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ターニングポイント 第133話人質

無事金崎家と大山家の和睦を成立させた士郎は大多喜城に帰ると皆が出迎え経丸が


「お帰り、士郎」


 士郎は照れ臭く


「おう、ただいま」


「兄貴、今回の件ありがとう」


「凛、珍しいな。それがしにお礼を言うなんて」


「それほど感謝しているって事だよ」


 士郎は得意げな顏で


「そっか、やっと兄貴の偉大さがわかった」


 凛は経丸に


「経丸さん、兄貴の事頼みますよ?」


「えっ?どういうことですか」


「こんな、人をムカつかせる人間を好きになる変わり者は経丸さんしかいないんですから」


 経丸はキョトンとした顔で自分を指さしながら


「変わり者?」


「ふざけんなよ!何が変わり者だ!」


 怒る士郎の言葉を聞いて凛は自分の失言に気づき慌てて


「いえ、経丸さんは男性の好みが変わっているだけで人間としてはとても立派なお方ですよ」


士郎は大きな声で


「それがしは女性にモテるんだぞ‼」


 経丸は少し焦った感じで


「えっ、モテるの?」


「それがし女性にモテるよな、ひのちゃん」


 ひのは真顔になって強い口調で


「それだけは絶対にないと思います。士郎さんを好きになる変わり者は殿以外いないと思います」


 凛は慌てて


「ひのちゃん、これ以上経丸さん追い打ちかけないで」


 経丸は呟くように


「私、変わり者なんだ」


 海老太郎が驚いた感じで


「えっ!殿は士郎さんの事好きなんですか‼」


 ひのは少し呆れた感じで


「海老太郎君、今頃何言っているんですか。この二人めっちゃお互いの事好きって感情だだ洩れさせているじゃないですか」


 この、ひのの言葉に経丸と士郎は恥かしさで顔を真っ赤にする。


 二人の真っ赤な顔を見た片倉は慌てて


「ひのちゃん、やめてあげて。これでも殿と士郎君は隠している気なんだから」


 海老太郎は納得したように


「そうですよね、僕今まで気づきませんでしたもん」


 皆は声を揃えて


「気づかなかったのはお前だけだ‼」


 皆にツッコまれた、海老太郎はとても驚いた顔をしたのであった。




翌日、天羽家の元に豊影から書状が届いた。


 稲荷から手紙を受け取った経丸は、その場で読んだ。


 手紙の内容は


豊影家は中国地方の覇者鈴谷と同盟を結び四国、九州を制圧した。天羽家も豊影家に人質を送って服従せよ


 皆を集めた経丸は皆に手紙を見せた。


「経丸、どうするつもりだ?」


「金崎家、大山家、武士家と手を組んで豊影と戦をするつもりだよ」


「それがしは豊影に服従すべきだと思う」


 士郎の言葉に皆が驚き大声で


「服従する~‼」


「あぁ、服従が一番最善択だと思う」


 凛が


「兄貴、何言ってんの!豊影は経丸さんの父上を殺した人間だよ。そんな奴に従えと言うの‼」


 士郎は冷静な口調で


「仕方ないだろ」


「仕方ないって、殿の気持ちちゃんと考えてるの‼」


「豊影は今西日本を完全制圧したその豊影と金崎家、大山家、武士家、天羽家が戦うとなれば仮に勝ったとしても今までの戦とは比べ物にならない被害が出ることになる」


「それに今の豊影に服従すればこの日ノ本の戦は終わるんだ。日ノ本中が平和な世の中が来るんだ」


 凛は呟くように


「確かにそうだけど」


「凛、経丸の心配は必要ないよ。平和な世の中になったらそれがしが必ず経丸を幸せにするから」


士郎の言葉に経丸は嬉しくて泣きだす。


 士郎は慌てて


「待て、待て、泣くなよ経丸。冗談で言っただけだぜ。なんでそれがしがお前を幸せにしないといけないんだよ」


 海老太郎が大きな声で


「これが照れ隠しってやつですか、片倉さん」


 片倉はニコニコしながら


「そうだよ、見事な照れ隠しでしょう」


海老太郎は真顔で


「勉強になるので見学させていただきます」


 士郎はツッコミで片倉と海老太郎の頭をはたいて


「やかましいわ‼」


 皆笑った。


「じゃあ、これで天羽家は豊影に服従するって事ですね」


凛の言葉を聞いた経丸は凛をぎゅっと抱きしめて


「凛ちゃん、私の気持ちを真剣に考えてくれて本当にありがとう」 


 凛は呟くように


「悔しいですけど、兄貴の方が経丸さんの気持ち考えていましたね」


 経丸は優しく凛の頭をなぜた。


 

人質は誰がなるかの話し合いになった時稲荷がすぐに


「僕が人質になりましょうか」


 士郎は稲荷の両肩に両手を置いて


「お前、いい奴だな」


士郎の対応に少し困惑する稲荷


 士郎は真剣な表情で


「でも、それがしが服従の言い出しっぺだ、それがしが人質になる‼」


「兄貴はダメだよ、経丸さんを幸せにするんだから人質なら私がなるよ」


「バーカお前に人質など務まるわけないだろ。人質はこの大多喜の英雄外岡士郎にしか務まらんよ」


「いや、兄貴は口が悪いから豊影の怒りを買ってすぐ殺されそう」


「大丈夫、それがしあまりしゃべらないようにするから」


 士郎の気持ちを汲み取った経丸は士郎に頭を下げて


「士郎、人質お願いします」


「任せろ、経丸」


こうして豊影家への人質は士郎に決まった。




 士郎はその日の夜三神と稲荷の五人で富田亭で


 デモンがしんみりとした感じで


「お前が人質に行くのか」


 士郎はデモンの態度に


「はぁ!何お前しんみりしてんだよ。いつもみたいにバカ騒ぎしたいからお前らと集まったのに」


 デモンは大声で


「そうだな、しんみりしても仕方ないなパァーとやるか‼」


 ひょーたは明るく


「番長、盛り上がりましょう」


 いつもクールに振舞ううーたも


「今日は飲みまくるぞ‼」


士郎達五人は昔話などをして盛り上がった。

 


士郎達が上機嫌で店を出ると店の前に経丸が立っていた。


「お前、こんなところで何してんだよ」


「士郎を迎えに来ちゃった」


デモン達は稲荷を引っ張って


「もう一軒飲み行こうぜ」


「行こう、行こう」


 四人は士郎を置いて歩いて行った。


 士郎は四人の背中に向かって


 ありがとよ


 と思っているとデモンが大きな声で


「士郎、今日は男になっても経丸さん許してくれると思うぞ‼」


 デモンの言葉に士郎と経丸は顔を合わせて真っ赤になった。


「やかましいわ、デモン‼」


 デモンは笑いながら大声で


「皆、今日士郎は男になるぞ」


 ひょーたが


「番長、遂に我らの努力も実が結びましたね」


 うーたは首をひねりながら


「我々、そんな努力したっけ?」


 デモンはうーたの背中を叩いて


「まぁ、取り合えず飲もうぜ‼」




「経丸、こんなところまで一人で来て危ないじゃないか」


 ブツブツ言う士郎に


「士郎、気づかない?」


「何が?」


 経丸は上を指さす


「おっ、すげぇー桜満開じゃん」


「最後にもう一度士郎に桜を見せたかった」


士郎は涙をこらえながら震える声で


「バーカ、最後何て縁起の悪い事言うなよ」


経丸も涙をこらえて笑顔で


「そうだね」


 士郎はいきなり経丸の唇を奪った。


 経丸はいきなりの出来事に驚き目を見開いたがゆっくり閉じた。


 しばらくすると士郎は経丸から唇を離して優しく経丸の頭をなぜながら


「続きは帰ってきたらやろ」


 経丸は顔を真っ赤にしながら


「続きって」


 士郎はいじわるっぽく


「聞きたいの?経丸はエッチだなぁ」


 経丸は慌てて


「違う、そういうわけじゃ」


「ふ~ん、じゃあどういうわけ?」


 経丸は真っ赤な顔で


「もう、士郎のいじわる‼」


 

 士郎は次の日豊影の居城大阪城に向かうのであった。


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