第四十二話「将来」
ある夜の神代宅。約30畳ほどあると思われる広いダイニングルーム。天井には、豪華なシャンデリアがあり、部屋のあちこちに高そうな装飾品が置いてある。丸いテーブルを囲んで、美咲家族が食事を始めようとしていた。
「今日兄様?」
「まだ、仕事をしてるわ」
美咲は、隣の父に聞く。
「お父様は、仕事終わっているのですか?」
「いや、終わっていないが最近美咲と食事をしてなかったから、一緒に食べたくなってな」
っと大声で笑う父。それに母も口元を押さえながら小さく笑う。
「まぁ、嬉しいですけど仕事は、ちゃんとしてくださいね」
「これは、参ったな~」
「美咲。学校の方は、どう?」
母が聞いてきた。
「楽しいですわ。辛いことなんてありませんわ」
「そう。あの学校は、女子高ですけど……異性はどうなの?」
異性と聞かれて少し間を開けて美咲が言う。
「実は、少し前に駅でひったくりに遭いまして」
「まぁ!大丈夫だったの?」
「大丈夫でした。丁度その時に学生さんがいまして、その方に助けてもらいました」
「まぁまぁ。ちゃんとお礼したの?」
「はい。それでその方の事調べましたら、私が通う町にある高校生で一つ年下の方でした」
美咲が話をしていると二人の執事が食事を運んできて、テーブルに美味しそうな食事を並べ始める。メインは、ステーキ。
「その方の事好きなの?」
「はい。もう告白もしました」
「それでその方は、どう返事したの?」
「話すと長くってしまうのですけど、その方と知り合った日の少し前に別の人に告白したそうでそれは、断れてしまったそうです。そして、今も告白した人のことが気になってるので、そのままの気持ちでで私とお付き合いすることはできないと言われてしまいました」
美咲のの話に食事をしないで真剣に聞いている父と母。ずっと黙って聞いていた父が美咲に聞いた。
「それでも好きなのか?」
「はい。どんなに時間が経過したとしても私は、あの方の傍に行くことを決めました」
「……そうか。美咲も大人になった。そのうちこの家を出て行くんだ美咲が幸せになるんだったら、その方がどんな家柄でも構わない。決して諦めるんじゃないぞ」
父の言葉を聞いて目から涙がこぼれそうになる美咲。
「……お父様。ありがとうございます」
父に対して小さく頭を下げる。
「でも、不良は駄目だぞ」
「安心してください。お父様、お母様。鈴木俊樹様は、素敵でお優しく素晴らしい方ですわ」




