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Prologue
初投稿!
オリジナルで長く書いてると云う定義ならば此れが処女作!!
・・・・ったく
小さく口にした言葉が夜闇に響き、吸い込まれる。
遠くから忍び寄る風が足元を掠め、何処かへと消えていった。
ふと、何とは無しに天を仰ぐ。
満点の星。
加えて満月。
月の綺麗な夜だなぁ、と。そう思った。
先刻彼奴らにパトロールの当番を押し付けられた事等如何でも良くなってきた。
視線を戻し、気を取り直してパトロールに集中する。
月光の照らす夜は、灯りを付けずともある程度行動できる。満月の場合それが顕著だ。
故に、“被害者”が多く出る。
一人でも多くの人が被害に遭わない為に。
どんなに小さな音でも聞き逃さない様に、
どんなに小さな痕跡でも見逃さない様に、
周囲に注意を巡らせる。
ーーーーーっっ
遠くから、小さな声が聴こえた。
上手く声になっていない、悲鳴。
それを聞きつけた青年は駆け出し、その背は夜の闇に紛れていった。