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嘘(きみ)と僕の約束  作者: Roman
11/13

10話「友達でいる手段」


4月23日

.

日曜日だよ。昼から夜までバイトして、帰宅してから後略プロフで日記書いたり掲示板の返信したりしてた



エデンの今日の日記は、バンドのメンバーと初のスタジオ練習という事で更新したよ!

(いきなりスタ練って早いのかな? よくわかんないから「今日しか全員の予定が合う日がなかったから早いけど今日になった!」と書いておいた。)

初のスタジオ練習にしてはいい感じかな!

いざとなったらエデンは勉強優先すると思うけど、両立出来ると良いね。

バンドメンバーが知り合った経緯は、ベリィはエデンの中学の先輩で、エデンとハルカが過去に塾で知り合っていてハルカの紹介でアイリ加入……って感じの設定かな。


バンドメンバーの特徴、特に髪型は

ギターのベリィは茶髪(と書いたけどイメージしてるのはワインレッド)のセミロングの髪をウェーブに巻いている女の子。

目つきが悪いのがコンプレックス。

将来の夢はパティシエ、自分のカフェを持つ事かな?

ギターが弾ける女の子ってカッコいい!(←また願望)


キーボードのアイリは、黒髪のロングヘアで、前髪は少し長い。

エデンよりほんの少し背が少し高いかな。楽器がとても上手い。少し大人しめかも?

将来の夢はピアノ講師。


ドラムのハルカは茶髪の前髪長めのショートカットで、気さくで優しい青年で、将来の夢は、語学関係かな。

(それぞれの将来の夢は、私が過去に少し憧れた事のある職業……また憧れを入れてしまった〜!)


アイリとハルカはどちらもお兄さんって感じだな。バンドの中でもアイリは聞き役で、よく喋るのはハルカ、エデン、ベリィだと思う。ノエルは大人しくて可愛い末っ子ポジションかな。

こういうプロフィール設定は全部、エデンが好きなバンドのアルバムを聴いていたら自然に見えて来た(笑)


こうやって、エデンとしての嘘の日記が出来上がっていく。

他のプロフィールもなんとなく浮かんでるけど、また今度書くね!




最近は、らいの日記を見るのが楽しみ。

ほぼ毎日更新されてるんだ。

友達しか見れないパスワード付きの日記には、「今日のらいめし!」というタイトルで、いつも作った料理の写真がたくさん更新されてた。


エデンとして、らいと掲示板でも会話した。

今日は他の子からの返信がなくて、らいとリアルタイムで掲示板で話した日だった。


「日記見てるよ! らい、料理上手すぎじゃない?」

らいは、嬉しい照れるな〜から始まって

「料理は、うちの1番の趣味で特技なんだよ! 夜ご飯だけはいつもうちが作ってるんだよね。

中学から付き合ってる彼氏が、料理できる人が好きって言うから、頑張ってるんだ。

あ!あとね、うちもエデンと同じで母子家庭なんだ。妹はいるけど、私はバイトしかしてないからさ」

と。

(彼氏のために料理を頑張ってるなんて、健気過ぎないか……? 人を好きになるとそんな風になるの?)


「健気過ぎない? 人を好きになるってどういう感覚なの?」

「え?……エデン、人を好きになった事ないの!? 元カノの話とかしてたじゃん?好きだったんだよね!?」

「……いや、長く彼女がいないから、好きになる感覚がもう思い出せないかも(笑)」

「そうなの?でも大丈夫だよ!きっとエデンも久しぶりでもいくつになっても、また人を好きになれるしちゃんと気付けるよ!」


(ひえ〜! やばかった! 人を好きになった事がない事がバレそうになった。しまった!適当にごまかしておいた……)


「話変わるけど、うちね、実はちょっと前に女の子の事好きになりかけた事あるの!(笑)」

(え?本当にヤバい。まさか、女ってバレたのかな……何が言いたいのかな)


「だからね、恋愛に性別もないし、友達に性別もないと思ってるんだ」

(あ、なんだ。ただの前置きか。良かった……)


「だからね、男女の友情はあると思ってるんだけど……男の人はそういうのはないのかな?って思う事があるんだよ。

最初は優しいし楽しいんだけど、女の子に彼氏がいるって惚気ると、急に冷たくなるんだよね。思い込みしすぎかな?

でも、本当に彼氏の話してからのタイミングで冷たくなるんだよー」


らいの返信は続いた。

「エデンはそういうのないから、本当に本当にありがたい。エデンがいなかったら危うく男性不信になる所だった!(笑)」


らい、そんな風に思っててくれてたんだ。

らいが信じてる嘘も、壊しちゃいけないな。……


「そんな男ばっかじゃないから大丈夫だよ! 俺も友達は男女両方いるよ。恋人が男は流石に嫌だけど!(笑)」


(※(笑)が多くてすまんな。顔文字や記号はここでは書かないようにしてる)

こんな感じで、あとは今日の夜ご飯は何食べたとかTVは何を見るだとか、普通の会話をして楽しく過ごした。


嘘ばっかの会話。でも、すごく楽しい時間だったんだよ。



らいが母子家庭なのは、プロフィールにさりげなく書いてあった(母と妹と暮らしてる、とか)でなんとなくわかってた。

らいとエデンは、好きなバンドと同じで(それがきっかけで書き込みしてくれて)共通点が多くて、それに返信して、気がついたら毎日掲示板で話してた。

その共通点はエデンは全て設定なんだけどね。でも、私もらいと話してると楽しいんだ。


でももし、らいの前にエデンじゃなくて、エマとして現れたとして?

きっと、友達にすらなれないよね。

だって私とエデンは似ている所が多過ぎる。

というか、私の方が童顔なだけで角度やメイクや髪型によっては顔も似てる(当たり前だけど……)

そうなると、私はらいとは現実でなんて会えないし、話す手段もネットでエデンを演じる事しかないんだ。


それはらいだけではなくて、カレンもそうだ。

エデンとして出逢う人たちはみんなそうなんだ。


でも嘘のプロフィールを作らなかったら、カレンとこうして出逢えなかった。今、こんな形だけど、みんなと日記を読み合って掲示板で日常の話が出来る事が本当に楽しい。


でも、カレンに「本当は私は女でエデンは存在しないんだ」なんて絶対に言えない。

絶対に言いたくない!

せめてプロフィールで出逢った人の中でだけは、エデンとして実在していたい。

嘘はついてるけど、みんなの事を冷やかして嘘をついた訳じゃない。なんでこんな事しちゃったんだ。



そんな事を考えていたら、また らいの事を思い出した。

らいとエデンは、好きなバンドが同じ。そのバンドを、らいは小さい頃から好きらしい。(つまりエデンの設定と全く同じ)


それなら、エデンはそのバンドについて、らいと同じくらいに語れるくらいには詳しくないと辻褄が合わないって事だよね?

私が聴いたのはアルバムたったひとつだけ。このアルバムは全部何度も聴いたけど、それだけじゃダメだ……これじゃまだまだ足りない。


こんなんじゃ話しているうちにいずれ(ファンだって事が設定だって)バレる。

もっとエデンとらいが好きなバンドについて、もっと詳しくならないとダメだ。


次は、別のアルバムも聴いて、色んな曲たくさん聴いてみよう。

エデンは、みんなの中では実在しているんだ。これが、私がみんなと話せるたった一つの手段だ。

こうしないと、私はみんなと友達でいられないんだ。

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