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街の小さなアイテム屋さん  作者: 深夜翔
第一章 : 街の小さなアイテム屋さん
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変人の予感

「ん〜〜〜〜!!美味しい!」

「お魚……久しぶり…?」

「確かにね。あの街じゃあ魚なんて滅多に売ってないから」

僕たちが入ったのは様様な魚メニューが揃った、この町定番の料理店『フィッシ食堂』。

お昼時という事もあり、店内はとても賑わっている。

「新鮮、……おいし」

「ゆっくり食べなよ」

新鮮でまだ魔力の残った料理達は、僕が魔力を注がなくてもナツが美味しく食べれる。

こうして三人で食事ができるのも、新鮮で魔力が豊富に含まれているうちに料理で提供されるこの店だからだ。

「それで…二人はこの後どうするの?」

「僕達?えっと……か…じゃなくて知り合いに頼まれ事をされてるから、先にそっちを済ませて来ようかな」

「そっかー。実は私も少し用事があってさ。夕方頃に宿屋集合でもいいかな?場所はこの後教えるよ!」

「了解」

今日は別行動になるらしい。

母様の頼みがどんな物か、人なのか分かっていないが、彼女に教えられない事もあるはずだ。

正直、今日の別行動は有難い。

(ただ、目的の人物がどこにいるのか知らないんだよなぁ。母様は街の人に聞けばすぐに分かるって言ってたけど…)

街の人ではないニアに尋ねるのはおかしな話。

手っ取り早く情報を知っていそうな店員さんに話を聞いてみる。

「すみません、この街にアルゴートさん?って居ますか」

「アルゴート……ああ!知ってます。この街では有名ですからね。お話したことも無いですし、住んでいる場所も分からないですけど……街の人に聞けばすぐに見つかると思いますよ!」

「なるほど…ありがとうございます」

有名……?

本来ならば人気者だとか、善人を思い浮かべるものだけど、既に母様のお使いというフィルターを挟んでいるせいでポジティブに捉えられない。

絶対に何かしら悪い噂を持っていそうだという偏見が頭の中を駆け巡る。

「……たぶん…変わり者」

「僕もそう思う。あの母様にろくな知り合いはいないよ」

とはいえまだ一人の情報だけ。

イメージだけが先走ってしまっては相手側に申し訳ない。

「僕らはとりあえず、情報収集からだね」

「んっ……探す」

無駄な気合いだと薄々感じてはいるが、僅かな希望に賭けて街へと繰り出した。


「アルゴートさんね!あの人なら普段はこの先の釣り堀で魚釣りしてるわよ。家は……釣り仲間のエゼルさんなら知ってるかも」

「アルゴートさん…ってああ、あの変人アルゴートの事か。家は知らねぇが、いつも東門から街に入ってくるな」

「ここ最近は姿を見てないかな。アルゴートはおかしな魔法の研究ばっかりしてる変人だ。どうせ家に籠って研究してるんだよ」

まずい。

誰かに尋ねる度に、まともな人出ない事が証明されていく。

皆が口を揃えて変人と言うから、僕は会ってもいないのに既に頭痛の気配を感じていた。

「アルゴート?あいつなら東の丘の上に一人で住んでるよ。最近は見かけないが」

最後の最後、釣り仲間だというエゼルさんの情報によってその居場所を特定した。

ここまで変人だという噂が広がっているのに、住んでいる場所をしらない人が多すぎる。

「母様とはまた違ったタイプの面倒な人っぽいね」

「……歩くの…疲れた」

「もう少しだから、頑張って」

話では丘と言っていたが、これはどう見ても山。

あまりに急過ぎてむしろ崖と呼んでもいい。

そこに申し訳程度に舗装された階段。

誰かが通行していることは明らかだった。

しばらく傾斜が大きい階段を進んで行くと、一部崖を切り崩して建てたような、小さな一軒家を発見した。

半分崖に埋まっているから、もしかすると見た目以上の広さはあるかもしれない。

「意外と普通の家だ……」

しかし、ここまで来るのにかなりの時間がかかる。

例え変人で無かったとしても、相当な物好きで無ければ住み続けるのは困難を極める。

「やっぱり変人って噂は本当みたい…」

「…んっ、間違い……ないっ……」

久しぶりにしっかり足を動かして歩いたからか、ナツはかなり疲れている。

いくら精霊に変わったとしても、体力と言う概念が無くなるわけじゃない。

日頃からゴロゴロと過ごしていた弊害が出ている。

「…帰ったら、もう少し運動しようね」

すごく……嫌そうな表情をする。

分かりやすいけど、いざと言う時に備えて体力はつけておくべきだ。ごめんナツ。

「えっと入口は……ここでいいのかな?チャイムは無さそうだし、ノック?」

僕は一通り呼吸を整えると、家の扉をノックした。

「すみませーん」

一体どんな変人が出てくるのか。

少し身構えて、心の準備をしておく。

「…………」

「……」

『………』

しかしその準備も虚しく、返事は聞こえてこなかった。

どうも、深夜翔です。

1話1話、とてもゆっくり進んでいます。

全然話変わってないじゃんと思う方がいれば、反論の余地もなくその通りでございます。

ですがそこはぐっとこらえて、少年の思いや兄妹のやり取りに耳(目)を傾けて貰えたらと思います。

次回は噂の変人が登場?!


ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。

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ではまた次回……さらば!

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