ターニングポイント第109話戦場
萬崎は緑が丘衆に多大な褒美を渡した後緑が丘衆も引き連れて経丸達と合流した。
「萬崎殿、援軍ありがとうございます」
萬崎は得意げに
「経丸さん、此度の戦、戦の常識を変える策を考えて来た」
「そんな凄い策を‼」
「ホントかよ、魔王!!」
萬崎は笑いながら
「士郎、楽しみにしてろよ」
「はい」
その頃新体制となった松軍の松本和樹は
この戦で萬崎、経丸をぶっ潰し家臣達を認めさせてやる。
松本和樹はよそから来た養子のため本来松本徳博の後を継ぐ立場ではなかったが、松本徳博の息子が相次いで戦や病気などで死んだため継ぐことになった。そのため後を継ぐことを認めていない家臣も存在し何とか自分の力で父、徳博を超える大将になって認めさせてやると意気込み今回の戦には最強の武将武士疾風以外の父、徳博に仕えていた家臣を引き連れてこなかった。
松本和樹は手柄を立てるのに焦りながらもの着々と萬崎、天羽連行軍の元に進軍していったのである。
松本軍はそのまま進軍し愛知県長篠で天羽、萬崎連合軍と対峙した。
天羽、萬崎連合軍は萬崎の指示で馬防策を設置して松本軍を待ち構えていた。
「萬崎殿、本当に松本軍は向かって来ますかね?」
萬崎は笑いながら
「今のままでは来ないよ」
経丸は萬崎の言葉に驚きながら
「えっ!来ないんですか!」
「あぁ、今のままならな」
「じゃあ、どうするんですか?」
「わからん、どうしようか」
横で聞いていた凛が
「私ににいい案があります」
「申してみろ」
凛は小さな声で
「僕が松本軍の背後にある長篠城を落とします。そうすれば松本軍は退路を断たれ決戦に挑まなければならなくなりますし、ましてや名門松本家が支城を奪われたまま退却するなんてプライドが許さないと思います」
「はい」
萬崎は凛をド突いて
「バカが、このような戦にそのような小細工などいらん」
と怒鳴りつけた。
萬崎の態度に士郎は萬崎の胸倉を掴んで
「魔王、今の態度はあんまりじゃないですか」
萬崎は士郎の手を振り払って去って行った。
士郎は去って行く萬崎に怒りをあらわに
「なんだ、その態度はいい気になるなよ‼」
と怒鳴りつけた。
萬崎はしばらく時を立たせた後一人で天羽家の陣営に行った。
士郎はふてくされながら
「なんですか、萬崎殿」
萬崎は凛の手を取って
「凛ちゃん、さっきの案素晴らしかった。是非採用させていただく」
士郎は萬崎の言葉に
「はぁ、何言ってんですか」
「さっき、いい案だと思ったけど敵方の忍が紛れ込んでるかもしれないと思って遼太にあんな態度を取った」
萬崎は凛のド突いた所をさすって
「申し訳なかった。痛くはないか」
凛は笑顔で
「大丈夫です。萬崎殿は手加減して痛くないところをどついてましたから」
萬崎は申し訳なさそうに
「本当にごめん」
士郎ははいきなり膝を地面につけて
「何も知らずにあのような態度を取って申し訳ございませんでした」
萬崎は笑いながら士郎を起こして
「妹があのような事をされたんだ。兄として当り前な行動だ。その行動ができたことを誇りに思えよ」
士郎は目を潤ませながら
「魔王」
萬崎殿は笑顔で
「士郎、片倉さん長篠城の奪回うちの勤ちゃんも参加するから頼むよ」
士郎と片倉は声を揃えて
「はい」
萬崎は去り際に凛の耳元で
「凛ちゃん、いい兄貴を持ったな」
凛は照れ臭そうに
「そうですね」
士郎は片倉に長篠城の前で
「一言、気合いの入る言葉を叫んでください」
「任せろ」
片倉は喉の調整をしてから大声で
「絶対に長篠城を奪回するぞ‼」
片倉の雄たけびと共に士郎、片倉、勤勉連合軍四千の兵が長篠城を奇襲した。長篠城を守っていた松本軍はいきなりの奇襲に油断をしていたのと決戦を前に兵が松本軍、本軍に徴集されていて兵の数は五百しかいないのもあって対応できず長篠城は落城した。
「おっしゃー!長篠城を奪回した‼」
長篠城を奪回した士郎は片倉に
「ここはそれがしにまかせて片倉さんは本戦に向かいなよ」
「何いってんだよ、士郎君持ち場を勝手にはなれたら軍事違反になるぞ」
「証明してこいよ師匠に、片倉水道こそが日ノ本一の武将だってことを」
「士郎君、良い奴だな」
片倉はその一言を残して本戦に向かったのであった。
萬崎は長篠城を士郎と片倉と勤勉が落としたと聞いて上機嫌で戦の準備をしていると
「萬崎殿」
「おっ片倉!長篠城はどうしたんだ!」
「長篠城は士郎と勤勉さんに任せました」
萬崎は片倉の言葉に驚き
「えっ、えっ?」
「僕もこの戦参加させてください」
横にいた豊影が
「魔王、自分の持ち場を離れる、これは軍事違反になりますよね」
萬崎は豊影を無視して
「なぜ、戦に参加したい」
「私は師匠の武士疾風と戦いたいそして日ノ本一の武将になったことを師匠に証明したいからです」
片倉は膝を地面につけて
「お願いします、僕も戦に参加させてください」
その場にいた経丸も地面に膝をつけて
「お願いします、片倉さんを戦わせてください」
横にいたチンパンジーが
「ダメに決まってるだろ、軍事違反は厳重に処罰されるんだ。そうですよね、魔王」
萬崎は笑顔で
「思う存分暴れまわれよ、片倉」
片倉と経丸は声を揃えて
「ありがとうございます」
「魔王、これは軍事違反ですよ、我の時お怒りになられていたじゃないですか」
萬崎は笑顔で
「チンパンジー、臨機応変に対応しないとこの世の中生きていけないぞ」
チンパンジーは萬崎の言葉に怒りで体中を震わせながら
「いつか、必ず殺してやる」
天羽、萬崎連合軍は松本軍を迎え撃つ準備を整え松本軍が突撃してくるのを待ち構えるのであった。




