第五十話「禁則事項」
「よいっしょ」
「わ~。二人分の花束だから花瓶に入れると、かなりボリュームがありますね」
音葉と結愛は、花瓶に花を活けるため水道があるところにいる。
「結愛ちゃんは、いつからこっちに来てたの?」
「こっちに来たのは、昨日の午前中で病院には、2時位からです」
「じゃ、二日連続で?」
「はい。心配でしたから」
「鈴木君のこと本当に好きなのね」
「勿論です。……本当にあれぐらいですんで良かったです」
「結愛ちゃん」
病室に戻る二人。
「兄さんから聞いたんですけど事故に遭った日、町田……先輩は、兄さんと会うはずだったんですよね?」
「えぇ」
「デートだったんですか?」
「う~ん。違うと思う。待ち合わせ場所が学校だったから服は、学生服だし何より鈴木君からは、話したいことがあるとしか聞いてなかったからデートでは、なかったと思うよ」
「それって……まさか」
何か感じたのか結愛は、立ち止まって考え込む。
「ん?どうしたの結愛ちゃん」
「あ、いえ、なんでもないです」
病室に辿り着いてドアを念の為2回ノックをしてドアを開ける。
「じゃ、任せて」
「お願いします」
中に入ると俊樹と美咲が何やら話をしていたらしい。
「何話してたの?」
結愛が俊樹に聞く。
「ん?なんでもないよ」
「怪しい!怪しすぎるぅ!」
俊樹の顔に結愛がくっ付きそうな程の近づいて来た。
「別にいいだろ」
「教えないと右足触るよ!」
そう言って骨折している右足に触ろうと手を近づける。
「そんなことしたらもう頭撫でてやらないぞぉ~」
俊樹も反撃すると触ろうとしていた手をピタッと止めた。悔しそうな顔をする結愛。
「む~。兄さんの意地悪」
その二人のやり取りを見ていた音葉と美咲。すると、美咲が隣にいる音葉に小さい声で。
「美咲ちゃんって今度いつ空いてる?」
「え?……多分、金曜日は、空いてると思うけど」
「じゃ、金曜日の3時に駅で待ち合わせね」
「わ、分かった」
結愛がクルッと音葉と美咲に顔を向ける。
「今度は、そこのお二人!何を話してたんですか!」
「秘密」
唇の前で人差し指を立てて可愛らしく。
「な、内緒で」
何故か内緒と言ってしまった音葉。
「も~。みんなして私に隠し事しないで~」




