ターニングポイント 第142話完全
豊影軍の勤勉、大和率いる十万の兵に包囲された金山城の天羽家
海老太郎は物見台から麓を見て大声で
「殿、凄い数の敵がいますよ。前回よりも多いですよ」
経丸も敵の数を見て呟くように
「ホントに凄い数ですね」
「殿、敵は十万の兵をこちらに差し向けて来たみたいです」
「十万も‼」
稲荷の言葉に驚く経丸に片倉が
「前回の戦の結果で我々だいぶ豊影に警戒されてしまいましたね」
凛も片倉に同調するように
「それに十万の兵だけでなく、今回は敵の大将が勤勉殿と大和殿だいぶ戦い辛いですね」
皆の気持ちが少し暗くなる中ひのが明るい表情で
「でも、これだけの兵をここに引き付けられたって事はので私達めっちゃくちゃ強いと思われてるじゃないですか!」
海老太郎は大きな声で
「敵が十万だろうが二十万だろうがこの最強天羽家なら勝てますよ‼」
「まぁ、豊影の兵に怯えたって兄貴が聞いたら馬鹿にされるかも知れませんね」
稲荷がぼっそと
「まぁ、五万も十万も多い事には変わらない気がするし」
片倉は稲荷の小さな声をかき消すかのように大きな声で
「よっしゃー!あんな雑魚ども蹴散らしてやりますか‼」
皆の前向きな気持ちに経丸は嬉しくなって大きな声で
「皆、私達は絶対に大丈夫だから‼」
海老太郎は大きな声で
「殿、ここから天羽家は最強だって大声で叫びましょうよ」
「いい案ですね。海老太郎君」
皆はお腹に力をためて一斉に大声で
「天羽家は最強だ‼」
と叫んだあと海老太郎が大声で
「士郎さんは脱糞だぁー‼」
いきなりの海老太郎の叫びに片倉は大笑いしながら
「何言ってんの、海老太郎君」
「一度大声で叫んでみたかったんです士郎さんは脱糞だぁーって」
片倉は笑いながら
「そう言われると俺も叫んでみたくなった」
海老太郎は嬉しそうに大きな声で
「そうですよね!片倉さんも是非叫んで見てください‼」
片倉は大きな声で
「外岡士郎は脱糞だぁー‼」
と叫んだ。
「海老太郎君、これ思った以上に気持ちいいね」
海老太郎は物凄く嬉しそうに大きな声で
「そうですよね!気持ちいいですよね‼」
二人の様子を見ていた皆も叫んでみたくなり次々と大声で
「士郎は脱糞だぁー‼」
の言葉を原型として各々の言葉に変えて叫んで行ったのであった。
その頃小田原の大山家は
「総長、豊影軍は十五万もの大軍で山からも海からもこの小田原城を取り囲んでいます」
焦る家臣に暴走は自信満々に
「大丈夫だ、この城は日の本一最強と言われた金崎国子や松本徳博でも落とせなかった城だそれがあんな薄汚い猿なんかに落とせるわけないだろ」
家臣は暴走の言葉を聞いて少し安心して
「そうですよね、この城が落ちるわけないですよね」
暴走は城の窓から包囲している豊影軍を見て
お前なんかにこの城は絶対に落とさせないからな
と心の中で誓ったのであった。
その頃豊影の陣営にいる士郎は
「おい、勇。あそこの山工事してるみたいだけど何してるんだ」
「なんか、あそこに立派な城を建てるらしいよ」
「城を‼」
驚く士郎に勇は冷静に
「豊影は今回自分からは絶対に攻めないらしい大山が降伏するまでここに何年でも居座るために城を作るらしい」
「こんなに大軍で来ているのに小田原城を攻め落とさないのか」
「豊影の今までの城攻めは相手の兵糧が尽きるまで包囲し続けたり、水攻めで相手の城を水の中に孤立させたりと一回もまともに攻め込んだことはないんだよ」
士郎は嫌味っぽく
「何かあいつらしい、いやらしい戦い方だな」
「まぁ、だから今回も大きな戦闘はないと思うよ」
「そうなのかぁ」
勇のいう通り豊影は全く自ら攻撃しないで自分の陣営に女性を呼んだりして戦をイベントとして楽しんでいた。反対に大山軍は何もしてこない豊影軍に対して不気味さを感じたりいらだちを感じたりしていたのであった。
豊影軍と大山軍のにらみ合いが半年も続いたある日
「太閤殿下、お城の方が完成しました」
この言葉に豊影は嬉しそうに
「おう、そうか。そうか」
伊藤は完成した城に豊影を案内した。
豊影はクオリティの高い城に大満足し上機嫌で伊藤の背中をパンパン叩きながら
「これで、我は完全な天下人になったな」
「はい、後は幕張慎之介にこの景色を見せて降伏させるだけですね」
「よし、諸大名達に幕張にこの景色を見に来いと手紙を書かせよ」
「はい、わかりました」
豊影の天下統一がまた一歩近づいたのであった。




