窮地の英雄
「ちくしょう、また次から次へと…。」
「もう捌ききれねーぞ。」
青年たちの顔からは疲労と憔悴が見え隠れしていた。しかし、そんな青年たちに
容赦ない報告が届く。
「第二波、来ますっ!」
「馬鹿な、援軍は来ないのかっ!?」
しかし彼ら自身も分かっていた。今いる手勢が考えうる限り最大の手勢であることを。
もうこれ以上、誰も助けには来てくれないということを。
「お前ら先に行け」
「しかし…」
「気にするな、な~にスグに追いつくさ。」
「わかった…必ず来いよ」
「あぁ。」
全てを引き受けた青年は、しっかりと目を見開き、しかし余裕のある
表情でこう言った。
「いらっしゃいませ~。」
そう、ここはグスト。家族や恋人たちに幸せを提供するファミリーレストラン