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街の小さなアイテム屋さん  作者: 深夜翔
第二章 : 小さな移動アイテム屋さん 〜お店は一時閉店です
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雪に住む者の苦難

「私たちの一族がこの山に住み着いてもう四十年近くになります。初めはただ吹雪を越すための穴だった場所がこのとおり、私たちの帰るべき場所へと変わっていきました」

 暗い洞窟内に奥へ進むにつれて灯りが設置され、整備も行き届いた通路へと変わっていく。精巧な石畳と色とりどりの植物で彩られた入口が見えてきた時、不意に今までとは違う暖かな光が辺りを包み込んでいるのを全身で感じられた。

「ようこそ。我らホラビット一族の集落へ!」

 そこは、洞窟にもかかわらず太陽の光が行き届き、もはや雪山とは思えない別世界だった。

「ここは……」

 見上げると、洞窟のように見えたそこが大きな谷の底であることが分かる。"谷"と言う表現も少し違うか。

 ここは山の頂上付近に存在するであろう大きな穴の底。降り注ぐ雪も頂上が雲より高い位置にあれば見えるのは青い空のみ。

 それも、洞窟にちりばめられた鉱石の数々がその光を反射してより美しい。

「わぁー、すごい……ここ、洞窟の中……なんだよね?」

「あぁ。これは自然の芸術だ」

 僕らも一様に感嘆の声を漏らす。

「長殿、こちらにご用意しております」

「ありがとうございます。皆様方、こちらがご要望の鉱石と素材になります」

 中央の広場と思われる場所に、ずらりと並べられた貴重な鉱石の数々。魔鉱石や暖鉱石も当たり前のように並んでいる。しかし、僕にはそれ以上に気になるものがその広場にはあった。

「シアノートさん、あの魔鉱石は一体……?」

 指を指した先。広場の中央とも呼べるそこに、高々と空に伸びる1本の巨大な魔鉱石が圧倒的存在感を醸し出していた。

 尖った水晶と同じように地面から生え、その先端は洞窟の入口、頂上の穴へと向いている。

「あれははるか昔からこの洞窟にある、守り神のようなものです。あの大きさですから移動させることも出来ず、こうして祀っているのです」

 確かに、よく見ると祭壇などで見かける装飾品が所々に見受けられる。

「しっかしまぁ……俺たちはどうやら巨大なあれこれに縁があり過ぎるらしい」

「……見上げる大きさにも慣れちゃったよね」

 巨大な魔鉱石を前に驚愕を通り越して呆れ始める仲間たち。このままだといずれ巨大な魔王とか来ても動じなくなりそうだ。

「にぃ、あの、こうせき……魔力つかわれてない」

「だよね。何かの魔法に使われているのかと思ったけど……本当にただ大きいだけの魔鉱石だ」

 魔鉱石は貴重だ。それはこの世界の共通認識である。その理由は魔道具の汎用性の高さゆえ。魔鉱石単体では使い物にならない。

「あの、祀っていると言うことですけど、手を加えたり少し傷をつけてしまうのはやはり良くないでしょうか?」

「あーいえ、祀っていると言っても、ここを見つけた私の祖父……初めの一族はこの移動も破壊もできない魔鉱石に何とか意味を持たせようと適当に祀っただけと聞いております。現に、私達もこの鉱石をさほど重要視はしておりません」

「なるほど……。でしたら、この魔鉱石を利用してもよろしいですか?」

「この鉱石を…………ですか。問題ありませんが、些か大変な作業ではないですか?」

 これだけの大きさがあれば、この洞窟を覆うほどの領域を設定できる。暖鉱石を各家に配置すれば全体が暖まれる最高の機能。地球の電気のように暖かさの供給をすればいい。

「そこまで複雑な作業はありませんから、二日ほどいただければ完成させられます」

 その言葉を疑っているのか、シアノートさんは悩む素振りを見せる。

 重要視されていないとはいっても、長いあいだ祀ってきた巨大魔鉱石だ。即決は出来ないだろう。

「…………分かりました。一族の危機です。お願いします。それと、ここにある鉱石はご自由にお持ちください。私らにこれを加工できるほどの技術はありませんゆえ」

「ほんとですか?!ありがとうございます」

 これだけの魔鉱石があればもっと色々な魔道具の開発ができる。多少の失敗も許されるかも。

 あれこれと作りたい物が思い浮かぶ。

「とはいえ無駄使いはダメだぞ」

「し、しませんよ!!……アルゴートさん、心が読めるんですか」

「顔に出てるんだよ」

「にぃ、分かり……やすい」

「ナツまで?!」

 大量の魔鉱石を前に注意されてしまった。

 もちろん、わざわざ失敗している訳では無い。気になって試した結果、ダメだっただけ。

 ……気をつけます。

「はははは、皆様仲がよろしいようで。ここに滞在の間は、あちらの空き家をお使いください。何かあれば、警備兵か私の家までお越しください。集落の皆にはこちらからお伝えしておきます」

 なんとも至れり尽くせり。ここまで親切にしてもらうと逆に疑いたくなるが、彼の言葉からは悪意を感じない。こちらを信頼してのことなのだから、僕達もそれに答えなければ。

「了解です。魔道具の方はお任せ下さい」

どうも、深夜翔です。

洞窟の中にある、広い空間と幻想的な風景にはロマンがあります。洞窟って……いいですよね。

ですが、そろそろ戦闘シーンも書きたいところ。次回……は無理かもですが。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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ではまた次回……さらば!

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