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ターニングポイント 第129話上田

「大山軍五万五千の軍勢で来ると対してこちらは天羽家と金崎家と武士家の兵の数を足して七千と」


 紙に呟きながら自軍と敵軍の兵力を書いていると


 勇は凛に


「どうやって勝ちましょう」


 凛は真顔で


「大山家に服従しましょう」


 勇は凛の言葉に驚きながら


「はい?何を言っておるのですか⁉」


「はっきり言います。ここで大山の大軍と戦えば武士家は滅びます」


「じゃあ、大山に服従するしかないのか」


「武士家が大山に服従するなら僕らは邪魔ではないですか」


 海老太郎の言葉に凛は


「はい、私達は邪魔なので軍勢を撤退させます」


「武士家は金崎家、天羽家と手を切れと言うのか」


「いえ、そんなことは言っておりません」


 勇は凛の言葉に頭の中が?で溢れかえった。


「どういうことですか」


 片倉は勇に優しい口調で


「大丈夫ですよ、凛ちゃんは天羽家の天才軍師ですから、悪い事になりませんよ。取り合えず一旦最後まで話を聞きましょう」


 凛は片倉に褒められて照れながら頭を下げた。


「武士家は大山に対抗できる城を持っておりません。なので一旦大山家に服従します。そして敵対する金崎家が脅威なのでそれに対抗する城を作って欲しいと依頼します。そして大山の人員と金で城を建てます。城が立て終わった直後大山から離反し、大山の力で作った城に立て籠り大山家との決戦に挑むのです」


「しかし、大山は本気で武士家のために城を作りますか?」


 凛は自信満々の表情で


「作りますよ、大山の狙いは武士家ではなく金崎家なのですから」


「えっ、金崎家⁉武士家ではないの?」


「大山暴走は金崎家に同盟の証として養子に出していた者が金崎家領内で謎の死を遂げたその弔い合戦をするのが今回の戦の目的だと思います」


「なるほど、だから大山家から金崎家の通り道にある武士家を攻めるのか」


「片倉さん、私と片倉さんと海老太郎君以外は撤退させましょう。そして金崎家の援軍を断りましょう」


「わかった、今の話を伝えて断るよ」


「待ってください。今の話はこの四人だけの中にとどめといてください」


「えっ、金崎家や殿にはお伝えしないと」


 海老太郎も片倉の言葉に続いて


「そうだよ、教えないと殿達が騙されちゃうよ」


「どこで情報が大山家に漏れてしまうかわかりませんから、この話は伝えないでください」


 凛は少し不安げな顔をする皆に自信満々の表情で


「それに敵を騙すなら、味方からって言うでしょ」


「凛ちゃん、何その言葉!カッコイイ!」


 凛は少し照れながら


「ホント?かっこいい?」


「はい、ものすごく」

 

「わかりました。金崎家や殿を一旦欺きましょう」


 勇は心配そうに


「でも大丈夫なのですか?信頼関係が崩れるんじゃないですか?」


 片倉は自信満々の表情で


「大丈夫ですよ、城が建ったらすぐに訳を話ますから」


「じゃあ、武士家は大山家に服従します」



片倉は軍を撤退させ、勇は金崎家の援軍を正式に断わった後。大山家に服従するため家臣の大地を連れて小田原城に行った。



 

ヤンキーみたいな風貌の大山暴走を見た勇は大地と思いっきり顔を合わせて

 

ヤバいよ、大ちゃん。この人恐過ぎるんだけど

 

大地も顔を引きつらせながら

 

取り合えず土下座した方がいいよ。こういう人には

 

そうだね、土下座しよう

 

心の中で会話した二人は大山にビビって小さな体を震わせながら土下座をした。

 

自分の前で土下座をする武士勇を見て大山暴走は勇に


「松本家の家臣のほとんどが豊影に付く中、武士家は松本家の恩義を忘れずに自立をするという厳しい道を選んだ。そのような立派な者達が俺なんかに頭を下げるな」


 勇と大地はその言葉を聞いてパッと顔を上げた。


 大山暴走は震える二人の体を優しくさすって


「今日から、よろしくな」


「はい」


三人は固い握手を交わした。


「今日から武士家は我らの仲間だと言う事だな酒でも飲もうではないか」


「すみません、お酒を飲む前に頼みごとがあります」


「頼み事?」


「はい、私の領地は常に金崎の脅威にさらされております。武士家単体では金崎家に対抗できる城はできません」


 おっー!勇ちゃん頑張れ‼


「そこで勝手な願いではありますが大山家の力を貸して頂きたい」


 おっ!言い切った。さすが勇ちゃん。あっでも勇ちゃん風呂上りかって思うぐらい汗噴き出しているよ。普段全く汗かかないのに


 大山暴走は二つ返事で


「わかった、力を貸そう」


「ありがとうございます」


 勇と大地は何もなかった事にホッとしたのであった。



その後、勇は大山家の宴会にお呼ばれしたくさんの料理や酒を振舞ってもらったのであった。

 


 勇と大地は小田原に一泊した後、武士村に帰ったのであった。


「大ちゃん、大山暴走の迫力凄かったね」


「ホントだよ。背中をさすられた時死んだと思ったもん」


「でも思ったよりいい人だったね」


「そうだね、騙すのなんか罪悪感、感じるね」


 罪悪感を感じている勇は下を向きながら


「まぁ、生き残るためには仕方ないよ」


 勇の気持ちを察した大地は慌てて勇の肩を優しく叩きながら


「勇ちゃん、ごめんごめん罪悪感なんか感じやしないよこの乱世を生き残るためには俺達の行動は当然の事だから」


「ありがとう大ちゃん」



 小田原城では


「殿、これで高政様の仇討が出来ますね」


「あぁ、武士を最前線にして金崎家を滅ぼすぞ」


 大山暴走は武士家を傘下にして金崎家を滅ぼすつもりなのである。










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