表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンで金貨を稼ぐ  作者: 地下水
8/11

ゴブリン

 何事もなく3階に来れた。洞窟内はいつも薄暗いので時間の感覚がおかしくなる。逆に森林と草原エリアは、どういう仕組みか不明だが外の時間と連動している。外が昼なら明るく、夜になると暗くなる。

 移動する間、奴隷のフォルスを観察していた。彼の武器は中古の剣だけ。最短距離を移動してきたけど、彼は疲れているようにみえない。一人で5階まで行けると豪語するだけあり、相当優秀なのかもしれない。バッレクは4階までなら一人で行ける自身がある。しかし、モンスターの集団に襲われた場合を考えると、一人で活動するなら3階まで。

 

 4階に向かう途中の脇道から、男の悲鳴のようなものが聞こえてきた。当然声のした方に足を向ける。暗くてよく見えにくい。革の鎧をつけた男が一人倒れていた。


 「大丈夫ですか」

 

 離れた場所から返事を待つ。


 「う、うう」

 「近くに行って助けないのですかい?」

 

 フォルスが意見を述べる。

 普通なら助けるがここはダンジョン。ダンジョン内で注意する相手はモンスターだけではない。

 盗賊団もいるという話もアンから聞いている。


 「盗賊の罠かもしれない。フォルスはあの革の鎧は着れそうですか?」

 「……(体の大きさが)同じなので、着れますぜ」


 身長に辺りを確認して近づく。不意に、嫌な『予感』がしてしゃがむ。

 石が空気を切り裂く音がして、間一髪回避した。

 しゃがまなければ頭に命中していただろう。


 「罠だ!卑怯だぞ。どこにいる!出てこい。仲間の命がどうなってもいいのか」

 

 ナイフを倒れている男に向ける。素早く男を確認するとすでに死亡しているようだ。

 まずいな。この男も罠だとすると……。


 「「グギャギャ」」

 

 予想は当たり、小さなモンスターが暗闇から現れた。

 ゴブリンだ。知能はあると知っていた。まさか声まで真似て、人間を囮に使うとは思ってもみなかった。

 

 「ぬんっ」


 フォルスが走り、ゴブリン3体を切り伏せていく。あっという間だ。ゴブリンは消えてアイテムがドロップされていく。


 「助かったよ。働いてもらった所悪いがこの男の装備を着てくれ」

 「……」


 若干嫌そうにするが、主人であるバッレクの命令には逆らえない。

 装備を手に入れて強化されたので4階に向かう。ダンジョンで死亡したものの持ち物は発見者の物になる。ギルドカードだけはバッレクが回収した。これを届けると少しお金を貰える。

 フォルスの装備代金が浮いて良かった。

 

 泉についた。時間はちょうどお昼くらいか。フォルスは装備を洗いたいと申し出てきたので許可を出す。

 

 「僕はご飯の支度をするから」


 一言断り作業を開始する。以前仕掛けた罠には兎がいた。4階には兎や猪といった地上の動物も生息している。4階から6階には、捕らえた動物を販売する商人までいるほどだ。

 兎の肉がたっぷり入ったスープが出来た。

 フォルスを呼び食事をする。


 「余ったのはどうするんですかい?」

 「ああ、まだ足りなければ全部食べてください」

 「遠慮なく頂きます」


 満腹になったら昼寝をしたくなってきた。



 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ