第三十八話「素でドキドキ」
カフェで飲み物を飲んだのち音葉の家に向かった。電車で15分後ほど揺られて電車を降りた。音葉の地元は、とても静かな町で住宅街。学生は、夏休みというのに人通りがほとんどない。駅から歩いて20分後音葉の家に到着した。一般的な二階建ての家外壁は、真っ白ととてもシンプルだ。玄関の鍵を開けて中に招かれる。靴を脱いで用意されていたスリッパに履き替える。
「私の部屋に行こうか」
俊樹は、ドキッとした。てっきり一階のリビングのテーブルとかでやると思っていたからだ。階段を上がる一段一段心拍数が落ち着かない鼓動が速くなる。音葉が自分の部屋のドアノブに手をかけ、ドアを押す。
「ここが私の部屋」
音葉の部屋は、とても可愛らしかった。部屋の壁の色は、薄めのピンク色。シングルサイズのベットに本棚が二つある。一つは、学校の教科書や参考書がびっしりとあり、もう一つの本棚には、少女マンガ。何冊あるのだろうよく見ると作者が同じ、余程この作者が好きなんだろう。そして、部屋のあちこちにクマやネコやイヌのぬいぐるみが可愛い表情をしている。
「麦茶持ってくるから座って待ってて」
部屋を出る音葉。取り残された俊樹は、部屋の中央にあるテーブルの近くに座る。床にマットが敷かれているのだがこれが。
「やべー気持ち」
マット毛並が気持ちよく何度も手をマットを撫でる。コンコンっとドアが鳴り麦茶を持ってきた音葉が入ってきた。テーブルを挟んで俊樹の向かい側に座る音葉。
「はい。どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「私の部屋どうかな?」
「意外と可愛らしいですね」
「意外は余計よ」
ハハッと笑う俊樹に頬をプクッと膨らませる音葉。
「ぬいぐるみ好きなんですか?」
「うん。この子とかお気に入りなの」
そう言って音葉は、近くに置いてあったイヌのぬいぐるみを手に取って、自分の太ももの上に乗せると抱きしめる。
「この子柔らかいんだ~」
学校では決して見れない音葉の素の表情が、見れた気がした俊樹。ハッと我に返る音葉。顔が赤くなり始めると恥ずかしそうに俊樹に指をさして。
「さささささぁ。べべべべ勉強しますよ!鈴木君!なな怠けたりしたらゆるちませんよ!」
恥ずかしさがMaxになり言葉が噛み噛みで最後の方は、何言ってるか分からなかった。
「はいはい。やりましょうか」
「はいは、一回でしゅ!」




