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ターニングポイント 第119話暗躍

 豊影は伊藤を連れて松本家の元に行き


「松本殿、今日は大事な話があります」


「大事な話とは」


「我らで協力して萬崎を討ちましょう」


 豊影の言葉に松本和彦は驚き


「今、なんと」


「我らで萬崎を討つ」


「豊影殿は萬崎殿と同盟を結んでいるのではないのか」


 豊影は低い声で威圧するように


「確かに同盟を結んでいる。だからどうした?」


「だからどうしたって、豊影殿が萬崎殿を討つ必要がどこにあるのだ?」


「俺は萬崎が嫌いだ。だから萬崎を討つ」


 豊影の強い覚悟に和彦は


「おっ、おう」


 としか言葉を返せなかった。


「もし、萬崎を討つことに松本殿が協力してくだされば萬崎家が没収した松本家の旧領は返還します。それプラス一か国を差し上げます」


 豊影の言葉に声を弾ませながら


「ホントですか?」


 やはり、こいつは父親超えを今だに意識しておる。


「もちろん」


「わかりました。どのように協力すればよろしいのですか?」


 豊影は伊藤と二人で話した事をほぼすべて話最後の所だけ


「仮に萬崎の家臣達が攻めてきたら共に戦って萬崎の家臣達を撃破しようぜ」


 松本和彦は豊影と共に萬崎を殺すことを決意し豊影と固い握手をしたのであった。



 萬崎は天子の股に頭を置いて甘えた声で


「今日、経丸さんに京都見物を進めていたら天ちゃんと京都見物に行きたくなっちゃった」


 天子は萬崎の頭を優しくなぜながら


「智君、豊影さんから援軍の要請が来てるんじゃないの?」


「あんなの、俺が行かなくても豊影と松本軍で何とかなるよ。それより天ちゃん俺と京都見物行こうよ」


「うーん」


 少し悩む天子に対して萬崎は子犬のような目で天子を見つめる。


 天子はしょうがないなぁと思い


「まぁ、智君、ここの所ずっと頑張っていたから行こうか京都見物」


 萬崎は天子の言葉に子供のように


「ホント!嘘じゃないよね!嘘じゃないよね!」


「嘘じゃないよ、行きましょう。一緒に京都」


 萬崎は小躍りしながら


「やったー!天ちゃんと京都。天ちゃんと京都」


「智君、そんなに喜んでくれると私凄く嬉しいよ。楽しみにしてるね。京都見物」


「天ちゃん」


 萬崎はあまりの嬉しさに天子にぎゅっとしがみついたのであった。


萬崎は豊影の援軍に行くのは、やめて天子と夫婦で京都旅行に向かう事にした。


 萬崎が天子と京都見物をするから援軍に来ないと聞いた豊影は


「くっそ、あいつろくでもないな。おかげさまで計画がパァーだよ。なぁ伊藤」


 伊藤は真剣な顏で


「いや、そんなことはないですよ。殿は余程神様に好かれておられるみたいですね」


「どういう事だ」


「萬崎が奥方と京都見物となればそこまで兵を率いらないはず。率いても百人を超えるか超えないかだと思います」


「て、いう事は」


「萬崎の宿泊先を把握し、松本軍が襲い掛かれば萬崎を討つことは十分可能です」


 豊影は小さくガッツポーズしながら


「俺はもしかして神に選ばれた人間かも知れないな」


「そうです。殿は神に選ばれし男なのです」


豊影は伊藤を松本軍の元に再び生かせ萬崎暗殺計画の変更点を伝えさせたのであった。



 士郎はいつも通り朝五時に自分と格闘しながら起きて経丸と走りに行った。


 経丸は走りながら


「ねぇ、士郎京都見物どこ行こうか?」


 士郎はわざと意地悪で


「京都見物なんだから京都に行くんじゃないのか?」


 経丸は少し強い口調で


「違う!そういう事言ってんじゃないよ。京都のどこに行こうか言ってるの」


「京都の定番なら、清水寺とか金閣寺、銀閣寺じゃないかな」


「なるほどね」


「あっ、舞妓の格好必ずしてよ」


「なんで?」


 士郎は呟くように


「経丸の舞妓姿また見たいから」


「えっ、ホントに」


 経丸の嬉しそうな声のトーンを聞いて士郎は慌てて


「違うぞ、それがしは舞妓姿のお前をバカにしたいだけだから」


 経丸は士郎に顔を近づけて


「士郎、二人っきりの時は素直になればいいのに」


 いきなり顔を近づけられて動揺する士郎は


「バカ、バッカじゃねえの!」


 経丸は士郎の右手を両手で包み込むようにして握って


「必ず、舞妓姿になるから楽しみにしていてね」


 士郎は照れ臭く呟くように


「おう、楽しみにしてるよ」


経丸上機嫌で安土城の廊下を歩いていると前から萬崎が超ご機嫌でスキップしながら


「ワンツー、陣痛、京都見ぶつー!」


「萬崎殿、やけにご機嫌ですね」


「おっ、経丸さん聞いてよ。俺も京都に行くことになった」


「えっ、私達と一緒にですか?」


 萬崎は人差し指を左右に振りながら


「ちっ、ちっ、ちっ。違うよ、天ちゃんと夫婦で行くんだぁ!」


 笑顔の萬崎に対して経丸も笑顔で


「それはよかったですね」


「うん、よかった。本当に嬉しい」


 経丸は少し照れながら


「萬崎殿。私、士郎に私の舞妓姿見たいって言われました」


 萬崎は女性のような高い声で


「きゃー、青春だね。それは」


 経丸は萬崎の言葉に顔を真っ赤にしながら


「はい」


 萬崎は笑顔で


「士郎といっぱい楽しんで来て下さいね」


「はい、楽しみます。萬崎殿も天子さんといっぱい楽しんで来て下さい」


 萬崎は得意げに


「もちろん」


 二人はハイテンションでハイタッチをした。


 経丸と萬崎は京都見物を物凄く楽しみにするのだった。



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