ターニングポイント第107話奇襲
豊明と連絡を取りながら挙兵をした上城家を討つべく萬崎は七万の兵で二万の兵がいる上城の居城一ノ谷城の麓を囲んだ。
豊影は萬崎に
「魔王、今回の戦私が先陣を切って上城家を壊滅させます」
「そうか、任せた」
豊影は二万の兵を率いて一ノ谷城の正門に向かい豊影が来たのを確認して上城側は城の門を開けた。
上城徹は豊影に
「豊影殿、よく来てくれました。これで後は鈴谷や凶暴寺、そして琵琶家の援軍を待てばよろしんですね」
豊影はニコリと笑って
「皆の者かかれー‼」
豊影軍は一斉に上城軍に襲い掛かった。
上城徹はいきなりの豊影軍の攻撃に」
「おい、嘘だろ!おい‼」
驚きを隠せなかった。
いきなり豊影軍に攻撃された上城軍は対抗するすべもなく壊滅しそして上城徹は
「クッソー、豊影騙しやがったなお前を必ず恨み殺してやる!」
豊影は炎上する一ノ谷城を見て
お前達カスは俺の出世に役だつしか価値がねぇんだよ
上城徹は自害して果てたのであった。
萬崎軍が包囲している間に背後から襲う予定だった凶暴寺、七千の兵と海人の父が率いる琵琶家、三千の兵、合計一万の兵は上城徹が自害したとの情報を受けて戦わず退却をするが上城徹を自害させて勢いに乗っている萬崎軍の追撃を受けほぼ壊滅し大和の父は命からがら小谷城に逃げ帰った。
勢いに乗っている豊影軍は萬崎軍から離れ豊影は萬崎に断らず独断でそのままの勢いに乗って小谷城に攻め込み小谷城を落城させた。
父は大和の元に行き
「すまぬ、大和」
謝る父に大和は優しい表情で
「父は、この国を守ろうとした行動ではないですか」
大和は父に頭を下げて
「父上、今まで育ててくださり、ありがとうございました」
「大和、本当にすまない」
大和は智江のいる部屋に行き、覚悟を決め智江に
「智ちゃん、兄上の元に行ってください」
すべてを悟った智江は
「嫌です、私は行きません」
「僕は智ちゃんを死なせたくないだから行ってくれ」
智江は泣きながら
「私は大和くんのいない世になんか生きていたくない!私も一緒に死にます」
「ありがとう、その気持ちは嬉しいでも智ちゃんを僕と一緒に死なせるわけにはいかない」
「でも、私はもう生きる意味がないんです」
大和は優しい表情で
「智ちゃんは星蘭を守って育て上げる役目があるじゃないか、僕はもう星蘭を育てる事はできないけど天ちゃんが立派なおなごに育てる事を信じているから」
海人は天子が抱えている星蘭を抱えて
「星蘭、お母さんを頼むぞ」
智江は星蘭を抱えて泣きながら海人の前を去ったのであった。
海人は智江の後ろ姿を見て
智ちゃんのおかげで楽しかった僕の人生には悔いはない
豊影が小谷城を落城させたと聞いてた萬崎は急いで駆けつけたが小谷城からはもう火の手が上がっていた。
豊影は萬崎の前に現れて得意げに
「魔王、我がこの城を落としました」
萬崎は何も言わず豊影を突き飛ばして小谷城に向かって行った。
周りの家来達は危ないからと言って萬崎を止めようしたが萬崎はそれを振り払って単身で小谷城に忍び込んだ。
琵琶家の兵達は必死に戦って大和の切腹する時間を稼いでいる所に萬崎が現れた。
驚いた家来達は
「おい、萬崎がどうしてこんなところにいるんだ!」
家来達の言葉に対して
「どけ、道を開けろ」
家来達は皆萬崎に刀を向けて
「ふざけるな!ここは絶対に通さない」
萬崎は凄い迫力で
「大和を助けに来たんだ!道を開けろ」
家来達は萬崎の迫力に一瞬驚いたが
「嘘をつくな!殿を殺しに来たんだろ」
萬崎はその場に刀を捨てて
「これでも、信じない奴は俺を切り殺せ!」
家来達は萬崎の行動に驚き誰も手を出せなかった。
萬崎は大和がいると思われる部屋を見つけ思いっきり戸を開けた。
萬崎の姿を見た大和は驚き
「兄上、どうしてここに」
「お前を迎えに来たさぁ、外へ出るぞ」
「外へ出る!どういうことですか」
萬崎は優しい表情で
「戦は終わった。ここにいると焼け死ぬから一旦外へ出るぞ」
「兄上は、自分を許すおつもりですか」
「戦は終わったんだから仲良くしようぜ」
「兄上、すみません自分はここで死にます」
「はぁ、何言ってんだよ。行くぞ」
「私のために沢山の兵がこの戦で死んだ。だから私はこの戦の責任を取らないといけないんです」
「責任?責任を取るのとお前が切腹するのと何が関係するんだ」
「切腹は武士としての責任の取り方です」
萬崎は大声で
「ふざけるな!お前が切腹したって亡くなった兵士は帰って来ないんだ‼」
大和は泣きながら
「それでも今、私が亡くなった兵達に出来る最大の誠意は切腹だけなんです」
大和は萬崎に刀を渡して
「兄上、介錯をお願いします」
萬崎は黙って海人から刀を受け取った。
大和は上半身裸になり短刀を勢いよく腹に刺そうとした瞬間、萬崎は刀を放り捨てて両手で海人の単刀を抑えつけた。
大和の短刀は萬崎の両手を貫いたせいで海人の腹までは届かなかった。
大和は驚き
「兄上、何をされているんですか‼」
「ふざけるな!生き残った者を幸せにするのがお前の責任だろうが!!」
萬崎の正論に大和は返す言葉がでないでいると
「お前は敗者、敗者は勝者には逆らえない!」
萬崎は大和の頭を優しくなぜながら
「大和、お前は俺が死ぬまで俺の弟で居続けろ!」
この言葉で大和はその場で泣き崩れたのであった。
そして萬崎と共に萬崎軍に向かったのであった。
萬崎軍い戻った萬崎は偉そうに
「智江、俺の両手の怪我の手当てをしろ」
「嫌です、私の夫を殺した人のいう事など聞きたくありません」
「智ちゃん、兄上のいう事は聞きなよ」
萬崎の後ろからいきなり現れた大和に智江は驚き泣きながら
「大和くん生きてたの⁉」
「兄上に助けて頂いた」
智江は泣きながら大和に抱きついて
「よかった、本当によかった」
二人はしばらく抱き合った後智江は萬崎の両手を思いっきり握って
「ありがとう、兄上本当にありがとう」
萬崎は泣き叫ぶように
「痛い‼痛い‼痛―い‼」
萬崎の叫び声に皆笑ったのであった。
「魔王、大和殿の父上を無事捕縛しました」
萬崎は嬉しそうに
「でかした、勤ちゃん」
大和は驚きながら
「父上‼」
大和と父は感動の再開を果たした。
こうして琵琶家は小谷城こそ落城したが滅亡するのは免れたのであった。




