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第一章 第二話 「異変?」

二話です。

なんだか前話より長いですが、気にしない方向で。

会話文多めです。ごめんなさい。



\ ♪ キーンコーンカーンコーン ♪ /




「さぁ、授業を始めるぞ、みんな座れー。」



- 1時間目 -


先生「皆さん、高等部への進級おめでとうございます。

というわけで今日は、自己紹介でも「ゴホッゴホッ…」…ん?リドだったか、大丈夫か?」


「大丈夫か?リド、保健室いくか、?」

「先生ーっダメっぽいー!」


「ゴホッ、、ありがと、ルガナ、グレース、だいじょゴホッ、、」


なんとリドの不調に先生は、初めてとは思えないほど柔軟に対応した。

リドが病弱であることは、中等部からの引継ぎで知っていたからだ。


グレースに保健室へ付き添うように、

そしてルガナには荷物運びと酷いようなら病院へ連れて行くよう伝えた。



「今日は特にやることないわけだがグレースは現状報告ついでに戻ってきなさい。ん?カイお前も行くか?」


「え?ボクですか~…リド~、大丈夫~?」


「うん、大丈夫だよ、先生、ありがとうございます。」


「ん。じゃあ続きやるぞー。カイ、春といえば?」


「えっ…自己紹介じゃないの・・・団子…です…?」


「あー。気にするな、それより団子って・・・花より団子ってことなのか?…じゃあ…」



保健室への道中リドは、

「(あー、やっぱりだめだった。今日もこうなっちゃうのかぁ。

新学期始まって身も心も心機一転…

なんて思ってたけど、そりゃあ無理がありますよねー…

二人とも…ごめんね。いつもありがとう…)」

なんて、ボーっとしている頭で歩きながら考えていた。


「あの、さ、二人とも…」

「ん、?リド、ごめんとか言うなよ?」


「(スミマセンもう謝りました。なんて言えな・・・)」


「謝る必要なんかないんだから~、自分の心配だけしてなよ~リドちゃんっ」


そんなこんなで第三保健室に到着。



ここ瑠璃学園は、町の中で唯一の教育施設。

幼稚部・小等部・中等部・高等部・大学、大学院までそろっており、

基本的にはエスカレーターで進級する。

もちろん、試験などは存在するけれど、まじめに勉強していればたいしたことはない。

( ※大学、大学院は除く )

それゆえに、「馬鹿じゃないの?」ってくらい広いため、複数のグラウンドや体育館などが存在する。

学園内には、町の公共施設もあり、役所などもここに含まれている。

そして、ショッピングモールや遊園地などの、商業施設も、学園に併設されている。



ルガナと、グレースは、とりあえず保健室のベッドにリドを寝かせた。

どうやら保健医は不在のようだ。


「病院いくか、?」


「うーん…ダイジョブデス(棒)」


「よぉし、ダメなんだなー。待ってろ。」


(「あ、もしもし母さん? 今平気?うん、そう・・・病院までおねがいできる?わかった、ありがとう。」)


「10分くらいで来てくれるってさ」


「ごめん、ありがとう。」


「だーかーら、謝るなって。」


リドが不調の時、いつも助けてくれるのはルガナだ。

いつからだっただろう。幼馴染だと、気づいた時にはこうだった。


リドの両親が亡くなったときもそばにいたのはルガナだった。



「じゃあ私戻って先生に伝えるねー。」


「ありがとね、グレース。よろしく。」





―― 数分後。



ガラガラッ


保健室の扉が開いて入ってきたのは保健医だった。


「あら、新学期早々お客さん?あぁ、噂のリドちゃんね。」


「う…噂…?」

と、ボーっとしながらも困惑するリド。

「先生、リド、風邪っぽいんで、迎えを呼びました。詳しいことは、担任に聞いてください。」


ルガナがそう報告すると、

「はいはーい、承知しました。えっと、あなたがルガナ君ね。じゃあとりあえずこれ書いてくれる?」


保健医は<保健室利用報告>と書かれた紙とペンををルガナに渡した。


書き終わったと同時くらいに、再び保健室の扉が開いた。


「ルガナ~お待たせぇ~お迎えに来たわよぉ。」

「母さん、ありがとう。」


ルガナが保健医に紙を渡し、リドの様子を見に行くと、リドは少し息苦しそうに寝ていた。


「リドーっ・・・寝てるのか。母さん、リド運ぶから荷物よろしく。」

「はいはーい。先に車に向かってるわねー?」


ルガナはうなずくと、リドをお姫様抱っこで軽々と運んで行った。



「おーい、リド起きろー。病院ついたぞー。」

「…っ!?…ごめん。」

「気にすんな。」


\ピ-ンポーンパーン/

「お待ちのリドさーん、中へどーぞー。」


「ん、ちょっといってくる。」






「(タイミングいいなぁ…いや、ルガナか…)アキラ先生…よろしくお願いします。」


「どーも。新学期初日だったろうに、大変だったね。それじゃあ診ていこうか。」


私の主治医であるアキラ先生の診療が始まった。


診断は風邪だった。

とくに重い何かではなくてよかったけど、申し訳ない。

薬を受け取り、ルガナママに家まで送ってもらった。


「いつもありがとうございます…」


「リドちゃん一人で大丈夫ぅー?」


「はい、ただの風邪だそうですし…」


「そーぉ?それならよかったけどぉ。後でご飯をルガナに持っていかせるからぁ、食べてねぇ?

そのままルガナに看病してもらいなさいっ、ねールガナ―?」


「お、おぅ。」


「いつもありがとうございます・・・」


「はいはーい、お大事にねぇっ」


ぺこりと挨拶するリド。

二人を見送って…といっても隣なんだけれど、車が車庫に入ったのを確認して、

家のカギを開けた。


ガチャッ


時計を見ると、まだ昼前だ。

「とりあえず横になろう…お昼過ぎにはルガナが来てくれるだろうし…」


チクタクチクタク・・・

静寂の、時計が動く音だけが部屋に響く。


少しずつ音が遠のいていく。

ふわぁっと、ぼんやりとした意識の中で、目の前に誰かいるのは分かった。

その誰かはリドに何か語り掛けている。


???「……を…戻し………を……て……早く……がないと……」


「(え…?記憶が何…?…よく聞こえない…何…?)」


リドは意識を手放した。







ガチャガチャッ 玄関が開く音が聞こえた。


時計の針は、お昼過ぎを指していた。


「おーい、リド~邪魔するぞー。」

玄関から、ルガナの声がした。


「(眠い…ボーっとする…)」


階段を上がり、リドの部屋の扉を開けた。


「あ、寝てたか?わりぃ、起こしたな。」


「…大丈夫~」


「とりあえずこれな。さっき母さんがいってたやつ。食べれそうか、?」


「ありがと、食べれる…と思う…」


ルガナのお母さんは料理上手だ。

おかゆ一つも、とてもおいしい。


「(でもやっぱり眠い…)」


リドはベッドに戻り、パタンと横になった。


「ん……まだ眠い…寝る…(スヤァ 」


「おう、ゆっくり寝ろ。俺はしばらくここにいるから。ってもう寝てるし…」


ルガナは、リドが寝たのを確認すると、お茶を淹れるべくキッチンへ向かった。






――― 数時間後。



ドドドドド・・・ドンッ!!!


リドの耳に突然轟音が入ってきた。



「ん…っ!?」


「どうした、リド?」


「いまの、なに…爆発音?」


「バクハツ?なんのことだ、?変な夢でもみてたんじゃないのか?」


「えっ…??」


リドには明らかに聞こえた自信があった。

「夢の中じゃない、はず、だって、夢の中で私はお花畑に・・・ってそんな場合じゃない。

何なのか確認しなきゃ…行かなきゃ…っ!」


起き上がって上着を着ようと思ったその時。


「落ち着けリド、どうしたっていうんだ。熱上がったか?」

「え、だって……」

「俺には何も聞こえなかったぞ。」

「えっ…熱、測ってみる…」


ピピピ【‐36.5‐】


「平熱だな…熱が下がってよかったな。でもまだ安静にしとけ。」


ドォン!!


「!?…また聞こえたよ?!」


「ん?また??どういうことだ???」


「私…行かなきゃ…ちょっと行ってくるっ!!」


リドは外へ飛び出した。


「おい!ちょっ!待て!」


外はまだ明るく、青空が広がり、春の暖かい風が吹いていた。


リドは音がした方角、海辺に向かって必死に走った。


身体はさっきよりも軽かった。


すれ違う人たちは何もない顔して歩いていた。


「(あんなに大きな音が聞こえたのに…どうして…?)」


不思議で仕方なかった。


走り続け、爆発音が鳴っていたであろう場所に、たどり着くことはできた。


できたのだが、ここは海辺、目の前に灯台があるくらい。

潮風の匂いが全くしない、それどころか、いつもより空気が澄んでいた。


ふと見渡してみると、灯台のふもとに女性が倒れているのが見えた。


リドは駆け寄って声をかけた。


「ねぇ、あなた大丈夫…?」


???「なぜ人が…?人払いの結界は…?」


女性は立ち上がりながら、警戒するように口を開いた。


「結界…?あなたは誰?さっきの音は何?」


???「音も聞こえて私の姿も見えているのね…あなたは…敵?それとも…」


「え、何?私が敵…??」


まるで意味がわからなかった。


???「あなた、魔力を…」


「ま、まりょ、魔力、?私は一般の人類だよ・・・?」


この世界には、魔力を使うことのできる種族が少ないながらに存在している。

彼らは、昔人間よりも多く存在していたが、迫害され、数が激減した。

リドは少なくとも、人間として育てられてきた。

自分に魔力があるとは微塵にも思ったことがないし、感じたこともなかった。



リドは頭の中がぐるぐるしていた。


そのとき視界を眩しい光が覆った。


「あなた、、、リド?リドなの??」


「なぜ、名前を…?ここはなに、?さっきの音は何、?」


「やっとみつけ…られた…!あなたを探していたの。

…この封印は?…あぁ、そういうことね…記憶の封印ね。

これをこうして…っと、あとは時間の問題ね。」


彼女はリドの額に触れながら魔法を操作している。


「えっ・・・なに・・・これ・・・い、いやっ・・・やめて・・・っ!!!!」


リドはその場に倒れた。





「リドーー!!」


「ルガナ…?」


ハッとした時、灯台の前にいた。


夕日が海へと沈みかけている、綺麗な夕暮れ空が広がっていた。


「ん…ルガナ?」


「リド・・・無事でよかった。急に飛び出していくから何かと。」


「ルガナ…なにが起きたのか全く分からない、けど、あの人は?」


「何があったんだ…とりあえず、家に帰ろう?まだ治った訳じゃないんだから。立てるか?ほら、手。」


「うん。」(バチィッ


「「っ、、?!」」


二人の手がふれた瞬間、静電気の様に何かがはじけた。


「えっ、、なにこれ、、、」


リドの右手にアザのようなものが浮かんでいる。


「…?ここで、何があったんだ…そのアザ、どうしたんだ…?」


「えっ?えっと…」


リドはおもわず黙ってしまった。

さっきのことを、どう説明したらいいのかわからないどころか、何が起きたのかもわからない。



「もう日が暮れてきたし、とりあえず帰ろうか」


恐怖を感じているのか、不安を感じているのか、リドは震えていた。

そんなリドを安心させるような声と笑顔でルガナは、そう伝えた。


リドと手を繋いで帰った。


家につくとすぐに、「きっとまだ熱があるのだろう」とリドを寝かせた。


横になるとすぐに、すーっと寝息を立てはじめた。




読了ありがとうございます。

次回はどうなるんでしょうかっ

お楽しみに。

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