表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
街の小さなアイテム屋さん  作者: 深夜翔
第一章 : 街の小さなアイテム屋さん
44/84

身近の真実

(結局アルゴートさんはいなかったな)

こう言ったことはアルゴートさんに聞くのが一番早かったのだけど、見つからない以上他を当るしかない。

「ただいま。ニア、そっちはどうだっ………」

人のいない場所を狙って転移。

書物の調査を任せたニア一人が店内にいる…と思っていた。

しかし、店に戻るとニアともう一人。

金髪のエルフが立っている。

「セイタ!いやー、まさか入れ違いになってるとはな!すまねぇ」

「アルゴートさん……いつの間に」

「学院の用はパッと終わらせてよ。ついでに一度自宅まで戻って色々と取ってきてたんだ」

「本当に入れ違いだったんだよ!呼び戻そうかなって思ったんだけど、もう出発した後で」

時間を短縮したいと、転移で移動したのが裏目に出たようだ。完璧な無駄足になってしまったけれど、こうしてアルゴートさんと話ができるのならセーフ。

「話は聞いたぜ。また面倒な件に巻き込まれたなぁセイタ。俺に手伝える事ならなんでもするぜ」

「ありがとうございます!」

先に事情を説明して貰ったらしいアルゴートさんは、快く承諾してくれた。

「えっと…質問はそんなに多くは無いんですけど……」

「だろうな。奴らが信仰する邪神、それと邪神とは言え大陸を加護(おさめる)神を殺せる神、それを封印した神殺しの英雄について…ってところか」

「はい。知ってますか?」

「そりゃあこれでも500年以上は生きてるからな。つっても、まだ幼い頃の話。経験談みてぇのは無いが」

そう言って話始めようとしたが、彼は何かに気が付き口を止める。

「話してもいいんだが……そこの少年は嬢ちゃんの連れか?」

「少年?」

彼の指を指す方へ目を向ける。

店の扉の前を、こちらを伺うようにウロウロする少年がいた。

「あれって…」

「テル?!」

僕らが彼に気が付いた事を察したのか、ニアの弟、テルが申し訳なさそうに扉を開ける。

「こ、こんにちは…。ごめんなさい、お取り込み中のところ」

「大丈夫だよ。ところで今日はどうしたの?」

「そうそう!テル、何かあった?」

「サエばあちゃんが、姉さんの事呼んでた」

「おばあちゃん……あっ!お店の手伝い忘れてた!!」

そしてニアがサボっていたことが露見する。

「ニア……サボりはダメだよ」

「わ、忘れてただけだよぉ」

この後の事を想像してか、涙目でそう訴えてくる。

「ニア、ここまでで大丈夫、ありがとう。おばあさんの手伝いに行ってあげて」

「ん〜分かった!セイタも、何かあったら頼ってね!」

そういうと、呼びに来たテルを連れて颯爽と去っていった。

「なんというか……騒がしいやつだな」

「おかげで助かってます」

「みてぇだな」

()()と言うところには触れない。

しかし、アルゴートさんも同じように感じている様子。

互いにやれやれと笑い合う。

「んじゃ改めて、俺か知ってることを話すが…」

表情を戻し、何が言いかけて再び口を閉ざす。

その目線は店の奥へと向けられている。

「ぶっちゃけた話、俺よりもっと適任がいると思うぜ。例えばほら、あのくそババ……母親とかな」

「母様のことですか?」

「ああ。なんたって、あれでも一応"神殺しの英雄"の1人だからな」

「………えっ?!」

当たり前のように告げられた真実に、僕の思考は直ぐに理解出来なかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「で、私の許可もなくセイちゃんに話しちゃったわけ」

「……はい」

「はぁ、もっと順序を踏んで、適切な時に私から話そうと思ってたのに…」

「本当にすまないと思ってます」

森の家、セイタの自宅では酷い絵面のお説教の真っ只中。

怒っているのはセイタの母親。

怒られているのはもちろんアルゴート。

今まで秘密にしていた内容を、本人に許可なくセイタに教えてしまったこと。加えて、反省の色はゼロときた。

さすがの師匠と言えど、これには激おこ。

デリカシーの無い弟子に無言の圧力と師匠権限をフル活用してリビングに正座させ、静かに怒っていた。

いや、嘘を言ってはいけない。

これでは"酷い絵面"でもなんでもないでは無いか。

正座したアルゴート。

その正面で怒る彼女はソファで横になって(盛大にだらけて)いた。それも、コナツという抱き枕を撫で回しながら。

(……あれ、寝てるんだろうなナツ)

普段なら嫌がられること間違いなし。

だが、現在コナツは睡眠中。

その隙を狙っての撫で回し…実に手口がやらしい。

いいのかこれが母親で。

「まぁ…いずれ伝えないといけない話ではあったから、むしろちょうどいいのかも知れないわね」

「だろ?なら俺は」

「それとこれとは話が別」

あまりの理不尽さに、セイタはアルゴートが可哀想になってきた。現在の姿だけでいえば、明らかに怒られる方が間違っている。

「母様。もしも話してくれるのなら、知っている事を聞きたい」

「…そうね。少し長い話になるのだけど…なるべく短くして話すわね」

そうして始まった過去の伝説は、壮大で、理不尽で、意外で。何処か納得のある物語だった。

どうも、深夜翔です。

真実とは案外近くにあるものである。

まさにその通りの展開となりました。

親子、兄妹、師弟。

次回、それらの繋がりが明らかとなる……?


ここまで読んでいただきありがとうございます。

応援していただける方は、感想や評価、ブックマーク登録をよろしくお願いします。

Twitter(@Randy_sinyasho)もやっているので、そちらのフォローも是非お願いします。

ではまた次回……さらば!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ