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街の小さなアイテム屋さん  作者: 深夜翔
第二章 : 小さな移動アイテム屋さん 〜お店は一時閉店です
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最強の復活

「"防護結界"」

 セイタの反応は見事なものだった。

 常人ならば目で追うことすらままならない速度の投擲にしっかりと対応し、僅か一秒未満の短い時間の中で高度な攻防を魅せる。

――まるでそれが決まった未来であるかのよう。

 しかし、それは一度目ではなく、既にガーディアン相手には通用しないことが明らかになっているもの。

 結界にぶつかった斧は勢いが止まることなく結界と拮抗する。防御で精一杯なセイタに、追撃せんとガーディアンが動き出す。重い鎧が動いているとは思えない身軽な動きは、そのガーディアンの実力が高いことを示していた。

 徐々にヒビが入っていく結界にトドメを指すため、剣を両手で構えその先端を速度を利用して結界に突き刺す…………

 その先端は結界に当たることなく空を突く。

――突如結界が消滅した。

 破壊するべく全力を以て刺した剣が空を突くと、そこに加えられたエネルギーは居場所をなくしそのまま前方へ突き進む。

――そう、古龍の封印された結界へと。

 ガーディアンは少年の作戦をようやく理解した。

 自分にこの結界を破壊させようとしているのだ。

 そうはさせないと全身でブレーキをかける。

「今です!」

「おうよ」「はーい!」

 が、ここまで作戦通りのセイタがそれを読んでいないはずがなく……


――ズドンッ


 背後から突然の大きな爆発。ガーディアンは剣の勢いに背後からの爆風の後押しで盛大に結界へ飛び込んだ。

 既に斧が結界へ到達し、その封印にヒビを入れている。そこへ迫ったガーディアン。空中にいたのでは踏ん張ることも出来ない。為す術なく結界へ衝突しそのヒビを完璧に破壊した。

 それが意味することは……。

 ガーディアンは作られたものでありながら理解していた。自分を創り出した主人の最大の敵を今、解き放ってしまったということを――



「ふっ、はははははは!!!面白いぞお前たち。まさか試練を利用して結界を破壊するとは。その根性、気に入った!!」

 ガーディアンが結界を破壊した余波で立ち上る土煙の中から、大層ご機嫌な一声が響いた。

 薄ら見える影は人型のモノ。

 後ろで三つ編みに束ねた長い髪が風になびく。高身長でかなりいいガタイであることが影だけでも察せられる。

「俺様が復活したからにはこれ以上好き勝手にはさせねーぜ鎧野郎!!」

 ほんの一瞬の出来事だった。

 煙の中の存在がそう言い放った直後、煙に穴が空いてガーディアンが石碑へと吹き飛んだ。

 まるで先程のセイタたちの逆。あのガーディアンが反応すら出来ない速度で何かが飛び出し、殴り飛ばしたのだ。鎧を着たガーディアンを()()()

「はーっ、久しぶりの外は気持ちがいいね。身体が訛ってんだ。準備運動と行こうや!」

 高らかにそう叫び、立ち上がろうとするガーディアンに向かって再度飛び込む。

 かなり高度な学習能力を持っているのか、その女性の拳を間一髪斧で防ぎきった。が、鎧ほど強固にできていなかったために、たった一発の拳で斧が粉々に砕け散った。

「おいおいそんなもんかぁ?こっちはまだまだ行くぜ」

 振り上げた拳が淡く輝く。

 魔力の気配はない。何か別の力が拳へと凝縮されている。

「"蒼天拳"」

 解き放った拳は青い光を纏いガーディアンへ落とされ、そこから更に青い炎の柱が立ち上る。まさに蹂躙。くの字にひしゃげた鎧は、青い炎が立ち上る中央で静かに動かなくなった。

「ん?なんだもう終わっちまったのか。準備運動にもなりゃしない」

 首に手を置いてやれやれとため息を着く。

 焦げ茶色の髪の毛が風邪でなびいた。戦闘服系の衣装か。赤、黒、白を基調としたやや派手目なデザインの服は、あれだけ動いたのにも関わらず一切汚れていない。その隙間から除く6つに割れた美しい腹筋は、全世界の筋肉好きが発狂すること間違いなし。

「いやぁ、この服の付与がまだ健在で助かったぜ。相変わらずこの袖は動きにくいんだよな」

 手首へと下がるにつれて緩くなっていく袖は、本人の意見通りかなり動きが制限されそうなデザイン。短い短パンとは対照的に腕を振り回すには邪魔になる。

 しかし、先程の戦闘で振り回していたはずの袖は、本人の腕にピッタリ合うような動きを感じられた。

――これが彼女のいう付与か。

「……あの」

「ん?おぉ、忘れてた。俺様の封印を解いてくれてありがとうな!!約束通り質問に答えてやるぜ少年!」

 一息着いたセイタが話しかけると、ニカッと笑ってそう答えた。


ーーーーーーーーーーーーーーー


 ガーディアンを倒した影響なのか、結界と関わりがあったからか。あれだけ積もっていた雪は跡形もなく溶けて消え、雲海の広がる絶景が一面に広がっている。

 雲をつきぬけてそびえ立つ山脈山頂でしか味わえない景色。

 そんな状況でありながら、セイタたちは彼女から目を離すことが出来ずにいた。

「ほー、つまりその教団とやらを撲滅させるために、魔法じゃない能力について知りたいってわけか」

「その解釈で合ってます」

「俺もそこまで知ってるわけじゃぁねぇからな。過去に教えて貰ったことがあるだけ。魔法なら昔の仲間にえらく知識のあるやつがいたんだが…………、まぁいい。答えるって約束だ。ちょいと話してやる」

 そうして話してくれた内容は、思っていたものと少し違った。けれど、僕たちにとって驚くものでもあった。


…………あ、名前……聞いてないや。

どうも、深夜翔です。

果たしてそれは想定内か。

セイタ一行が大苦戦したガーディアンを、圧倒的強さで押し潰した古龍。

当初の予定通り能力の話が聞けそうで……、その真実とは?


ここまで読んでいただきありがとうございます。よろしければ感想や評価、ブックマーク登録、Twitterのフォローをよろしくお願いします。

ではまた次回……さらば!

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