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第二十四話「一泊二日 8」


翌朝。

「ん~」

俊樹は、朝の日差しで目を覚ました。起きると自分の右側に何かを感じ向いて見ると、スヤスヤと可愛らしい寝顔をしている美咲だった。美咲は、俊樹の体に寄り添って寝ていた。少しパジャマが乱れて胸が見えている。俊樹は、起こさないように慎重に布団から抜け出そうとするが。

「駄目だよぉ~」

寝言を言いながら俊樹の右腕を掴む。

「……ど、どうすれば」

俊樹が困っているところにエプロン姿の音葉が現れた。

「おはよう。鈴木君」

「お、おはようございます」

音葉は、俊樹に掴む美咲の手首を掴んで指を一本一本外していき、パっと離れた。瞬時に布団から起き上がる。

「助かりました」

「いえいえ。今朝ご飯作ってるから、リビングの椅子に座って待ってて」

「手伝いますよ」

「大丈夫。簡単なのしか作らないから」


キッチンで料理をする音葉。その姿を椅子に座って見守る俊樹。トントンっと包丁で食材を切る音がリズミカルで心地よい。味噌汁の匂いがする。

「痛っ」

「切っちゃいましたか!?」」

包丁で指を切ってしまい傷口から血が出血している。

「平気よこれくらい」

「駄目です」

俊樹は、出血した指を躊躇わずに口にくわえた。

「す、鈴木君」

「あ、す、すみません!」

俊樹は、無意識に自分がしたことに気が付いて慌てて離れる。

「うんん。ありがとう」

自然と見つめ合う二人。

「……青春してるね」

いつの間にかリビングの入り口に祖母の佳苗が立っていた。さっきの一部始終見ていたらしい。引き出しから絆創膏を取り出して音葉に渡す。

「ご飯作ってくれてありがとう」

「いえ、これくらいは、出来上がったら呼びますので」

「そう?じゃ二階にいるわね」

そう言って佳苗は、二階に行った。音葉は、貰った絆創膏を指に貼る。

「さてと続きをしないと……鈴木君。野菜切ってもらえる?」

「分かりました。任せください」


「あれ……」

俊樹たちが料理をし始めて10分後。部屋で寝ていた美咲が目を覚ました。辺りを見渡すが二人の姿がない。とりあえず布団から起き上がり二人を探す。リビングから声が聞こえその方向に足を運ぶと、キッチンで楽しそうに時々笑いながら話をして、料理をしている二人が視界に入った。美咲は、その楽しそうな二人の空間に入ることが出来ずに、入り口で立ち止まって背を向けてしまう。

「どうしてだろう。今までなら普通に二人の所に行けてたのに……俊樹君が音葉ちゃんと話してると胸の奥が痛くなってモヤモヤする」

「それは、美咲ちゃんがトシちゃんが好きで音葉ちゃんに対しては、嫉妬をしてるのよ」

いつの間にか美咲の隣に佳苗がポッキー食べながら立っていた。

「私が嫉妬?」

「音葉ちゃんだけじゃなくてトシちゃんが他の女の子と楽しそうにしてたら、同じ気持ちになると思うよ?」

美咲は、振り返り楽しそうな二人をもう一度見る。

「私は、俊樹君のことが好きで……音葉ちゃんに……嫉妬」

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