ターニングポイント 第147話謝罪
士郎は謝罪を終え勤勉と大和に
「共に助命嘆願をしてくださりありがとうございました」
勤勉は士郎の背中を優しく叩きながら
「よく頑張ったな。士郎殿」
士郎は今まで泣かないように我慢していたが優しい言葉を言われて緊迫の糸がプツンと切れてボロボロと泣き出した。
勤勉は少し驚きながら
「おい、士郎殿何泣いているんだ」
「本当に嬉しいんです。経丸達が助かる事がお二人には感謝してもしきれないんです」
勤勉は笑顔で
「じゃあ、お祝いって事で飲みに行こうか」
「はい、是非それがしが奢るので三人で行きましょう」
三人は仲良く酒を酌み交わしたのであった。
経丸と片倉は豊影に謝罪するため豊影のいる山城に現れた。
経丸と片倉が大広間で頭を下げながら豊影の登場を待っていると豊影は士郎と伊藤を引き連れて現れ偉そうに上座に座った。
自分に頭を下げている経丸と片倉を見て豊影は上機嫌で偉そうに経丸の頭を扇子で叩きながら
「おう、お主は可哀想だな。頭の中が空っぽで」
士郎は経丸の頭を気安く扇子で叩く豊影に体中が震えるくらい怒りの感情が沸くが必死に抑える。
豊影が調子に乗って経丸の頭に右足で踏もうとした時士郎はとっさに豊影の右足に自分の頭を差し出した。
いきなり自分の右足の下に士郎の頭が現れた事に豊影は怒り士郎の右頬を思いきり蹴り士郎を蹴り飛ばし
「何やってんだ!小僧‼」
蹴り飛ばされた士郎を見て経丸はとっさに
「士郎、大丈夫‼」
と言って士郎の元に駆け寄った。
経丸は豊影のあまりにも目に余る行動に怒りの感情が沸き、豊影を睨み付けて文句を叫ぼうとした瞬間。士郎は経丸の口を抑えながら
「太閤殿下、経丸は生まれてから一度も髪を洗った事ないんですよ」
士郎の言葉に
「嘘!うわぁ、汚ったね。ヤバ」
何がヤバいだ。女性の頭に足で踏もうとするてめぇの方がヤバいだろうが
と心の中で思いながらもグッと堪えて士郎は何も言わなかった。
士郎、私の為に
経丸は士郎が自分の事を身を挺して守ってくれたことに感謝したのであった。
豊影は偉そうに
「今回は不問としてやるが次俺に逆らった時はただでは済ませないからな。今回の激甘処分をしてやった俺に深く感謝しろよな」
経丸と士郎と片倉は怒りの感情を抑えながら豊影に深く頭を下げたのであった。
これにて豊影は日ノ本中を統一したのであった。
日ノ本を完全統一した豊影は大阪城に帰るのである。天羽家の皆は大多喜城に帰る事になったが士郎だけは豊影の人質生活を続けなければいけなかった。
天羽家の皆と士郎は小田原で別れることとなった。
凛は心配そうに
「兄貴、体に気をつけるんだよ。薬はちゃんと持ってる?」
「おう」
「士郎さん、お元気で」
士郎は少し笑いながら
「ねぇ、ひのちゃん。もうちょっとオリジナリティ出せない?ほぼ凛と言ってること一緒だから」
ひのは真顔で
「出せません」
海老太郎は大きな声で
「士郎さん、脱糞しないようにね‼」
「やい、海老太郎それがしの事舐めてんだろ‼」
怒る士郎に海老太郎は必死に
「舐めてないです!舐めてないです‼」
「士郎、頑張れ」
「お前、言葉短けぇんだよ!普段存在感ないんだからこういう別れの時くらい感動的な事言って存在感を示せよ」
怒る士郎に稲荷は冷静に
「はい、さよなら」
「おいてめぇ!殺してやる‼」
稲荷に殴りかかろうとする士郎を凛とひのの二人で止める。
「士郎君、士郎君のおかげで天羽家の皆助かった。本当に感謝しているありがとう」
士郎は握手を求める片倉の手をパーンとはたき
「おい、片倉さん少しは面白い事言えよ!何で真面目に感謝の言葉なんか言ってんだよ」
片倉は少し落ち込んだ感じで
「それは理不尽だよ、士郎君」
片倉に続くようにひのも
「そうですよ、褒められてるんだから素直に喜ばないと」
「脱糞さん。あっ、間違えた士郎さん」
士郎は海老太郎の言葉を遮って右腕で海老太郎の首を絞めながら
「お前今のは絶対わざとだろ‼」
海老太郎は必死に
「わざとじゃないです。わざとじゃないです」
「ごめんなさいは」
「ごめんなさい」
「皆、兄貴を攻めないで生まれてから一度も褒められたことないから対応できないのよ」
凛の言葉に士郎はすぐさま
「あほ、何回か褒められたことあるわ‼」
とツッコミをいれたのだった。
稲荷は呟くように
「何回かしかないのか哀れだな」
「誰が哀れじゃボケ!」
士郎は稲荷の頭をはたいた。
経丸は士郎に抱きつき士郎の耳元で
「士郎、今回も本当にありがとう私あなたの事大好き」
士郎は顔を真っ赤にしながら大きな声で
「おい、馬鹿何抱きついてんだよ。皆いるんだぞ」
皆はニヤニヤしながら声を揃えて
「どうぞ、お構いなく」
「どうぞ、お構いなくじゃねぇよ!経丸離れろよ!あいつら馬鹿にしてるぞ‼」
皆に見られていることが恥ずかしくて騒ぐ士郎に対して、経丸は皆の事などお構いなく
経丸は士郎の頭を優しくなぜながら
「士郎は私の誇りです」
この言葉を聞いた士郎は思わず大声で
「くそー!人質行きなくないなぁー‼海老太郎変わってくれよ」
海老太郎は真顔で
「士郎さん、人質って何ですか?」
思わず皆こけたのであった。
こうして士郎は天羽家の皆と別れ豊影軍と共に豊影の人質として大阪城に向かうのであった。




