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ターニングポイント 第125話挑発

「元木をどのように挑発すればいいんだ?」


「まずは京都で萬崎の葬儀を派手にやって自分が萬崎の後継者だと言う事を天下に知らしめます」


「そうすれば、元木は殿が萬崎家を乗っ取る気だと思いいつ何が起こってもいいように戦の準備をするでしょう」


「俺が萬崎家を乗っ取る気だと思われてはダメなんじゃないか?」


「いいえ、ここはあえてそう思わせて戦の準備をした元木を謀反の疑いありと言えば戦う大義名分ができます」


「なるほど、しかし元木と戦って我らは勝てるのか?」


「今の殿は萬崎の仇を討った萬崎家一の権力者その殿が勝てば褒美を弾むと言えば皆、殿に付くでしょう」


「ホントか、ホントに俺に付くのか?」


 伊藤は悪い顔で


「情で動くのは一部の人間です。人間という生き物のほとんどは欲で生きるのです」


 豊影はなるほどと納得して


「他の大名家が敵方に付く可能性は?」


「殿に敵対する可能性の大名は金崎家と天羽家のみ」


「その二つが元木に付いたらまずいんじゃないか?」


「それは大丈夫です。大山は萬崎がいなくなった今本気で千葉を手に入れようとするでしょう」


「そうすれば大山の相手を天羽家だけではできないので経丸は金崎家に援軍を要請するです。だから元木にその二つが付くことはありません」


「なるほど、じゃあ大丈夫か」


「はい」


「では、早急に萬崎の葬儀をおこなうぞ」


「はい」



豊影は京都で豪華な萬崎の葬儀をおこなったこれで世の中の人に萬崎の跡継ぎは自分だと認識させたのであった。



 これを知った元木は


「豊影はやはり萬崎家を乗っ取る気だ!皆の者いつでも戦ができるよう準備しろ」


「はい」


 元木家伊藤の策略通り戦の準備を始めたのであった。

 

 

萬崎の葬儀を豊影が仕切った事を知った天羽家では


「やはり、豊影は萬崎家を乗っ取るつもりです」


 経丸の言葉に


「豊影が何をするのかわからないから戦の準備をするか」 


 経丸は冷静に


「士郎、悔しいけど私達は豊影とは戦えないよ」


「何でだ」


「豊影とは戦力差が違い過ぎるしそれにここを離れて豊影を討ちに行けば必ず大山が攻め込んで来るから」


 士郎は少し落ち込みながら


「そ、そうだな。経丸当主として成長したな」




「殿、やはり元木は戦支度をしております」


伊藤の報告に豊影はニタァーと笑って


「作戦通りだな」


「はい」


豊影は萬崎の家臣達に


「元木に謀反の疑いがある成敗しに行くぞ‼」


「おー‼」


 豊影軍五万は元木征伐のため元木の居城福井県北ノ庄城に向かった。


「殿、豊影軍が我らの戦支度を謀反と言って攻めて来るもよう」


 元木は呟くように


「やはり豊影は動いたか」


 元木は家臣を集め家臣達に


「皆の者、萬崎家を乗っ取ろうとする不届き者の豊影軍を全力で迎え撃て」


「はい」


元木の窮地と知った滋賀県長浜城城主勤勉は大和と共に打倒豊影として立ち上がり元木を攻めようとする豊影軍の背後から襲い掛かるために出陣したのであった。



 出陣する前、勤勉は大和に


「豊影という男は頭が悪いな、この時期に北ノ庄城に攻め込むなんて雪で動けなくなると言うのに」


「奴はたまたま、殿の仇を討てたから己の力を過信したんですね」


「まぁ、油断せずに雪で動けなくなった豊影を背後から襲って壊滅させますか」


「そうだな、奴を討って萬崎家を安泰させないと」


豊影が萬崎の仇討ち以外で一度も戦で功を立てるどころか数々の失敗をしてきた豊影を無能だと二人は思っていた。


豊影本人は確かに無能だが、豊影の参謀に優秀な伊藤がいる事を二人が知らなかったのが誤算を生むことになるのである。



 大内、琵琶の出陣を聞いた豊影は焦りながら


「伊藤、やばいぞ。勤勉と大和が俺らの背後を突いて来るみたいだぞ」


 伊藤は冷静に


「作戦通りですね。殿」


「何を言っておるんだ!」


怒る豊影に伊藤は冷静に


「殿、なぜ私がこの時期に殿を出陣させたかわかりますか?」


 豊影は一切考えもせずに


「まったく、わからん」


「もうすぐ雪が降るからですよ」


「どういう事だ」


「北陸の雪は身動き取れないほど凄いんですよ」


「じゃあ、そんなところに攻め込んだら俺達大変な事になるじゃないか」


 伊藤は心の中でクスクスと笑いながらも表には出さずに丁寧な口調で


「そんなところに攻め込むことはしませんよ」


「えっ?」


「我らの作戦は元木が雪で身動きを取れなくなっている間におびき寄せた大内、琵琶軍を攻め壊滅させることです」


 豊影は頭の悪そうな顔でひらめいたような感じで


「なるほど、元木は雪で動けないから元木を気にせず大内、琵琶と戦えるのか」


「はい、その通りです」


「よし、お前の作戦通り事を進めよう」


「はっ」


 豊影軍は元木の居城北ノ庄城に向かって行ったが突如方向転換し背後から襲い掛かろうとしていた大内、琵琶の軍勢に物凄い勢いで向かって行ったのであった。



 いきなり豊影軍が方向転換してきたとの情報を受けた大内、琵琶は


「まさか、豊影がこちらに向かって来るとは」


 大和は冷静に


「相手の軍勢は五万。こちらは一万、この兵力差で野戦をおこなえば我らの軍は壊滅する可能性が高いです」


「撤退するか」


 勤勉の号令で撤退したが豊影軍の動きは予想よりはるかに早く大内、琵琶軍はたくさんの兵が討ち取られた。


 勤勉と大和は共に命からがら長浜城に逃げきれたのであった。


 豊影は勢いそのまま長浜城を包囲したのであった。









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