第三十三話「答えの同意」
「美咲さんとは、付き合えません」
俊樹は、決断した。美咲とは、付き合えないと。
「……理由は?」
俊樹から少し離れて真っ直ぐ俊樹の目を見る。
「実は、美咲さんと初めて会ったあの日の数時間前に、音葉先輩に告白したんです。まぁ、結果は駄目でしたけど心の中で音葉先輩がまだ好きで……だからこんな気持ちがあるのに美咲さんとは、付き合うことはできません」
俊樹は、美咲に対して頭を下げた。それに対して美咲は。
「頭を上げて俊樹君」
スッと頭を上げる俊樹。
「そっか。初めて会ったあの日にね。でもあれから時間が経ったし音葉ちゃんは、気持ちが変わったりしてるのかな?」
美咲の頭に一泊した日の夜の音葉がとった行動が思い浮かべる。
「俺が思うに無いと思いますよ。音葉先輩は、プライドが高い人だから自分に相応しい人じゃないと付き合ったりしないかと」
「フ~ン。俊樹君は、そう思ってるんだ。……じゃ聞くけど俊樹君が音葉ちゃんに対する好きの気持ちが薄れたら、私と付き合ってくれたりするのかな?」
「薄れたとしてもすぐには、付き合えません」
「じゃ、待ってる」
「なんか、自分が最低な奴に感じます」
「そんなことないよ。……私の気持ちは、俊樹君にあげる」
そう言って美咲は、再び俊樹に詰め寄り俊樹の頬にキスをした。俊樹は、慌てて美咲から離れる。
「ななななな何するんですか!?」
「何ってほっぺにキスしただけよ?それとも口の方がよかったかしら?」
近づいて来る美咲。狙いは、俊樹の唇。
「こ、来ないで下さい!」
「どうして?」
「また、しようとしてるんでしょ!?」
「うん。口に」
当然の事のように言う美咲。
「な!!」
「あ、でも、やめとこ口にするのは、俊樹君と付き合えた時の方がいいな」
助かったと俊樹思いため息がもれる。
「ねぇ俊樹君。私は、いつでも待ってる。音葉ちゃんへの気持ちが無くなって私に向いて来ることを。何年でも待ってから」
「……美咲さん」
「でも、これまで通り電話とかメール一緒に出掛けたりしましょ」
「そうですね。美咲さんのこと嫌いになった訳じゃないですし」
「もう!そんな事言われるとドキドキするじゃない……意地悪っ」
「あはは。さぁ、帰りましょか」
「そうね。それでは、帰り道エスコートお願いしますわ」
「しょうがないですね」




