表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/51

第十六話「行先は……」


俊樹と美咲は、並んで歩き音葉は、二人の前を2メートル離れて歩いている。俊樹と美咲は、音葉が気になって中々話す内容が思い浮かばなく、どうしようか困っていた。次第に駅に近づいてきて色々店が目につくようになる。その時、突然音葉が立ち止まり道路の反対側の店を見つめた後、二人に向き合い見つめいていた店を指さし。

「あそこの店に入らない?」

指さした先は、おしゃれなカフェだ。どうやら今日オープンしたみたいだ。店の前で数人の客が列になって並んでいる。

「私も入ってみたいです!」

「それじゃ行きましょ」

音葉と美咲は、道路を渡る。少し遅れて俊樹も後に続き列に並んだ。

「今日オープンだったんだ。知らなかった」

「貴女はここのこと知ってたの?」

「え、えぇ」

再び沈黙。このあと三人の番に回るまで会話がなく20分待って店に入ることができた。

 店の中は、少し薄暗いがランプが淡く照らしてくれて、とても雰囲気が良くずっといたくなる感じがする。今日がオープンってこともあり満席なのだが、話し声があまり聞こえない。三人は、店の一番端のテーブル席に案内された。音葉と美咲が向かい合うように座った。俊樹は、迷った。どっちの隣に座ろうか。

「俊樹君。早く座ったら?」

「鈴木君?」

二人は、俊樹を見る。考える俊樹。ずっと立ってるのも変なので俊樹が出した答えは。

「失礼します」

音葉の隣に座った。一瞬美咲が悲しそうな顔をしたように俊樹は見えた。一つのメニューに三人は、見てどうしようか考える。

「俺ちょっとトイレ行ってきますね。アイスカフェオレ頼んでおいてください」

「分かったわ」

席を外して店員にトイレの場所を聞いて中に入った。

「ハッ!二人だけにして大丈夫だったかな」

俊樹は、手を洗っている時に気がついて急いで戻ってみると。

「本当に!?」

「そうなの。あそこの店のケーキ凄い美味しいなの!」

二人は、俊樹がいないうちに打ち解けたらしく、すごい楽しそうに笑って会話していた。

「じょ、女子ってなんだかスゴッ……」

戻って音葉の隣に座った。

「頼んでおいたわよ」

「あ、ありごとうございます」

「俊樹君!俊樹君!音葉ちゃんすっごく可愛いんだよ」

「お、音葉ちゃん?」

「音葉ちゃんね。こういうカフェとかね一人で入るの恥ずかしんだって」

「もう~やめてよ美咲。鈴木君に言わないでよぉ~」

「やだぁ~」

「……これが女子のなのか」

「何か言った?鈴木君」

「な、何でもないです」

「お待たせしました」

注文していたのがきた。俊樹は、アイスカフェオレ。音葉は、紅茶のダージリンとチーズケーキ。美咲も紅茶らしくイングリッシュ・ブレックファスト・ティーとモンブラン。

「美咲さんってよく紅茶飲んだりするんですか?」

「飲むよぉ。私の家は、色々紅茶を取り揃えてるから」

「さすがお嬢様ね」

「お嬢様なんかじゃないよぉ。ねぇねぇ。この三人でどこか行かない?」

「美咲は、何処に行きたいの?」

「何処でもいいよ」

「適当ね」

「う~ん。なら今度の土日に俺の祖母の家一泊します?」

「そこ田舎?」

食いつく美咲。

「田舎……周りに家とかありますけど平屋の一軒家で静かなところですよ」

「じゃそこ行きましょ!」

テンションが上がる美咲。一方音葉は。

「いいのいきなり。急に行くってなったら困るんじゃないの?」

「あとで電話して確認しますけど大丈夫だと思いますよ」

「そう?平気かしら……」

乗り気じゃない様子。

「じゃ電話して大丈夫ならメールしますね」

「はーい」

「……分かったわ。あ、鈴木君。私のメアド教えておくわ」


こうして今度の土日三人は、俊樹の祖母の家に一泊することに決まった。そして、この一泊が今後三人を大きく変えることになるは、まだ誰も思ってもなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ