ターニングポイント第118話 招待
萬崎は松本軍を交渉で傘下に入れ九州、東北、四国の大名達も、萬崎とは敵対しない意思を表明しこの日ノ本でまだ敵対する大名は中国地方の覇者鈴谷家のみとなった。そのため萬崎は中国地方の覇者鈴谷運転を討つべく豊影に鈴谷攻めを命じた。
中国攻めを命じられた豊影は
「めんどくせぇ、なんで俺がわざわざ中国地方まで行かないと行けないんだ。俺以外は皆長期休暇貰っているって言うのによ!」
イライラしている豊影に伊藤は冷静に
「殿、これこそ千載一遇の好機でございます」
「はぁ?何が千載一遇の好機なんだ?」
「殿が天下を取る千載一遇の好機です」
伊藤の言葉に豊影は興味津々で
「どういう事だ、伊藤」
「今、萬崎の家臣は殿以外は長期休暇を与えられて国元でくつろいでおります」
「そんなことは言われなくても知ってるわ!」
「殿、最後までお話を聞いてください」
「おう」
「今、萬崎の周りには家臣がいない、つまり隙だらけです。ここで松本軍と協力して萬崎を討ちましょう」
「我らに謀反を起こせと言うのか」
「謀反を起こせと言っているわけではありません。松本家に萬崎を討ってもらうのです」
「どうやってあの弱っている松本軍に萬崎を討たせるんだ?」
「山梨県以外全て萬崎に取られた松本和彦に萬崎を討てば没収された領地プラス一か国を差し上げると言うのです」
「なるほど、そうすれば萬崎さえ討てれば和彦は父を超えると思い気合いを入れて萬崎を討つかも知れないな」
「しかし、これじゃ、まだ松本軍が萬崎を討つことは出来ない」
「萬崎に我らの援軍に来てもらうように要請してするのです」
「そうすると?」
「萬崎は松本軍を引き連れて我らの援軍に来るでしょう」
「萬崎がなぜ松本軍を連れてくると断定できる?」
「萬崎は家臣思いだから休暇の家臣を戦に引っ張って来ることはしないから」
「なるほど」
「それで松本軍を引き連れた萬崎を」
伊藤の言葉の途中で豊影が
「松本軍が萬崎を裏切って討てばいいのか」
「そういうことです」
「松本が萬崎を討った後は松本軍と協力して萬崎の家臣供を討てばいいんだな」
「違います」
「違う?」
「松本が萬崎の事を討ったら殿はすぐさま松本を萬崎の仇として討つのです」
「そうすると?」
「殿は萬崎の仇を討った日の本一の英雄になるのです」
「おっ、お前凄いな。最高の策だぞ」
「ありがとうございます」
「この策が成功したら」
「殿は天下人になれます」
二人はニヤニヤしながら固い握手を交わした。
「早速、松本家と話し合うぞ」
「はい」
その頃
大多喜の経丸の所に萬崎から手紙が届いた。
経丸は手紙を読むとすぐ皆を呼んだ。
「皆、萬崎殿から手紙が来ました」
「おっ、魔王からか。なんだって?」
「松本軍家が萬崎家の傘下に入ったんだってそれで私達にたくさん協力してもらったから祝賀会に招待したいって」
士郎は
「ほぉ、またあの巨大な城、安土城に行くのか」
海老太郎はワクワクした感じで
「行きましょうよ。沢山美味しい物が食べれますし」
ひのは呟くように
「美味しい物は私も食べたいです」
「そうですね。じゃあ、行きますか」
この経丸の一言に皆賛同し天羽家は萬崎のいる安土城に向かった。
安土城に士郎達が着くと萬崎は笑顔で
「おー‼よく来てくれましたね」
と暖かく天羽家を迎え入れた。
経丸達の接待役は琵琶大和が務めた。
経丸隊の前に大量の豪華な料理が運ばれた。
「おい、魔王すげぇー豪勢だな」
「天羽家の皆には色々協力してもらったからそのお礼だよ。まぁ士郎に食べさせるはもったいないけどね」
「まったく、最後に余計な一言を言いやがって」
「いや、萬崎殿のいう通り士郎にはもったいないですよ」
経丸の言葉に
「そうだ、そうだ」
の大合唱
「何言ってんだ、こういう料理こそそれがしにふさわしい」
と言ってなぜかドヤ顔する士郎に海老太郎が真顔で
「士郎さんって美味しもの見るの初めてですか?」
士郎は左腕で海老太郎の頭を捕まえて右手で拳を作り頭にぐりぐりしながら
「お前、それがしの事煽ってるんだろ」
海老太郎は慌てて
「煽ってなんかないです。僕は真剣に聞いただけです」
「とりあえずごめんなさいは!」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
士郎はとりあえず海老太郎を開放すると皆から
「士郎最低!」
「弱い者いじめ!」
「人間じゃない」
皆が罵詈雑言を士郎に浴びせる中で海老太郎はどさくさに紛れて
「脱糞男!」
「海老太郎てめぇ!」
士郎は海老太郎に襲い掛かろうとするが横にいたひのと凛にがっちり抑え込まれたのであった。
このくだらない騒ぎが一段落すると
萬崎が
「経丸さん、皆さんで慰安旅行に京都見物されてはいかがですか?」
「京都見物ですか?」
「はい、京都は前に比べても治安も良くなりましたし前回時間が無くて回れなかった所もいっぱいあると思いますし」
「確かにそうですね。京都は見どころがたくさんありますもんね」
「もしよければ、着物抑えておきますよ」
「えっ、いいんですか」
「はい、もちろん」
「経丸、ここは遠慮することないぜ。魔王に甘えようよ」
萬崎は笑顔で
「士郎、たまにはいいこと言うな」
「じゃあ、すみませんけどお言葉に甘えさせて頂きます」
この場で天羽家の京都への慰安旅行が決まったのである。




