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第十一話「そんな風に見られてた」


町田先輩の提案でクレープを食べることになった俊樹は、チョコバナナ、町田先輩は、Wクリームキャラメルを注文した。俊樹は、町田先輩の分も支払う。いいよ自分で出すからっと言っていたが俊樹は、二人分出した。二人は、クレープ屋の正面のベンチに座ってパクパク食べる。町田先輩は、美味しいと言いながら食べる。その隣で俊樹は、クレープを食べる。まさか、先輩とこんなイベントが発生するなんて内心興奮気味だ。

「ねぇ、鈴木君。デートしたんでしょ?どうだった?」

一回むせる。

「急ですね」

「どうだった?」

町田先輩は、隣に座る俊樹に目を合わせていない。

「えっと……」

俊樹は、この間の美咲とのデートの内容を詳細に言う。海を見たことないから海に行ったり、常に腕に抱きついたままとか、ゲーセンでぬいぐるみを取ってあげたり。話をしている間にクレープを食べ終え、決して俊樹の顔を見ず話を聞いていた。

「なるほど。楽しかった?」

「そうですね。歩いてるときとか電車に乗っている時にずっと腕を掴まれてたので、それがなかったらもっと楽しかったかなと」

「男の人って女の人にそんなことされたら、嬉しいんじゃないのかしら」

「俺は、別にって感じで……」

「……ふ~ん」

会話が途切れて数分間なんだか気まずい空気になる。

「鈴木君に聞きたいことがあるの」

「はい」

「私に告白してくれたのって本気だったの?」

俊樹は、立ち上がる。

「本気に決まってるじゃないですか!」

「じゃ、なんでそのあとすぐに他の女とデートに行ったりしてるのかな?しかもその子桜水の生徒だよね?」

町田先輩は、低いトーンで俊樹の顔を見てそう言った。俊樹は、一回深呼吸をして再びベンチに座る。

「そういえば町田先輩に話して無かったですね」

俊樹は、町田先輩に美咲と出会った出来事を話した。

「……そうだったのね」

「そうです。だから俺が告白したのは本気です」

「……てっきり鈴木君は、女好きだと思っていたわ。誰でもいいみたいな」

「そんな訳ないですよ!」

「ごめんなさい。どうやら私の勘違いだったみたいね」

今度は、町田先輩が立ち上がり俊樹の目の前で頭を下げた。その行動に慌てて立ち上がる俊樹。以前頭を下げ続ける町田先輩。その光景に通行人が歩きながら見ている。

「頭を上げてください!」

「駄目よ。勘違いとわいえ鈴木君を女たらしみたいに思っていたのだから、許して」

「許します!許します!」

「本当に?」

「本当ですって」

頭を上げる町田先輩。ふぅーっと息を吐く。

「まぁ、これで町田先輩が俺に対してのイメージが少しでも変わってもらえると助かります」

「……鈴木君」

「何ですか?」

「今度から私といる時は、音葉って下の名前で呼んでいいわ」

「えぇ~!!」

「……嫌?」

「じゃ、音葉先輩で」

「ちなみに学校内で私の下の名前で呼ぶ男子生徒は、一人もいないわ。だから、鈴木君が初めて」

生唾を飲む。

「は、初めて……」

その時、俊樹の視界にクレープ屋の店主が視界に入る。手招きをしている。俊樹は、誘われるかのように向かうといきなり二つクレープを渡され。

「何があったか知らないがこれ持って行け。今度は、女の子に頭下げさせちゃ駄目だぞ」

「……はい!」

俊樹は、クレープを持って音葉に渡した。


次回の更新は、七月二日になります。 @ナイトホーク


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