第四十話「居場所」
スマホが鳴り響く。
「どうして、電話に出ちゃ駄目なんですか?」
「そ、それは」
っと電話が切れてしまう。音葉は、小さくため息が漏れる。俊樹は、音葉の行動が全く分からないでいた。すると。
「あ、まただ」
再びスマホが鳴り響きその相手は、美咲だった。
「出ますよ?」
音葉の身体がビクッと動いた。
「……」
下を向いたまま何も言わなかった。俊樹は、通話ボタンを押して耳の傍にスマホを移動させた。
「もしもし?」
『やっと出ましたね!一体何をしてたのぉ?」
チラッと音葉の方を見る。
「いや~。気が付かなくって」
『もう~。仕方ないですね』
「すいません。それで何か用ですか?」
『用っていうかなんて言うか』
「ん?なんです?」
『俊樹君の声が聴きたくって』
俊樹は、それを聞いてむせてしまう。大きく深呼吸を数回行う。
『だ、大丈夫?』
「は、はい。いきなり変なこと言われたんで驚いて」
『変なことではないわ!』
「あはは」
『俊樹君。今自宅にいらっしゃるの?』
「あ、えっと。家じゃないです」
『そう。じゃどこにいるのかしら?』
美咲に今いるところを聞かれて、素直に言うかそれとも嘘をつかかで、自分の中で葛藤する。
「……」
すると、二人の電話の内容が分かっているかのように、音葉が俊樹にスマホを渡してほしいかのように、手を差し出してきた。俊樹は、少し迷ったあとスマホを音葉に渡した。
「もしもし。美咲?」
音葉と美咲の会話が始まった。
「私の家。うん。……勉強会してるの。うんん、違う。うん」
俊樹は、どんな会話の内容凄く気になっていた。
「うん。うん。そんなことないよ。……いいよ。うん。怖い怖いから」
音葉の怖いっと言うことに、美咲が怒っているのかと俊樹は、思い込む。
「う~ん。どうだろ後で聞いてみるけど」
チラッと俊樹の顔を見る音葉。
「うん。それじゃね」
通話が終わって俊樹にスマホを返す。
「ごめんね。さっきは、出ないでとか言っちゃって」
「いえ、あの美咲さん。怒ってたんですか?」
「う~ん。どうだろ」
「えぇ~」
笑う音葉。
「ねぇ鈴木君。家で夜ご飯食べてる?」
「な、何言ってるんですか!?」
「そんなに驚かなくっていいじゃない。それとも私の手料理食べるの嫌だの?」
音葉の訊ね方がとても色っぽく見え聞こえる。内心とても嬉しい俊樹。
「じゃ、じゃ食べて行きます」
音葉は、嬉しそうにフフッと笑ってシャーペン持って。
「じゃ宿題頑張ろう!」




