ターニングポイント第101話拒否
萬崎が凶暴寺に負けたと聞いた金崎国子は大山がいつ挙兵するかわからないのであまり軍勢を連れて来れなかったがそれでも琵琶、上城連合軍が萬崎軍に後ろから襲いかからぬように睨みを効かせるために琵琶、上城軍征伐に向けて出陣の準備をしたのであった。
ここ大多喜城では朝五時いつも通り士郎は
「眠い、眠い五、四、三、二、一はい」
士郎は無理やり飛び起き眠い目を擦りながら支度をして経丸と合流して一緒に走りに行く。
士郎は走りながら
「なぁ、経丸。魔王の奴日ノ本中敵に回してるけど大丈夫だと思うか?」
「かなりヤバイよね」
「どうすんだよ、萬崎が潰れたら間違いなく俺らは大変なことになるぞ」
焦り口調の士郎に対して経丸は冷静に
「そうならないために私達は萬崎殿に味方してるんじゃない」
「ところで経丸は魔王の事どう思っているんだ」
「萬崎殿はいい人だと思うし、今回の戦も萬崎殿は間違っていないと思う」
「だよな、それがしもそう思う。あいつムカつくけど間違ってないんだよな」
「私はムカつかないけどね、むしろ好感持ってるし」
士郎は経丸の言葉にイラっとして
「経丸、まさか萬崎の事好きなのか?」
「好きだよ」
士郎は経丸の言葉にガーンと後ろから頭を殴られたくらいの衝撃を受けた。
士郎は経丸にショックを悟られないように冷静を装って
「へぇー、経丸はああいう年上の男が好きなのか?」
経丸は真顔で
「士郎、何言ってんの?人として好きだって事だよ」
士郎は甲高い素っ頓狂な声で
「えっ!」
士郎の反応を見て経丸はニヤッと笑って煽るようにわざと敬語で
「士郎さん、もしかして勘違いしてました?」
士郎は顔を真っ赤にしながら
「何をバカな、別に勘違いなんかしないさ」
「へぇー、その割には尋常じゃないくらい汗かいてるけど」
「バカだな、それがしは経丸と違って本気で手を抜かずに走っているから汗は凄くかくんだよ」
経丸は士郎の耳元で囁くように
「大丈夫だよ、私萬崎殿を男性として見たことないから」
士郎はその言葉にふぅーと胸を撫で下ろした。
経丸は士郎をからかうように
「今、ホッとしたんでしょ」
士郎は顔を真っ赤にしながら
「ホッとなんかしないよ、経丸何かを女性として見る男はこの日ノ本に一人もいないから常時安心してるわ」
経丸は士郎の言葉にイラっとし大声で
「士郎って、ホント最低‼」
この後走り終えた経丸の元に金崎から共に琵琶、上城連合軍と戦わないかと誘いの手紙が来ていて経丸は迷うことなく即答で金崎に返事を送ったのであった。
金崎家と合流した天羽家はそのまま琵琶、上城連合軍と戦をしようとしたが
「おい、なんか金崎軍が我らに向かって来てるって」
怯える上城徹に琵琶大和は
「じゃあ、作戦を変更して金崎軍を迎え討ちますか」
「何を言っておられるのだ、金崎軍など我らは相手にしない我らは福井に逃げ帰るぞ」
上城の言葉に琵琶海人は慌てて
「今我らが逃げ帰れば萬崎が息を吹き返しますぞ」
「そんなこと知らないとにかく金崎は恐いからもう福井に帰る」
上城徹は大声で
「全軍撤退‼」
琵琶海人は慌てて
「待ってください、金崎軍は一万二千と天羽家三千の兵しか連れてきてません僕らの方が兵の数は五千も多いんですよ」
「琵琶殿、そんなに戦いたければあなた方だけで戦ってください」
上城徹は琵琶大和にそう言い捨てて帰って行った。
琵琶軍は上城軍が帰った事により士気はダダ下がり格上の金崎軍に対して兵の数も半分くらいになってしまったので撤退を余儀なくされたのであった。
天羽、金崎連合軍は琵琶、上城連合軍が撤退したのでそのまま萬崎軍に合流しようとしたが金崎家と天羽家が手薄になったのを見計らって大山家が挙兵をするそぶりをしたので天羽、金崎家連合軍は関東に戻らなくちゃいけなくなったのであった。
ここ、萬崎陣営では
「残念ながら、金崎殿とは合流できなかったが琵琶、上城連合軍が自国に帰ったからこれで凶暴寺も俺らに降伏するだろう」
山根も萬崎に同調するように
「はい、降伏すると思います」
萬崎は笑顔で山根の頭をくしゃくしゃとしながら
「これも全部山根君のおかげだな」
「いえ、魔王のおかげですよ」
萬崎は笑いながら
「こいつ、お世辞も言えるのか」
強く頭をくしゃくしゃされている山根は困惑した表情で
「いえ、お世辞では」
萬崎と山根の二人がじゃれあっている元へ
「魔王、凶暴寺が降伏を拒否しました」
萬崎は一瞬で目つきが変わり
「なんだと」
山根は冷静に
「凶暴寺は堅城で優秀な鉄砲隊がいるとは言え萬崎軍四万に対抗など出来ないでしょう」
「俺らがこの前の戦で負けたから奴らは俺達を弱いと思ったのか」
「いや、我らが対策してなかったから負けたって事は向こうはよくわかっているはずです」
「じゃあ、奴ら他にまだ秘密兵器があるんだ」
一方凶暴寺は
「ふん、バカだな、萬崎は我らが降伏するわけなかろう。これから日の本一最強と言われる松本が本気でお前を討ちに来るんだから」
凶暴寺の僧兵たちは高笑いをしながら最強の騎馬隊を率いる松本徳博の萬崎領土への侵攻を待つのであった。




