一緒の布団
次の日、結局今回健太は現実の世界へと戻ることが無く、ミラの家で一晩過ごすことになった。しかも部屋の数が少なく布団も一つしか無かった為、ミラと一つの布団を共有する事に。
女っ気の無い健太にとっては、女子と一緒に寝るなんて経験は勿論初めての事であり、ひたすら自分の理性との闘いを強いられていた。そんな状況の中で眠れるわけもなく、結局1時間眠れたか眠れなかったといった感じだった。
「お、おはようございます」
「おー、おはよう健太。よく眠れたかな」
「あ、あぁよく眠れたよ」
必死に笑顔を作る健太、その事に気づいたロドは少し健太を茶化す事にした。
「だがしかし、目の下にクマが出ているぞ。もしかしてミラと一緒に寝て興奮して眠れなかったのか?」
「なっ!」
ロドの何でも見透かしてる様な笑みを見て、少し不満気な表情をする健太。
「もしかして、ロドの仕業か?本当は部屋も布団もあるのにわざと一緒に寝させたとか。そういえば昨日寝る時、ロドはどこにいたんだ?」
「部屋も布団も本当に無かったさ、それに私はリビングで寝てると言ったではないか」
「あれ、そうだっけ?」
「あぁそうとも」
「って、なら俺もリビングに・・・」
「いや、リビングは私限定だからダメだ。そんなにミラと一緒に寝るのが嫌なのか?」
ロドと健太がミラを見ると、ミラはうとうとしていた。
正直、ミラは健太の好みにドストライクであった。
「こんな可愛い子、いつ手を出しちまうかわかんねぇんだよ」
小声で少し照れ臭そうに言う健太を見て、ロドは少しにやけて言った。
「そこはこらえるんだな、強くなるための鍛錬と考えればいいのだからな」
「くっ、ロド・・・」
「はっはっはっ!それよりも早く朝食を食べて、鍛錬を始めよう。健太、ミラを起こしてやってくれないか」
「なっ、あっ、あぁ」
健太は少し照れ臭そうに頬を赤くして、椅子に座ってうとうとしているミラの元へ歩み寄った。
「おい、ミラ起きろ。朝食の時間だぞ」
少し肩を譲りながら声をかける。男とは違い柔らかい肩に、少しドキッとしてしまう健太。それは次第にミラを起こすよりも、肩をさする事に焦点を置き始める事態になっていった。
「ほ、ほらみ、ミラ朝だぞ」
「・・・んっ・・・」
なんとか目を覚ましたミラ。ゆっくりと目を開けつつ、その視線を健太へと向けていく。その破壊力はとてつもなく、健太はさらに頬を赤くした。
「よ、よお、おはよう」
「・・・ん、お、は、おはよう」
「⁉︎☆♪#○」
(か、可愛すぎる)
健太を見つめ、挨拶をするだけでこの可愛さ。だったこれだけの事で、ここまでトキメいてしまう健太。健太は朝からこれから自分の身体が持つのかと、先が思いやられる気分だった。
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