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週刊青春

レビュー執筆日:2021/4/8

●自身の思いの丈をぶつけた結果生まれた、笑いあり涙ありのエンタメ性の高いアルバム。


【収録曲】


1.ロックンロール体操

2.YouTuberになればモテると聞いた

3.あいつロングシュート決めてあの娘が歓声をあげてそのとき俺は家にいた

4.7.1oz

5.なつみ

6.だっせー恋ばっかしやがって

7.みんなもともと精子

8.君は電話に一切出ない

9.あの娘に俺が分かってたまるか

10.踊れ引きこもり

11.喜ばせたいんです


 動画サイトで何気なく視聴した『踊れ引きこもり』が非常に耳に残り、その曲が収録されている今作で初めてこのバンド(正確には、ボーカル・しば隆浩たかひろのソロ名義のようですが)のアルバムを聴いてみたのですが、これがかなりの「当たり」でした。


 まず印象に残るのは、モテない男の叫びをそのまま落とし込んだような歌詞でしょう。それが彼の大きな個性になっているように感じられます。また、一口に「モテない男の叫び」と言っても、「リア充」と「非リア充」の対比が見事な『あいつロングシュート決めてあの娘が歓声をあげてそのとき俺は家にいた』、曲中の主人公の行動が明らかにストーカーの『君は電話に一切出ない』、タイトルから完全にこじらせている『あの娘に俺が分かってたまるか』、片思いのやるせない感情を歌った『喜ばせたいんです』とその切り口は様々で、場合によっては引いてしまう方もいるかもしれませんが、個人的には終始楽しく聴くことができました。


 また、ストレートなラブソングである『なつみ』や自分同様にモテない人へとエールを送る『だっせー恋ばっかしやがって』、下ネタを交えてある種の真理を突いた『みんなもともと精子』のように先程挙げたものとは異なる方向性の曲もあるのですが、どの曲もテーマがかなりはっきりしており、そのテーマに沿った歌詞をメロディに乗せるのも非常に上手く、その影響か、勢い重視のロックナンバーを中心としていながらも「似たような曲ばかり」といった印象は感じられません。


 そして、今作を語るうえで欠かせないのが『踊れ引きこもり』でしょう。「人と違う それすなわち天才!」等といったメッセージ性のある歌詞がある一方で「やりたいこと見つからねえ 見つかったら超がんばる」等と自身の情けなさを歌うフレーズもあったり、途中で急に曲調が少し前に流行したR&B風になったりと、色々やりたい放題やっている印象がありますが、全体的に見るとかなりキャッチーに仕上げられており、一つの楽曲としての完成度は非常に高く思えました。


 「激しいサウンドに乗せて歌いたいことを歌う」というロックのだい醐味ごみを感じさせながらも、笑いあり涙ありのエンタメ性の高さも感じられる本作。「何でもっと早くから注目してこなかったんだろう」とある意味後悔したくなるようなアルバムでした。


評価:★★★★★

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