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嘘(きみ)と僕の約束  作者: Roman
9/13

9話「カレンのプロフィール」

4月22日

.


前回借りたアルバム、今も部屋で聴いてるよ。エデンと脳内で会話しながら、ネットの日記の内容を考える最近です。


エデンは、今日はお母さんとノエルと夕食を食べたんだってさ。久しぶりに家族3人揃ったから嬉しかったって話と、両親はエデンが7歳(ノエルが6歳)の頃に離婚していて、その時にお母さんと3人で東京に来たという話。


「エデンのお父さんとお姉さんは北海道にいるの?」

頭の中でエデンに話しかける。

「そうだよ。最初はノエルだけお母さんについていく話になってたけど、俺はノエルとずっと一緒にいるって決めてたから」


……そうだったんだ。

今日はこれからエデンの日記を書くから、この内容で更新する事にした。




掲示板では、カレンから返信が来てた。


実は後略プロフの掲示板に書き込みが来た時は通知のメールが届くように設定しているんだけど、メールが来た時に後略プロフ専用の着うたで設定してるから、鳴った時すごいドキッとしたよ……。


「エデンくん返信遅れてごめんね」

最初の一行はこの言葉から始まって


「私もプロフィール作ろうと思って、昨日色々作ってたんだ。それで、初めて自撮りしてみたんだけど難しくて」

「エデンくんに見てもらえるなら可愛く撮りたいと思ったの。でも難しくて、苦戦してやっとマシなのが撮れたと思ったら、疲れて寝落ちしちゃったよ」

と。

……なんだ、そうだったのか。


「ちょっと恥ずかしいけどURL貼るから見てね」


てっきり、何か疑われりしていたのかと思ったから、安心した。良かった……


カレンのプロフに飛んだ。

カレンのプロフィール画像は制服の自撮り画像で、顔の口元とリボン(制服の特徴を隠すためだと思う)にハートのスタンプで加工がしてあった。茶髪のストレートロングで色白だった。想像してたより可愛かった。


プロフィールは多く書かれていたわけではなかったけど、大阪住みの16歳(高校二年生)で、書いてあった事をざっとまとめると


【身長 】は157……(え? 私より少し大きい?!ショック……)(いや私より背が低い人の方が少ないか)

【趣味】は洋服、メイク【特技】お裁縫、【好きな男性のタイプ】二次元みたいに綺麗な人 ……(なるほどね)【好きな女性のタイプ】が年上の人 ……(あれ?女性も書くの?)

【好きな食べ物】シフォンケーキ、【好きな飲み物】アップルティー、レモンティー

【嫌いな教科】 体育

【好きな本】 エデンとノエル、海外の童話

【好きな花】バラ、ガーベラ【好きな動物】ペガサス……(え?ペガサスって動物なの?!)


【今一番欲しいもの】には(某ロリータブランド)のロリータ服と書いてあった。


【今一番行きたいところ】……東京の原宿に行ってみたい!

【カラオケでよく歌う曲】……歌うの得意じゃない

【最近ひそかに興味があること】……V系バンドとクラシカルなロリータ服! でもロリータ服高い(泣)

【生まれ変わったら】……お姫様かお人形さん!

【ここだけの話】……泳げない…(バタリ) ※顔文字



話していた印象でもプロフィールを見ても、カレンは夢見がちでとにかく可愛いものと美しいものが好きな女の子というイメージだ。

【将来の夢】には「リリー&メリー(ゴシック・ロリータ系ファッションブランド)の店員さん」と書いてあった。


プロフの1番下にはリンクが貼れるんだけど、日記っぽいリンクがあったから飛んでみた。

そこにひとつだけ【エデンくんへ】というタイトルで最初の日記が更新されていた。


なんて書いてあるんだろう。ページ開くのが嬉しいような怖いような不思議な感覚だった。

でも、読んでみたら何一つ傷付くような内容ではなかった。


「やっと憧れだった後略プロフが完成しました! 自分が作るなんて思ってなかったけど、エデンくん知ってからずっと私も作って見たかったんだぁ!」


「私、元々すぐ緊張して具合悪くなっちゃうんだ……それが高一の終わり〜高二になったくらいに悪化しちゃって」

「新学期で高校二年生になって、緊張で1時間くらいお腹痛くて恥ずかしくてトイレでずっと泣いてて、それがトラウマになって数日学校休んでたんだ。ずっと体調悪いし、これからどうしようって悩んでて、部屋で1人で気晴らしにインターネット見ていたら色んなサイトに飛んで……それで気が付いたら写メコンにたどり着いて!(笑)

そこで、偶然エデンくんを知ったんだ」


「エデンくんは、こんな男の子いるんだって思ったくらい綺麗だった。エデンくんを知ってから、毎日が楽しくなりました。最近毎日、朝目が覚めてすぐエデンくんの事思い出すんだよ。何してるのかなーって!(笑)」


「私ね、将来は服屋の店員さんになりたいんだ。でも、そのためには絶対高校は卒業しなきゃいけなくて……通信とかじゃダメで、全日制で卒業しなきゃいけない」

「新しいクラスにはまだまだ慣れないし昨日も早退しちゃったけど、諦めずに頑張るね!」

「私、いつかエデンくんに会いたいから」

「エデンくん、大好きだよ」


……。

カレンは、エデンの事を何一つ疑っていないし、当然裏を何も知らない。エデンが(私が)言った事を全て信じてる。エデンからの返信が遅いか早いかだけで幸せになったり悩んだりしてる。

たった写真1枚で、会った事もない他人にそんな風に思えるなんて……

バカだよね。私にはわからない。


でもなんでかな、気が付いたら勝手に涙が流れてた。


そんなに全日制の高校を卒業したいのか。

ちょっと頑張り過ぎなのではとも思うけど、それが今のカレンの目標なら……



エデン聞こえる? 私ね、どうかカレンが高校卒業するまで、ネットからで良いから側にいて見守っていたいです。ダメなのかな?

「エデンはどう思うの」って、いつもみたいに心の中で聞いてみた。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新待ってました。エマのしていることはたしかに嘘かもしれないけど、それって映画や漫画で物語を作るのと変わりないんじゃないかと思います。フィクションでも誰かの心を動かしたり感動させたりしたら…
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