第七話「ファーストデート2」
お互い水の掛け合いしたので服が軽く濡れてしまう。二人は、服を乾かすため近くのベンチに座って海を眺めてる。
「う~ん。気持ちいいね」
美咲は、座りながら伸びをする。
「そうですね」
「海って綺麗だよね。太陽の光で反射してキラキラしてるところとか私好きだな」
初めて見た海に満足しているようだ。
「そういえば、俊樹君って彼女さんといないの?」
突然のことでむせる俊樹。
「な、何急に変なこと聞いてるんですか!?」
「え?変かな?」
「いやいや変ですよ。急に彼女いるとか聞いてきて」
「ご、ごめんなさい」
「謝れると困るんですけど」
「で、で?どうなのいるの?」
隣に座る美咲は、物凄く知りたそうである。
「……い、いないですけど」
「そうなの?いると思ってた。じゃじゃ、今まで何人とお付き合いしてきたのぉ?」
今度は、目をキラキラさせながら。
「0です!0!悪いですか0で!」
「へぇ~人って以外ね。フフッ」
口に手を添えて笑う美咲。
「笑わないで下さいよ。美咲さんは……あ、なんでもないです」
「あ~!今私は、お付き合いしたことないって決めつけたでしょ!」
「えぇ!あるんですか!?」
「無いけど」
真顔。俊樹は、物凄い真顔で言われた。美咲の後ろに凄い大きいドヤッて文字が、浮かび上がるのが見えた気がした。
「で、ですよね~」
美咲は、海の方に視線を向けると。
「デートって楽しいですね。特定の男性と同じ時間を過ごして一緒に遊んだりして、これがもし好きな人だったらこの時間は、どんな風に変わったりするのかな……」
「……好きな人と一緒だったらもっとドキドキしたり、もっとずっと一緒にいたいって想ったりして、その人から目が離せなくなったりするんじゃないですかね」
俊樹が言うと美咲は、肩を震わせて笑い出した。
「あはははは。俊樹君って見かけよりずっとロマンチストね」
自分が言ったことを思い出して顔を赤くする。
「あらあら。耳が赤いわよ」
美咲は、俊樹の右耳を軽く掴む。
「何掴んでるんですか?」
「ん?君の右耳」
美咲は、俊樹の耳元で囁く。俊樹は、驚いてパッとその場から立ち上がる。
「く、くすぐったいじゃないですか!」
「フフッ。その耳あまがみしちゃうわよ」
「なっ!服もう乾いたので行きますよ!」
スタスタと歩き出す俊樹。美咲もそのあとに続く。
「もう。待って俊樹君!」