♡番外編2 実録! 団地JK幼な妻~ 悶絶の昼下がり
野川秋(16) 高一 女子高に通うイケメン女子、文武両道の秀才だが超絶マイペースにして隠れオタ
宮姫純恋 スミ(16) 高一 秋のクラスメイトで親友、妥協なきツッコみマシーン、すばらしEお山の持ち主
佐竹葵(16) 高一 秋たちとは別のクラスの子、先日秋にラブレターを渡した。純恋曰く、すげーかわいい
浅羽陽菜(17) 高二 純恋のバイト先の先輩、学校は別、髪型が変?
※本作品は不定期更新です。また登場する組織はフィクションです。
※本編とは一切関係ありません。
野川秋が目を覚ますとそこは真っ白な世界だった。
「ん? このパターンどこかで」
『こんにちは野川秋さん』
「こんにちは、失礼ですがあなたは?」
『私は天の声と呼んでください』
「天の声さん? 二話でお世話になったあの天の声さんですか?」
『そうです。お久しぶりですね秋さん』
「お久しぶりです。そういえば私、気になってることがあります。
三話と四話は私の『ひとりゴト』を天の声さんがツッコミをいれるって形の話だったはずなのに
三話は私とスミがボケ突っ込みする話に変わってたし、 四話に至ってはもう全然違う話でそもそも私の『ひとりゴト』関係ない気がするんですが……」
『秋さん…… すべては大人の事情です、察してください』
「私まだ子供なんでわかりません、察するって何を?」
『三話四話については大きな力により…… というか、ぶっちゃけると調子に乗って女子の秘密を暴露しまくったら、そのうち怒られるじゃないか?と最高意思決定機関がメランコリーになり、熟慮の末、ジャンルを『コメディー』から『現実恋愛』に変更し再スタートした、これが真実です』
「えぇええええ!? では元々あった三話四話はお蔵入りってことですか?」
『そうです。永久に日の目を見る事はありません。合わせて私の出番はガッツリなくなりました。ちっ』
「うわっ、その……天の声さん心中お察し申し上げます」
『秋さん、いいですか? 出番があるだけマシです』
「わかりました」
『では例によって、正面のドアを開けてください』
「はい」
(天の声さん……逆らったら恐そうだからおとなしく云う事聞いておこう)
秋は『205 野川』と書かれたドアノブを回す。
ガチャリと音が鳴り、団地風のドアが開く。
純恋「おう秋、ようやくきたか」
葵「待ってましたよ、秋ちゃん」
秋「スミ? 葵ちゃんも……よかったふたりともいて」
?「ちょ待てよ~ 秋ちゃん、俺様のことをスルーするなよ」
秋「え? あなたは?」
陽菜「俺様は浅羽陽菜様だ~ 本編ではまだ秋ちゃんに会ってないけどちゃ~んと登場してるよ。そうだよね純恋ちゃん?」
純恋「はい、陽菜先輩にはお世話になってます」
陽菜「秋ちゃんと純恋ちゃんが新宿でデートしてた回もバイト即効終わらせて、いつでも飛び出せるように柱の陰とかでスタンバってたし、葵ちゃんの家のお泊り会も君たちがいかがわしいことをしたら、すぐに止めるれるように、レオタード姿で屋上から侵入してベランダでスタンバってました~ ねぇねぇ褒めて褒めて!」
葵「もしもし警察ですか? すみません恋人に対するストーキング行為と家宅侵入した不届きな輩がおりまして~ はいはい」
陽菜「ちょ待てよ~ なに通報してるんだよ!? その前に前回の番外編と同様でここは『時の狭間』って設定だよね? どうして電話繋がるし、その前にスマホ持ってんだよ!?」
葵「そんなのはもちろん大人の事情です。まぁ申し開きは署でお願いします」
純恋「佐竹さん……ちょっと待って、陽菜先輩は色々変なところもあるけどアタシの恩人だから……ここは穏便に」
葵「わかりました……さっきの電話、実は発信してませんでした」
陽菜「ぐはっ……計ったわね葵ちゃん!」
葵「計りました。てへぺろっ♪」
秋「おふっ 美少女のてへぺろ……はんパないにゃ! 葵ちゃんお願い……またやって!」
葵「てへぺろっ♪」
秋「ぐふっ」
葵「てへぺろっ♪」
秋「ぶはっ」
葵「てへぺろっ♪」
秋「いいよいいよ~葵ちゃん」
純恋「それくらいにしとけ……それよりさっき恋人って……」
葵「ええ言いましたよ、私と秋さんは付き合ってますから、何か問題でも?」
純恋「ぐっ」
秋「葵ちゃん……」
陽菜「おっすげ……番外編なのに修羅場ってる。まぁ真のヒロインである俺様には関係ないが」
葵「おだまりなさいブラコンおねえさん! やべー髪型の人が真のヒロインなわけないでしょう」
陽菜「なんだとゴラぁあああ~! この腹黒幼女が…… いい度胸してるじゃねぇかあ あん?」
葵「やりますか?」
陽菜「いいだろう、どうやら俺様たちは戦う運命だったようだな~
いくぜ! 俺様のターン! ドロー 手持ちのカードを一枚場に伏せて~」
純恋「まぁまぁ、二人とも落ち着いて……」
陽菜・葵「だまれブラコン!」
純恋「ぐっ……」
秋「ぽつーん……」
葵「秋ちゃんが魚が死んだような目になってます……」
陽菜「葵ちゃん、メインヒロインが現実逃避モードに入ったからこの話は終いな」
葵「はい」
純恋「なぁ……秋、ちょっと前から気になることがあるんだが、いいか?」
秋「え? 何?」
純恋「お前最近ボケの数少なくない?」
秋「(ギクっ!) ……そ、そんなことないよ!」
葵「そんなことあると思います。最近ギャグパートはワタシや純恋さん、陽菜先輩任せで秋ちゃんはかわいいヒロインモードでスカしてます」
純恋「だよな……」
陽菜「メインヒロインさんがんばって~あ~食べかけの「ば〇うけ」どこにおいたっけ?」
秋「陽菜先輩適当ですね~
だ……だってしょうがないじゃないかぁ~!
スミも葵ちゃんも陽菜先輩もキャラが濃すぎるんだよ~!
私も一緒にボケてると話に収拾がつかないんだよ~!
私だってもっとボケたいよ~ ぬぅはぁあああああ!」
純恋「……アタシはキャラ濃くないし普通だろ?」
秋「出た……スミの自分を顧みない普通宣言」
葵「純恋さんが普通なら世の中の人全員が普通ですね」
陽菜「せやな~」
純恋「……じゃあ聞くけどアタシのどこが普通じゃないだよ?」
秋「わかったスミ…… 親友の私が教えてあげる、スミは……」
純恋「……(ごくり)」
秋「エロい」
葵「異議なし!」
陽菜「同意、賛成3、よって本案は可決されました。『宮姫純恋はエロ』」
純恋「はぁああああああ!? なんじゃそりゃ!?」
秋「『イケメンJKのひとりゴト』では何度かムフフシーンがあるわけですが、スミ以外のムフフシーンはぶっちゃけ無風でした
ただし我らがスミちゃんのムフフシーンがあった回だけは最大瞬間風速を計測! 特に二十二話は「ぷるるん暴風」が発生……アタチも新宿回とか頑張ってきたのにな……くすん」
陽菜「すごい純恋ちゃん、略して『すごスミ』 やるわね!」
秋「はい! 体育の授業でスミがトスした時、『ぷるるん』がバレーボールと同じくらい跳ねたのを見てたらスパイクをミスりました」
葵「はい! うちに宮姫さんが泊った際、寝ていた時に暴力的な『ぷるるん』を押し付けられて危うく窒息死しかけました」
陽菜「はい! バイト中も声で返事をする代わりに『ぷるるん』が返事することがあります」
秋・葵・陽菜「すごスミ!」
純恋「お前ら…… いい加減にしろよ! こおぁらあああああああ!」
秋「あ、純恋がキレた」
陽菜「やば…… 葵ちゃんいつもの毒舌で純恋ちゃんを止めて!」
葵「無理でーす。秋ちゃん出番です。純恋さんを抱きしめてあげてください」
秋「OKベイベー!」
――がばっ
秋「ごめんねスミ……
私達はただスミが羨ましかっただけなの……
だってスミは大人っぽいし、かわいいし……
良いところ素敵なところが沢山あるから」
純恋「秋……」
秋「スミ……」
葵「くっ秋ちゃん……さすがのイケメン力です!
ワタシも今すぐ抱きしめられたいです」
陽菜「……あれ、ただのたらしでは? あと純恋ちゃんチョロくない?
頃合いで止めないとやべ~展開になるぞ」
葵「ですね、秋ちゃん宮姫さんそこまで! 破廉恥は厳禁です」
純恋「別に破廉恥なことしてないわぁ!」
秋「今更だけど…… 今回の番外編って何がテーマ?」
葵「テーマはこれです『実録! 団地JK幼な妻~ 悶絶の昼下がり』」
純恋「はぁ? 『団地JK幼な妻』って何だよ?」
陽菜「多分インパクトのありそうな単語を適当に並べただけね」
秋「団地妻って言葉は聞いた事がある。でも団地に住んでる奥さんのことだよね?
結婚は十八からだし…… JKはすぐには妻になれないよね?」
葵「そうですね。きっとまたアホが考えたのでしょう」
陽菜「ところで、この四人の中で一番奥さんが似合う人ってだぁれ~だ」
秋「スミかな……」
葵「そうですね」
純恋「いや…… 陽菜先輩だろ、年齢だけじゃなくて美人だし」
陽菜「純恋ちゃん……ありがとう、でもわたしも純恋ちゃんだと思うわ……さてここに今回のお題があります」
◇◇◇◇
結婚して半年、様々な困難を乗り越え、憧れの団地JK妻になった純恋ちゃん、日々愛する旦那様のためにがんばってます。
ところが旦那様のAkiはホストクラブナンバーワンとして多忙のため日々が続き帰宅もままなりません。
独りぼっちの若奥様に魔の手が迫ります。
危うし純恋ちゃん!
もぎたて果実の運命は如何に!?
◇◇◇◇
純恋「……なんですかコレ?」
陽菜「このあらすじに合わせて続きを寸劇でやれってことみたいね」
葵「なるほど……これは宮姫さんしかできないですね」
陽菜「せやな……」
純恋「何でだよ?」
秋「スミ……
だってこの続きはムフフ展開しか考えられない
そんなのできるのスミしかいない!」
葵「そうですね!」
陽菜「せやな……」
純恋「絶対にやらないからな!」
葵「困りました、宮姫さんにやって頂かないと今いる『時の狭間』から出れません」
純恋「役をやるのアタシ以外でもいいだろ!」
秋「スミ…… 残念だけど私たちは『ぷるるん力』が不足してるの…… これは仕方ない事なの」
陽菜「せやな……」
葵「というわけで色エロな宮姫さん夜呂死苦です!」
純恋「やだからな!! ぜって―やらね――ぞ!」
秋「困ったなぁ…… どうしよう」
葵「仕方ないですね。字数も増えてきたことだし、陽菜先輩そろそろ閉めてください」
陽菜「ったくしゃーねぇな、いっくよぉおおおお! 元の世界へもーどれっ!
ピュアピュア~ぁ おねえちゃんびーむ! えぃ!」
陽菜がポケットから某量販店のお買い上げシールが貼ったままの魔法ステッキを取り出し、小っ恥ずかしいかけ声とともにステッキを振る。
魔力を帯びたステッキは怪しい光を放ち夜のネオン街よりも安っぽいピンク色が辺りを包んでいく……
純恋「最初からそれやってたら、元の世界に戻れたんじゃねーか!」
純恋の叫び声もむなしく、どんどん意識は遠のいていく……
本編が佳境なのを無視した番外編はこうして幕を閉じた。
お越しいただき誠にありがとうございます。
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