神と呼ばれて
私はそのまま、大学生になった。
相変わらずアバターは豪勢に飾られている。
アバターの自分は絶世の美女。
大学の研究なんて、そんなもの興味ないわ。
その頃の私には、彼氏が出来ていた。
もちろん、ネット上で。
お互いアバターを毎日のように見せ合い、お互いに褒め合う。
まさに理想の彼氏だった。
ネット上で約束した。
『結婚しよう』と。
その後、ネットの中で、結婚式をした。
私のアバターは、豪勢なウェディングドレス。
『素敵』
『おめでとう』
『お幸せに』
今日も大勢の人からコメントが届いた。
私は幸せの絶頂。
現実世界では、結婚なんて諦めてた。
でももうそんなのどうでもいい。
私には、ネット上に旦那がいる。
その頃の私は、『神』として崇拝されていた。
いつの間にか、ネット上でトップに立っていたのだ。
もう怖いものは何もない。
いつの間にか眼鏡をかけるまで視力が落ちたが、そんなことどうだって良かった。
私のアバターは、キラキラしてて、はっきり見えるから。
莫大な資金をつぎ込んだんだもの。
これくらいにならなきゃね。
そう。
私の現実の生活は、もうすでにギリギリを超えていた。