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【第一章】侍女が王女に転生?!英雄と結婚して破滅の国を救います!   作者: カナタカエデ
第一章

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二十七話 金脈探し

「あのぉぉ、アメリア様……。一体いつまでこんなことをするのですかぁ……?」


西の鉱山に響くのは、疲れ切ったテティの声。


ヴァルクから無情にも経路の変更を断られた翌日からアメリアは西の鉱山へ出かけ、振り子を手に右往左往していた。

どうにかして、この場所に、金脈があることの証明をする必要があったのだ。


「……ねえ!みた?!今大きく揺れなかった?!」


真剣な顔で振り子を岸壁に近づけてみるものの、ピタリと止まっている。

テティは今にも泣きそうな顔でその様子を見つめている。


「殿下のご期待に沿えるのであれば、喜んでお手伝いいたします。ただ……」


護衛のリンクは丁寧に一礼し、困ったように言葉を続けた。


「殿下はもう1週間もそのネックレスのようなものを揺らしながら、この岩壁の前を歩いているだけです。いったいどのように協力すればよろしいのでしょうか?」


いい加減にしろと言いたいのだろう。

正直、こんなにもうまくいかないとは夢にも思っていなかった。

手に持った金の振り子を見て、アメリアはため息を吐いた。

前世では、採掘の仕事に就いてすぐ、夫はダウジングをすると言い出して、振り子を買って帰ってきた。そうして仕事の合間に、新しい鉱石を見つけては、臨時ボーナスを貰って帰ってきたものだった。

見よう見まねで子どもたちと真似をしていたのだが、意外と夫には才能があったのだろう。彼のような成果があげられず何日も浪費してしまっている。


「わかってはいるけど、どうしてもこの山で鉱物を見つけたいのよ…!あなたは騎士だから気迫で! テティは感受性が強いから直感で! 三人で力を合わせれば必ず見つかるはずよ!」


「理屈がめちゃくちゃですぅ……!」

「……気迫でございますか」


岩肌に、三人の声がこだました。




結局、その日も夕暮れまで三人であれこれ試してみたものの――

振り子は気まぐれに揺れるばかりで、金脈らしい反応はまったく得られなかった。


「……もう足が棒になりました……」

テティは地面に座り込み、項垂れる。


「これほど熱心にお探しになられたのに、いつまで経っても成果がないのは残念でございますね。ただ今日はもう夕暮れの時間が迫っているので城へ戻りましょう。」


(さすがに嫌味まで言うようになってきたわね…)


アメリアの要望で毎日西の鉱山へ行くことになり、護衛の任に就いてから彼はほとんど騎士としての時間を取ることができていない。

そこは正直申し訳ない気持ちもあるが、ここで諦めるわけには行かなかった。


「まだ見てない箇所があるでしょ!明日はきっと成果が出るはず!」



完全に空振りのまま、三人は城への帰路についた。城へと戻る道の途中で木材や鉄材を満載した荷車の列とすれ違った。


「あちらはずいぶん進んでいるのね」

アメリアが何気なくつぶやく。


「はい。ただ、もう雨季に入りますので、実際に本格的に工事が開始されるのは、雨季が終わってからになります」

リンクが落ち着いた声で説明する。


「……雨季……」

アメリアが呟くと、テティが首を傾げた。


「こんな地域でも雨季ってあるんですね?」


「もちろんでございます。といっても、とても短い期間に、集中して雨が降るのです。」


リンクは柔らかく頷き、視線を前に向ける。


「さらに山々の雪解け水と相まって、谷を伝う雨は川を大きくしてしまいます。本格的に工事をするのは危険なので、雨季を過ぎてから実施することになっています」


「へぇぇ……」

テティは目を丸くして感心しながらも、すぐに溜息をつく。



だが――アメリアの胸には、小さな引っかかりが残っていた。


危険……。

そう、危険だから雨季を避けるのは当然のこと。だけど、なにかが引っかかる。


何かを――大切なことを――見落としている気がする。


振り子を握る手に力がこもる。

その感覚だけが、夕闇の中でじわじわと大きくなっていった。

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