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オタクのどこが悪いっ!

この世界は残酷である。残酷とは言葉からすればやばい感じかも知れない。しかし俺にとって思春期の俺にとって残酷すぎる日々が

続いていた。


「好きです!俺と付き合ってください」

「ごめんなさい私オタクは好きじゃないのであなたとは付き合えません」

ほら見ろ。俺をオタクという

人類とは別の種族のような言い方で軽蔑し俺の告白をそれだけの理由で破棄する。世界は残酷だ。


これで振られたのは何回目になるだろうか。

しかも毎回、オタクというキーワードを口実に使い俺を振る。


俺は自分で言うのもなんだがゲームオタクは

例えば美少女ゲームをやればその美少女の虜になりこの現実の女の子たちは恋愛対象から外れるもしくは一応恋愛対象だが全くそういう気にならないという人が多いだろう。


だが俺は違うのだ。俺はエロゲーという俺の中では神様のような物を趣味に持ちながらゲームの中の美少女やお姉さんたちと触れ合いつつも現実の女子も好きなのだ。


べ、別に俺は2次元ガチ勢という訳ではない

しかしどうしてもエロゲーのキャラクター達と現実の女子を重ね合わせ学校でも人気が高い女子ばかりに告白してしまう。これもまた俺が振られている原因の一つかも知れない。


まあ俺はこう見えても心が強いからエロゲーの美少女達を見ればすぐに立ち直る事ができるという素晴らしいスペックの高校3年生なのだ!。


「今日もまた振られた.....グスッ」

「まあ気にするなよお前学校ではトップクラスのルックスの持ち主なのにオ・タ・クってところが大きなマイナスポイントだよな」


俺は心が強いと言いつつ落ち込んでいた。なぜなら今日で告白し、振られた女の子、述べ77人なのだ。

「とんだラッキーセブンだよな」

俺は告った校舎の横の西校舎で自分の教室の中で購買で買ってきた雨印のコーヒーを飲みながら自分の悲しいラッキーセブンをクラス委員長へと話す。


委員長とはこれと言って仲良く話す仲でもなかったが相談して真面目に答えてくれる人はクラス委員長しかいないと思い相談した。


「まあ78人目は成功すると思う!俺は応援しているよ!」

「ああありがとな」

クラス委員長として数々のイベントを成功させてきたからこそ俺とは違う希望に満ち溢れる回答が俺の耳へと入る。


「じゃあ俺はそろそろ仕事があるんでお先に

松原くん」

希望の光は教室を出てクラス委員長の会議がある上の階の会議室へとダンジョンに出かけて行った。俺はその姿をただ教室から子犬の様に見送るしかなかった。


「俺もぼちぼち引き上げるか」

俺は雨印のコーヒーを片手に持ち学校のカバンをもう片方の肩へと背負い教室を後にした

廊下はまるで北海道が降臨したかのような凍える寒さに包まれていた。廊下を見渡す限りこの西校舎3階に残っている生徒はいないようだ。ただ静けさだけが残っている。


廊下の端の階段の下りていき一階の3年生が使う下駄箱へとたどり着いた。

外からはサッカー部やソフトボール部などの声が玄関まで響いてくる。現在寒い俺とは違い彼らは半袖で汗をかきながら部活へと励んでいた。俺だって一応元バスケ部だし!?


そんな昔の事を思いつつ俺は靴を履き校門の門を通り学校の前の大通りへと出た。

まずすぐ家に帰るのは面白くないと思ったので俺行きつけのゲームショップへと向かう事にした。


「いらっしゃーい!お? (けい)か?昨日発売の新作エロゲーならお前の分はもう確保してあるぞ」

「ありがとうマスター、さすがの俺でもこのゲームは見逃せないんだ。」


この店はゲームショップ コブラ俺がエロゲーをいつも買いに来る場所だ。ここならコブラ独自の購入ルートで6000円のエロゲーが4800円で買えるのだ。だから俺はコブラの店長の事マスター 《マジでスごいタだものじゃない人》略してマスターと呼ぶのだ。


俺が買ったのはこの現代これ以上の美少女が揃っているエロゲーは他にないとエロゲーマー達に言わせるほどの新作ゲーム

「あの丘には伝説がある!」だ。


タイトルからして地味なゲームっぽいが

キャラクター達を見るとまるで俺は天国にいるような気分になれるほど美少女揃いなのだ

ストーリーもまた面白い


「能見町、人口5000人の町でその町にある山、天平山には不思議な伝説がある。

それはその山の頂上には開けた丘がある。

しかしその丘は普通に探しても絶対に見つからない。いくつかの条件を満たし山に入ると自然にその丘に歩いて行きその丘で一緒にいた女性は一生結ばれるというものだ。」


俺から言わせればマジで神ゲー!それだけだ

こんなにも興味を誘うエロゲー、それにルート分岐が大量にあり誰がその結ばれる女子になるか分からないというハラハラドキドキストーリーなのだ。


俺は速攻でそのエロゲーをマスターから購入し神速の速さで家へと帰りノートパソコンを開いた。

「ついにこの日が来たのかやっとこのゲームをプレイできる日が....」

俺はただいま起動中というパソコンの画面を眺めながらはやくゲームをしたいが為に

よだれが出てしまっていた。


しかし何十分も待っているのにパソコンが起動しない。そして画面が切り替わったが

表示されているのはパソコンが壊れているという表示だった。


俺はその事実を受け入れられずすがるようにマウスをクリックし続けた。だが当然の如く

パソコンが直ることはなかった。

「仕方ない新しいノートパソコンでも買いに行くか。」

ため息をつきながらポケットの中の財布の中身を確認した。俺はパソコンが壊れた時にパソコンが買えるようにパソコン代を温存していたのだ。


「ちょっとパソコン買ってくる」

「いってらっしゃいー」

リビングにいる母親に出かける事を伝え俺は玄関を出た。

外はいつの間にか雲が広がり雪でも降ってきそうな感じだった。


「雪が降る前に買いに行かないと」

俺は手に息を吹きかけ擦りながら少し急ぎ足で電器屋さんへと向かった。

「やっぱりパソコンはタナカ電気だよな」

俺はその大きな看板を上目で見ながら店内へと入る。


店内は平日とあってか人はあまりいないレジではアルバイトが暇そうに立っている。

俺はエスカレーターて上の階へと向かいパソコンが売っている場所へと着いた。


至る所に何十%オフを書いてある紙が貼られ俺を、購入するという欲望へと駆り立てる

その値段が下がっている商品に興味示すのが人間というものだ。当たり前だけど。


俺は一番安い4万円のノートパソコンを購入した。最近のパソコンは安くてもすごく高性能なのでとても助かる。


パソコンが入ったダンボールを片手に俺は

タナカ電気の店内から出る。外はさっきより寒さが増しているような気がした。

やはり寒さが増した原因は雪にあるようだった空からは大粒の雪がゆっくりとゆらゆらしながら落ちてくる。雨のように早く地面について消滅したくないんだね!分かるぞ!


とりあえず雪が積もったらやばいのでさっきよりも、もう一段速めのペースで歩き出した

そして5分後家の近くの交差点で信号に捕まった。ここで思うのだが信号はなぜ俺を足止めするのだろう。俺は何も悪い事はしていないと言うのに....その答えは交通ルールだからです!と寒さを紛らわす為自分の中でくだらないコントをやっていると向こう側で信号を待っている少女に目がいった。


「あれは俺が24番目に振られた同級生

皆中 正子ちゃんかな?まあ俺には関係ないけど」

俺はすれ違った時に気付かれるのも厄介だと思い別のルートで帰ることにしようと思い

左の道へ歩き出そうとすると一匹の子犬が道路に飛びだした。


「引かれるって!?」

俺は飛び出していく子犬がとてもスローモーションに見えていた。そして俺の視界の中に皆中が子犬を助けようと飛び出していた。

俺はパソコンのダンボールを投げ捨て道路へ飛び出した。


子犬を抱きかかえた皆中を突き飛ばし一件落着と思いきや俺の横3メートルには大型トラックがクラクションを鳴らしながら猛ブレーキをしていた

「俺、死ぬのかな.....せめてあの世では今日買ったエロゲーやりたいよな...」

そう思ったコンマ数秒後周囲にガタッという鈍い音とトラックのキィーというタイヤのきしむ音が響き渡っていた。







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