表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/51

第四十七話「黒猫」


水曜日。午前11時。すでに学生服に着替えて部屋で音葉に伝える練習をしている俊樹。時には、壁に。鏡にと。独り言のように喋り続ける。練習なのに緊張して正面ではなく、上を向いたり下を向いたりし目を瞑ったりしてしまう。その都度、気合を入れ直すかのように自分で頬を叩く。

「あぁ~。緊張が解けないな。大丈夫。今は、緊張して落ち着きがないけど本番は、大丈夫だ!そう。大丈夫、大丈夫。……なぁ~。本当に大丈夫かな」

ベットに座って手を上にあげて後ろに倒れる。

「……音葉先輩」

そのまま、眠りについてしまった。


「……ハッ!!」

パッと目が覚めて時計を確認する。

「1時!なんとかセーフ。腹減った。飯食べよう」

部屋を出て一階に下りるとカレーが出来上がっていてテーブルには、書置きが置いてあった。

『午後から仕事。カレー作ったから食べなさい。 母』

椅子に座ってカレーを食べ始める。まだ少し暖かった。


2時5分。駅に着いて学校に向かう俊樹。向かう途中、念のためにと家を出る前に告白文をメモ書きにして、それ見て暗記出来るようにしていた。

「俺は、音葉先輩が好きです……」

そうしてブツブツ唱えているといつの間にか、学校近くの十字の交差点に辿り着き、信号が青になるまで待つ。メモ書きをポケットに突っこんで、両手で頬を二回叩く。

「よし!」

あと少しで青になる。交差点を渡って坂を上れば学校。あと10分あれば到着。

「うぉ!ビックリした!」

信号待ちをしていた俊樹の右足の元に、いつの間にか黒猫が一匹いた。



2時30分。駅に音葉が到着した。

「鈴木君。もう着いてるかしら。久々に制服だけどどこも変じゃないよね?」

駅の改札口にある大きな窓を使って、全身を移してチェックをする。その姿に行き交う若い男性が、音葉のスタイルに目が行ってしまう。

「さて、少し急いだ方がいいかな?」

腕時計を見て時間を確認して学校に向かう。


綺麗な黒髪を風になびかせ、僅かにお菓子のような美味しそうな、香りがする香水が漂う。夏服の学生服。上は、Yシャツに青いリボン。よく見ると薄く透き通って下着が見えてしまう。スカートの長さは、膝ほど。

「ふんふん」

自然に鼻歌が漏れる。そして、学校近くの十字の交差点に近づいた頃だった。音葉の視線の先に沢山の人と一台の救急車が停まっていた。どうしたんだろうっと音葉は、人と人の間をかきわけて前に出ると。

「!!」

今まさに救急車に運ばれようとしている俊樹がいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ