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第四十四話「ぬくもりの中で」


「驚いた~。美咲さんでしたか」

「こっちもビックリしたよ。まさか、俊樹君だったなんて」

俊樹は、自電車を停めて美咲の傍に行き今度は、じっくりと絵を鑑賞する。絵を塗るのを止める。見られることに恥ずかしいのか、麦わら帽子で顔を隠す美咲。

「これ完成ですか?」

「うんん。まだ、だけどもうすぐで完成」

そう言って色を塗るのを再開する。俊樹は、美咲の右隣りに座る。

「いつもここで絵描いてるんですか?」

「時々。天気がいい時に来るの。俊樹君は?自転車みたいだけど」

「あぁ~。今日暇で暇でそれでなんとなく、自転車で走ってたらここに来ました」

「そうだったんだ。暇なら誘ってくれればよかったのに」

「忙しいかなって思って」

「じゃあ、今からデートしましょ」

「えぇ!」

「と言ってもここでいいかしら?」

「い、いいですけど」

「あ、お腹減ってない?」

美咲は、隣に置いてあったバスケットを膝の上に置いて開けると、ラップされているおにぎりが数個入っていた。

「いいんですか?」

「いいよ。食べて食べて」

どれにしようか中身が何入ってるのか、分からないので少し迷ってから一つ手に取りラップをめくってパクッと食べる。隣に座る美咲は、俊樹の顔を見ながらどう?どう?みたいな表情をしながら感想を待っている。数分口の中で味を味わってから飲み込んだ。

「これ……超美味いんですけど」

「そんなに?嬉しいな~。もう一個食べる」

おにぎりがあまりにも美味しかったのか俊樹は、そのあとも食べ続けた。

 その後。美咲が絵を描き続けるのを俊樹が隣で見ていると、美咲からある一つの提案がなされた。

「ねぇ。ずっと座ってるのも疲れちゃうと思うから良かったら膝枕どう?」

自分の膝を二回ポンポンっと叩いて誘う動作。

「な、何言ってるんですか!?」

顔が赤くなる俊樹。

「今は、デート中よ。ほら、いらっしゃい」

俊樹は、美咲の足を見てゴクンッと生唾を飲んで態勢を横にして、仰向けになって頭を美咲の太ももに乗せる。マシュマロみたいな柔らかさ。ワンピースの薄い生地が壁になっているとわいえ、じわじわと暖かさが後頭部から感じ始めて、上を見ると胸越しに美咲の顔が見える。

「自分から誘ったけどいざやるとドキドキするね」

「じゃ、じゃ止めましょう!」

起き上がろうとした俊樹を美咲は、止めた。

「フフッ。ダ~メ。そのままそのまま。寝ちゃってもいいからね」

再び絵の作業に戻った美咲。目を開けているのは、恥ずかしくてしばらく、目を閉じていた俊樹。最初は、落ち着かなくて心臓がドクンドクンっと早かったが、次第に落ち着いてきた。

 太陽の日差し、川が流れる音、鳥の鳴き声、人の声、美咲の身体の暖かさ。俊樹は、体中で今この時を感じる。

「……」

どれくらい時間が経っただろう。俊樹は、目を開ける。視界には、美咲がいる。

「美咲さん」

「うん?どうしたの?」

「……俺。もう一回音葉先輩に告白します」

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