第二十二話「一泊二日 6」
「花火しよう!」
夜ご飯は、美咲と音葉が協力してカレーを作った。結愛も一緒に食べてこれから始める、花火も一緒にやることになった。食事中なんだか空気感が違うことに俊樹は、気が付いていた。話は、弾んでいたが結愛は、美咲を意識しているかのように俊樹と美咲が話しているところに入り込んで来たりしていた。音葉というと三人の会話を耳に入れているだけのようだった。そんな四人を楽しそうに俊樹の祖母佳苗がニコニコしていた。
外に出て買ってきた花火を各自で手に持ち、地面に固定したロウソクの火に点火する。綺麗な花火。美咲と結愛は、子供のようにはしゃぐ。音葉は、玄関近くで花火を下に向けてそれをなんだか寂しそうに見つめている。俊樹は、手に空いている右手に二本、花火を手に持ち音葉の元へ。
「音葉先輩。火下さい」
「あ、うん」
持ってきた二本のうち一本、花火を音葉が消えそうな花火の火をくっ付けて点けてあげる。それが点いたらもう一本の花火を同じように点けて音葉に渡す。
「ありがとう」
花火の光で音葉の顔が照らされると笑顔になっていた。花火が消え玄関前の段差に俊樹と音葉が並んで座って、打ち上げ花火でワイワイしている美咲と結愛を見ている。
「音葉先輩どうかしましたか?」
「え?どうして?」
「なんか、結愛が来てからテンションが低いような」
「そうかな……いや、そうかも」
「何か言われたんですか?」
「うんん。あの二人は、私より先のこと考えてるんだなって」
「よく分からないんですけど」
フフッと音葉が笑う。お互いの花火が消える。音葉は、俊樹を連れてロウソクの元に行き線香花火を始める。小さくパチパチっと音を立てながら綺麗に輝く。次第に弱まってきたところで音葉は、自分の線香花火を俊樹のと合体させ一つになる。二人の距離は、どんどん縮まりいつの間にか音葉は、俊樹の肩に頭をコツンっと乗せ預けていた。
「あ~~~!」
音葉と俊樹に気が付いた結愛が大きな声で叫び近づいて来る。音葉は、パッと俊樹から離れる。
「私もやりたい」
結愛の後ろから美咲もやって来た。それから30分間花火を楽しんだ四人だった。
「じゃ、また明日」
夜10時になり結愛は、自宅に帰って行った。その際結愛は、何も言わずに美咲に指をさしてジッと見ていた。
部屋に戻るといつも間にか布団が敷かれていた。10時半。美咲と音葉は、二人でお風呂に入りに行った。一時間後、二人が戻って来たので今度は、俊樹の番。俊樹は、お風呂場で数分前二人が入っていた事を考えてしまい、入浴中ずっとドキドキの状態だった。
俊樹は、目が覚めた。時計を見ると二時を回っていた。起き上がると右側に少し離れて音葉が寝ている。
「あれ……」
その音葉の隣で寝ているはずの美咲がいない。目を凝らして部屋を見渡すと部屋の隅で丸まって寝ていた。
「意外と寝相悪いだぁ……」
俊樹は、音をたてないように部屋を出てトイレに向かい中に入る。その後、同じように音をたてにように部屋に戻ろうとリビングを横切ろうとした時、テーブルの上に何か丸い銀紙に包まれているのがあり、気になってそれを手に取り中を開けてみる。
「チョコか?」
俊樹は、それを食べた。




