は真っ先に


「太閤殿下、申し訳ございませんでした」

 

何度も士郎に激突されてふらふらになっている豊影は小さな声で


「あ、あーあ。大丈夫」

 

 

士郎達は一旦海を上がると豊影がいきなり袋からウニやアワビを取り出して食べ始め


「おい、うまいぞ。お前ら」

 

大地が慌てて


「太閤殿下、ここ勝手に生き物を取っちゃダメなんですよ。あそこの看板に大きく書いてありますよ」


「そんなもん、知らねぇよ」


「太閤殿下、船の人こっちずっと見てますよ」

 

この勇の言葉に豊影は慌ててウニを士郎に投げた。

 

士郎はとっさにウニを素手でキャッチしたが


「いてぇえぇ!」

 

と大声で叫んだのであった。

 

猿ふざけんな。あんなとげとげを急に投げつけて来やがって

 

士郎達は豊影に連れられてその島の食堂に入った。

 

豊影はある程度料理を注文すると料理を肴に持参した竹筒の酒を飲み始めた。

 

その様子を見ていた三人は

 

ホントにこいつヤバいなと思ったのであった。

 

豊影は店員に小さな声で


「水」

 

店員はあまりの豊影の声の小ささに聞き取れず


「水?」

 

豊影は島の人には日本語が通じないと思ったのか


「ウオーター」

 

なぜいきなり英語?

 

と士郎は心の中でツッコミを入れる。

 

いきなり水を英語で言う豊影に店員はいにがわからなく


「ウオーター?」

 

の店員の問いかけに豊影も


「ウオーター?」

 

このやり取りを見ていた士郎は

 

なんで、お前も疑問文で返すんだよ!

 

と心の中でツッコミを入れたのであった。

 

豊影は陽気に酒を飲んでいると隣のテーブル席に三人の女性が座ったのを見て少しニヤニヤした顔で


「小僧、あのお姉さん方三人だから一席空いてるだろう」

 

士郎は豊影の顔気持ち悪いなぁと思いなながらも顔には出さないようにして


「はい、空いてますが」


「そこにお前座ってこい」


「えっ?どういうことですか?」

 

士郎の言葉に豊影はイラつき


「はぁ?だからあの席に座って来いって言ってんだ」


「いや、あの方々は三人で楽しんでるじゃないですかそんなの邪魔できないですよ」


「おい、小僧。お前は俺の事邪魔者だと言うのか?」


「言え、別にそんなこと言っているわけじゃ」


「じゃあ、早く座ってこい」

 

士郎は渋々女の子の席に座った。

 

いきなり無言で座る士郎を見て女の子達は驚いた顔で士郎を見つめる。

 

士郎は弁解するように


「本当にすみません。あの猿みたいな奴が座って来いって言うので」

 

一人の女の子が優しい口調で


「あの人上司なんですか?」


「はい、そうなんですよ」

 

女の子が優しい表情で


「それじゃあ、逆らえませんよね。いいですよここにいて楽しく話しましょう」

 

士郎は女の子達に


「本当にすみません。ありがとうございます」

 

と深く頭を下げた。


「大変だよね、上司が変な奴だと」


「そうなんですよ。あの横にいる二人もそれがしと一緒であの猿に迷惑かけられてるんですよ」


「そうなんだね、こっちにあの二人も呼べばいいじゃん」


「いいんですか?」


「うん、いいよ」

 

士郎は勇達の所に


「お姉さん方が一緒に話してもいいって」

 

士郎の言葉を聞いて豊影が


「おっし、ナイス小僧」

 

豊影のことは誰も呼んでいないのに豊影がお姉さん方の所に向かったらお姉さん方が


「あなたとはタイプ出ないので結構です」

 

この言葉に士郎は

 

ナイス、お姉さん方

 

と思った。

 

豊影はこの言葉にぶち切れ、その場でお姉さん方を斬りかかる


お姉さん方はいきなり斬られて


「ギャー!!」

 

た叫ぶ。


士郎と勇と大地は慌てて止血をおこなうが


「ダメだ、手遅れだ」


お姉さん方は死んでしまった。



「おい、何してんだ!」 

 

怒鳴る士郎を睨み付けながら


「俺に逆らったこいつらが悪い。なんか文句あるか」

 

士郎は怒りで体を震わせながら


「何の罪もない人間を殺すのはおかしいじゃないか」


「アホか、小僧この日ノ本では俺に逆らったら罪なんだよ。そんなこともわからないのか?」

 

豊影は士郎の胸倉を掴みながら


「これ以上、俺に逆らうならお前の首この場で刎ねてもいいんだぞ」

 

士郎は悔しいがこれ以上逆らうことが出来なかった。

 

士郎はお姉さん方死体に向かって膝をついて土下座しながら

 

すみませんお姉さん方

 

自分の不甲斐なさに士郎はお姉さん方に罪悪感をいだいたのであった。



士郎と勇と大地はお姉さん方を丁寧に埋葬したのであった。


 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ