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菅原道真

※この物語はフィクションです。実在の人物や団体、寺社仏閣などとは関係ありません。

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「……えーっと、色々確認したいんですけど、太宰府天満宮って言いました? あの太宰府天満宮? 観光地の? そんなところに羅刹封印してるんですか? 正気ですか?」


 何故に、そんなところに羅刹を封印したのだろう?

 いや逆か、羅刹を封印した場所に、太宰府天満宮が建てられたのか?

 あまりにも想定外の場所だったため、頭がついてこない。


 私は一度も訪れたことはないが、太宰府天満宮やその周辺は、にぎやかな観光地となっており。

 大勢の観光客が毎年訪れているとテレビで見たことがあった。もう数年前やけど。

 そんな場所にある封印が解かれてしまえば、観光客に被害が発生するのは目に見て明らかだった。


「あと、菅原道真って……あの学問の神様の? あの日本三大怨霊の? なんで菅原道真の怨念が関係してくるんですか? 意味がわかりませんよ。それが今回の封印と関係があるんですか?」


 あまりにも荒唐無稽な話に、理解が追いつかず咲耶を見るが、彼女は黙ったままだった。

 あとは宇野が説明しなさいと言わんばかりに、私の助けを求める視線を完全に無視していた。


 菅原道真ってたしか、元は平安京の貴族のお偉いさんで、他の貴族の策略に嵌められた人だっけ?

 たしか、それで大宰府に左遷させられたような記憶が残っている。中学生の教科書レベルの知識でしかないが。


 そして、その策略への恨みから、彼は怨霊となった。

 没後、菅原道真の祟として、大勢の貴族が落雷にあい亡くなったとされている。

 たしか、その祟を抑えるために建立されたのが、京都の北野天満宮じゃなかったかな?


 だが、何故その菅原道真が、今回の羅刹の封印と関係してくるのだろうか?

 話が見えてこないので、仕方なく言葉を切り、浄階に視線を戻す。

 浄階を静かに頷くと、今までの経緯を説明してくれた。


「まず、最初に言っておきますと、太宰府天満宮は九百十九年に菅原道真の祠廟の上に建てられた神社です」


 ──祠廟? あまり聞かない言葉だが、おそらくお墓ということなのだろう。


「豊臣秀吉の命によって今の太宰府天満宮の本殿が建造されたのは、今から五百年ほど前になります。そして、神仏分離令によって、神仏習合の考え方が禁止される百五十年前までは、安楽寺天満宮という神社兼寺院があったのです。羅刹が現れたのは、この安楽寺天満宮が創建される前です。まだ祠と墓所のみがあるだけでした」


 ふむ。やっぱり太宰府天満宮に封印してんじゃなくて、元から墓所だった祠に羅刹が現れた。

 そして、経緯は不明だが、その祠に羅刹を封印することとなった。

 その後、その地に太宰府天満宮が創建されたってことか。


「じゃあ、菅原道真が祀られ眠っている祠廟に、羅刹は封印されているということですか?」


 私の言葉に、浄階は頷いた。


「はい、その通りです。理解が早くて助かります。そして、それに関わってくるのが、道真の呪怨です」


 浄階の説明によると、羅刹はこの道真の呪怨の霊相を欲して太宰府に現れたらしい。

 高位の祓い屋が大勢招集されたが、羅刹を止めることは敵わなかったという。

 多数の死者を出しながら、なんとか祠を破壊されることを防いでいたが。


 浄階は、限界が近いと悟り、祠を開け放つと、道真の怨念の霊相を囮にした。

 祠に近づく羅刹を彼女は、怨念の霊相を利用して羅刹を怨念の霊相ごと、祠へ閉じ込めたのだそうだ。

 なんてめちゃくちゃなやり方だと思ったが、当時はもうこれしか取る手がなかったそうだ。


「つまりそれって、今の羅刹って道真の怨念を取り込んで、さらに強力になっているってことですか?」


 質問に対して、浄階は首を横に振った。


「それは、わかりません。羅刹が取り込んでいるのか。それとも同化しているのか。それとも別離したままなのか。全く情報はありません。ですので、いち早く姫様に確認してもらいたいのです」




この度は、当作品をお読み頂きありがとうございます。花月夜と申します。

当作品は、初めての執筆作品となります。

当方執筆に関して、完全な素人な為、至らない点が数多くあると思います。

ですが、書き始めたからには、皆様に読んでよかったと思って頂けるような作品にして行きたいです。

これからも、随時更新して参りますので応援いただけると幸いです。

ありがとうございました。今後とも応援よろしくお願い致します。


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