表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘(きみ)と僕の約束  作者: Roman
4/13

4話 「HN.カレン」

4月17日

.

今日はバイトが休みで寝てたんだけど……夕方に電話が来て、高校生の子がバックれたから出てくれと……。で、仕方がないからメイクして3時間だけだけど出勤。

でも、特にお礼も言われない。ひどいよ。


21時過ぎに帰ってたら、結構遅い時間なのに、友達と楽しそうに帰宅する高校生の女の子たちがいた。部活なのか遊びなのか、バイト終わりなのか……わからないけど、プリクラ持ちながら制服で楽しそうに歩いてた。

同世代の高校生のみんなは、学校が終わったら制服のままゲーセンに行って、制服でプリクラ撮って、ファミレスでパフェ食べながら恋バナとかお洒落の話とか、みんなでしてるのかな……。


私も、高校に行っていたとしたら今は、高校三年生になったばかり。

彼氏とかはよくわからない。恋愛感情がよくわからないからね……男をかっこいいなと思う事もあるし女を可愛いなと思う事もあるし、そういう人たちの前では性別問わずそれなりに緊張したりはする。

でもそれだけで、それ以上の何かはない。


女の子の友達は欲しい。正直、制服で歩いてる同世代の子たちを見るととても眩しくてキラキラしてて……羨ましい。

でも、小学生からずっといじめられていたし、今もバイト先で嫌われてるし……私には友達なんて一生出来ないんじゃないかって、本気で思ってる。

嫉妬も含めて、友達同士や恋人同士の人たちに

「どうせ3年後ぐらいの今頃は一緒にいないくせに」

とか、心の中で思ってる。

最低だよね。でも、なんかもう人間が嫌い。大嫌いだ。


帰宅して、掲示板に書き込みくれた子たちへのメッセージ返信。

カレンに返信したと思っていたらしていなかった……!ヤバイ!

急いで返信したら、時間も夜だからか、10分後にすぐ返信が来た。

「他の子にはレス返してるから、何か変な事言ったのかなって心配してたよ……」と。ちょっと罪悪感……

話してる内容は

「大阪来たことある?」「ないんだ。行ってみたいけどね」だとか「私もプロフィール作ろうかな」「作ってみたらどう?けっこう楽しいよ!」だとか、そういうまだ表面的な事。

でも驚いたのは、カレンが絵本の「エデンとノエル」が好きだという事……!

(絵本エデンとノエルは一応現代の童話なんだけど、絵の衣装がお姫様と王子様みたいに美しくて、そういう服装が好きな10〜20代の若い子に人気な作品。

絵本の主人公はノエル(男の子)で、エデンは女の子(紛らわしくてごめん……絵本の方ね)

絵本の読者の中では女の子にはエデンが人気で、男の子はノエル好きな人が多い。

カレンは、絵本のエデンが好きで、服装や世界観を真似したいんだそう。

(マジかよ!私はノエルに憧れてる。なんかビックリ)


でも、男が(絵本の方の)エデンが好きって滅多にいないし、可愛い絵本だからエデンがエデン(いや名前ややこしいぞ)を好きだったとしたら、なんか気持ち悪い!(笑)

「HNが思い付かなくて、弟につけてもらった」

って、設定通り、念のため言っておいた……危ねぇ!(笑)

(この絵本からHNとったから、文字にすると紛らわしい)


他にも、掲示板には初めましての子たちから

「綺麗過ぎます!日記楽しみです全部読みます!」とか

「東京に行ったらエデンくんに会えるのかなぁ……初めて東京行ってみたくなりました!」とか

「プロフだけで美しさと危うさと頭脳明晰さが伝わって来ます……」とか(笑)

そんなキラキラしたのが、まだ続いています。


この子たち、エデンの事を何一つ疑っていないし、当然裏を何も知らない。エデンが(私が)言った事を全て信じてる。エデンからの返信が遅いか早いかだけで、幸せになったり悩んだりしてる。

会った事もない他人にそんな風に思えるなんて……


バカだよね。私にはわからない。

エデンも、そう思ってるんでしょ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ