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第三話「神代美咲」


自分のことを神代美咲と名乗る人物は、綺麗で長い黒髪で身長は、俊樹より低い160㎝ぐらい小顔で大和撫子を思わせる。制服のの色は、白を基調として所々袖やボタン周辺がピンク色という。そして、桜水女子高等学校は、誰でも知っている超お嬢様学校である。俊樹が通っている川北第三高校とは、そんなに離れておらず歩いて行けるぐらいの距離にある。なので俊樹が使っている駅は、川北か桜水の生徒が多く利用している。

「桜水の生徒だったんですね。昨日見たときどこかで見たことのある制服だと」

「フフッ」

「とりあえず歩きましょうか、ここじゃ人がいっぱいいますし」

辺りは、さらに集まってくる学生たち。

「そうね。ちょっと多すぎます」

この場所から離れようと歩こうとした時、一也が俊樹の肩を掴んだ。

「俺を忘れてないか?」

「あ、すまん」

「ま、いいだろ。お前は、その子と帰れ」

一也は、フッと鼻で笑ってじゃあなと言い立ち去って行ってしまった。

「ごめんなさい。お友達と帰るところだった?」

「まぁ、そうですけど大丈夫ですよ。さぁ、行きましょう」

二人は、歩き出した。美咲は、俊樹の右側を半歩後ろで歩く。その二人を見ていた大勢の学生の中に三年音葉がいた。

「……彼は、確か」


しばらく二人の間で会話がなく無言の状態が続いていたが俊樹が美咲に話かけた。

「えっと。神代さんは」

「ヤダぁ、神代さんなんて美咲って呼んでいいわよ」

「え~いきなり呼び捨ては」

「ダメかなぁ~?私は、俊樹君って呼ぶわ」

美咲は、立ち止まって少し前屈みで俊樹を見つめるその瞳は、キラキラしていた。

「あぁ~じゃ、美咲先輩で」

「むぅ~しょうがない今は、それで許してあげる」

俊樹は、苦笑いだ。再び歩き出す。

「美咲先輩ってなんだかお嬢様っぽくないでよね」

「あ~ヒドイ」

「いやだって桜水通っている人って、上品で常に敬語とか使っているイメージがあるから」

「むむむ!」

「そ、その美咲先輩は、なんだかこう、話し掛けやすいっていうかフレンドリーみたいな、もちろん上品ですよ」

「もうぅ」

口を膨らませる。

「俊樹君が言うように桜水では、敬語を使うは同級生でもね。でも、ずっと使うと疲れちゃうから敬語を使って喋るのは、学校や目上の人だけよ」

「へぇ~そうなんですか」

「でもねでもね。学校以外で普通に喋っているとね、時々敬語が混ざっちゃう時があって大変なの」

歩いていると花屋の前にした時美咲は、花屋に立ち寄ると一本バラを買った。

「そのバラは?」

「これお母さんに好きなの」

「美咲先輩の家ってやっぱりお金持ちなんですか?桜水行ってますし」

「ん?普通だと思うよ」

「そ、そうなんですか?」

「そうよ。フフッ」

バラの香りを感じながら美咲が言う。


駅前広場に到着すると。

「もう、着いちゃった。俊樹君とお話してるととても楽しいわ」

「そう言われるとなんだか照れます」

「フフッ俊樹君って可愛いわね」

「か、可愛くなんてないですよ」

「あはは。話に夢中になって昨日のことちゃんとお礼言えなかったわ」

「いいですよ」

「駄目よ。うーん、じゃあとりあえず」

美咲は、ポケットからスマホを取り出して。

「アドレス教えて」

「えっ!あ、はい」

俊樹もポケットからスマホを取り出してお互い近づけてアドレスを交換した。

「これからよろしくね。俊樹君」

「こ、こちらこそ美咲先輩」

「電車、私一番線だけど俊樹君は?」

「俺は、二番線です」

「そっかぁ~残念。じゃあまたね」

美咲は、笑顔で手を振って俊樹と別れた。

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