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街の小さなアイテム屋さん  作者: 深夜翔
第一章 : 街の小さなアイテム屋さん
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遺跡攻略

「ほらこっちだ」

アルゴートさんの後に続き、崖の家にやってきた。

昨日ここを訪ねた僕らと違い、この長い崖の階段に初めて来たニアが驚いていた。

「昨日は裏庭を案内して無かったからな。俺は基本的に調合とか研究で使う素材はここで育ててんだ」

こんな崖の家に庭…?

と思っていたが、家の入口の横を抜けて裏側に回るとそれなりに広々とした芝の空間があった。

丁寧に畑まであるのだからびっくり。

崖の上なだけあり、そこから見える海の景色は中々に絶景で、思わずおぉ…と感嘆の声が出てしまう。

「…塩害の影響が凄そうですね」

しかし、よく考えてみれば作物を栽培するにはあまりに適していない環境。植物の中には塩の影響を受けにくいものも存在するがあまり多くない。

研究に使うには種類が少ないと思うけど…。

「その辺は問題無い!ここら一帯は俺が張った結界で塩の影響はほとんど無いからな。いやー、塩の成分を分析して有害なもんだけ弾けるようになるまで、かなりの時間を費やしたが…」

かなりの時間を費やしただけで新たな魔法を生み出したという。それだけで、彼の実力がどれほどのものなのか容易に想像できた。

普通の人は時間を費やした程度で魔法を生み出すことは到底不可能だから。

「おっと、話がそれちまったな。例の遺跡ってのはこっちだ」

まだ何も言っていないのに、自ら話を切り上げて案内を再開する。日頃から周りに気を使っている様子が見て取れる。

「アルゴートさんって、凄くいい人だね」

「うん。僕もそう思うよ」

どうやら、彼の優しさはニアにも感じ取れたらしい。

……まぁ、魔法にこれだけ入れ込んでいれば、街で変人だと言われても不思議じゃない。

悪い噂が無かったのは、街の人も彼が周囲の人に配慮していた事を薄々感じていたからだろう。

配慮……してたよね?

すみません、アルゴートさん。

どうしても、アルゴートさんが魔法の話で暴走している様子しか想像出来ないです……。

「この先に進んでくと昔は無かった細い通路が見えてくる。お前らが言ってた遺跡の入口で間違いないだろうよ」

「中に入った事は?」

「ん?何度かあるぜ。ただ、大して興味が湧くようなもんが無かったからそれ以上奥には入ってないがな」

「……ギルドには話して無いんですよね」

「ん?そりゃ聞かれなかったからな。まさかここの情報を探してるなんて思ってなかったぜ。ま、そもそも普段あの辺には行かねぇし、聞かれる人もいないけどよ」

この辺大雑把で適当なのも、変人だと言われる原因の一つではありそうだ。

魔法以外に興味を示さなすぎる。

「見えてきたぞ。あれが入口だ」

話にあった通路を抜けると、崖の中に埋まった遺跡の一部らしきものが確認できた。

「悪いが俺はこの後予定があってな。中まで着いていけないが……まぁ、お前らなら大丈夫だろうよ」

「はい。ここまでありがとうございます」

「おう、一応は気を付けろよ」

僕たちを遺跡まで案内したアルゴートさんは、手を振って元の道を引き返して行った。

予定……というのは、たぶん母様の手紙の事だと思う。付き合わせてしまってすみません。

「にぃ……中…魔力が」

「魔物の強化はここで間違いないね。時間も惜しいし、早速入ろう」

太陽はまだ頭の上より少し低い。

夕方までには戻れるように、少し忙しなく内部へと進んで行く。


「にぃ…左……2、右…3?まだいる…かも」

「了解。"迅速なる弾丸(ラピッドブレット)"」

狭い通路で大規模な魔法や、遺跡を破壊してしまうような威力のものは使えない。

よって、大体の位置に狙って撃てばナツの照準確定で確実にコアを破壊できる魔法での攻略となる。

しかし、遺跡全体が強化魔法の影響を受けていて、魔力探知系魔法の障害になっているため数が曖昧。

一瞬とはいえ、撃ち漏らすことも。

「にぃ…っ、まだ1…」

「そっちは任せて!"氷結フリーズ"」

強化されたゴーレムは、おおよそゴーレムとは思えないような速度で遺跡の壁を縦横無尽に動き回っていた。

その一瞬でかなり近くまで接近される。

「からの〜"氷粉砕アイスブレイク"」

それを補うように、ニアがその接近を止める。

止めるというか、粉々に破壊する。

特殊な眼の力なのか、魔力制御も素晴らしく敵の動きを確実に捉えた攻撃ができる。

「ニアは適正が水だったんだね」

「そうだよ!こういう狭い場所では役に立てる!」

洞窟や遺跡などの狭い場所で火属性は大変危険。

酸欠を起こす原因になるから。

その点、水や氷はそういった狭い場所と相性がいい。

「…ニア……すごい」

「ナツちゃんに褒められた!!」

「……この先…暗い?」

「うん。灯りがあった方がいいね」

喜ぶニアを他所に、ゴーレムを倒しつつ奥へと進む。

途中までは所々に松明が設置されていたけど、この先は真っ暗で何も見えない。

「"フォローライト"」

明るい光の玉を生み出す。

一見光属性の魔法に見えるけれど、これはただの無属性魔法。母様から聞いた話では、冒険者が覚えるべき魔法の基本だとか。

追従する光の玉は確かに便利だ。

「ちょっと!二人とも待って!置いてかないでよー」

ニヤけていたニアがあとから着いてくる。

「この通路…全然魔物がいないね」

「たぶん、罠か仕掛けがあって入れないんだと思う」

「??どうして?」

「魔法的な仕掛けがある場所には、魔物を遠ざける魔道具が置かれてる事が多いんだ。せっかくの仕掛けが壊される可能性があるから」

「へ〜じゃあ床とか壁を要チェックだ!……って、あれ?この先行き止まりだよ?」

「……にぃ、分かって…る、くせに…」

「あはは、ナツにはバレちゃうか」

「???」

通路の先はただの行き止まり……なわけが無い。

ただでさえここまで一本道だったのに、他に道がある訳でもなく道が途切れている。

それも、魔物が一体と出現しない。

「続いてるんだよ。この道」

行き止まりのように見える壁の先には通路がある。

ご丁寧に大量の魔物とセットで。

一見すればただの壁。気がついても壁を破壊すれば大量の魔物が飛び出す。

仕掛けとは程遠い脳筋で安直な罠ではあるけど、意外と効果はあるように感じた。

「け、けど!どうやって進むの?!」

「それは問題ない。魔物も対応出来ると思うけど、念の為に攻撃の用意はしておいて」

「えっ?!わ、わかった!…って一体何を…」

「脳筋(物理)には脳筋きんにくって相場が決まってるんだ」

僕は静かにスーっと息を吸う。

「よっ!」

そして軽いステップを踏み、回し蹴りの容量で壁を蹴りつけた。

どうも、深夜翔です。

タイトルに遺跡攻略と書いてあるものの、半分は遺跡までの案内と、攻略とはなんぞやといった内容でしたがいかがでしたか。

ここまでで彼ら兄妹の強さを知っている皆さんは、ここも簡単に攻略できるんだろうなと薄々感じていたかと思います。

しかーし!次回は少しその期待を裏切ってみようと思います。是非次回も読みに来てください!


ここまで読んでいただきありがとうございます。

面白いと感じていたいただければ感想や評価、ブックマーク登録をよろしくお願いします。

Twitter(@Randy_sinyasho)もやっているので、そちらのフォローも是非。

ではまた次回……さらば!

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