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街の小さなアイテム屋さん  作者: 深夜翔
第一章 : 街の小さなアイテム屋さん
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仲間

「王女様!!報告します。護衛を含む聖女御一行は、全員無事な模様です!ですがこの天候故、魔物の住む森から抜け出せていない様子」


「分かりました。私が今から救出に向かいます」

「そんなっ!無茶です!この天候では外に出ることすら危険を伴います!」


「私の友人の方に、救出するための道具を作っていただきました。安全は保証致します」

「友人…って、いつの間に?!」

「今は一刻を争う事態ですから、お話はここまでです」


 あのお二方にについては、秘密にしておくべきだと彼女と約束しました。


 私も、大切なご友人を危険に晒すような真似はしたくありません。


「私一人でも行きます。が……」


 専用の鎧を着て、門を守る兵士の止めを振り切って、開け放った門の前には数人の騎士団員が待っていました。


「王女様!我々も御一緒させては頂けませんでしょうか!」

「……理由を聞いても?」


「それはもちろん、我が団長のピンチですからね。日頃、団長を振り回している王女様が助けに行くとあらば、その護衛は我々に継がれると言うもの」

「そう…ですか。なんだか頼もしいですね」


「というか、ここで王女様を一人で行かせたりしたら、帰ってきた団長にボコボコにされますよ」

「違いねぇ!」

「ふふっ、ありがとうございます」


 なんといい部下を持ったことでしょう。

 ミオンのため、この天候の中飛び出してくれる仲間がいるのです。なんだか私まで嬉しくなってしまいました。


(まぁ、そのために数人分お願いしたのですから)


 一人で行くと強制しても、彼らは勝手に着いてきたでしょう。と言いますか、私はそんなにミオンを振り回しているでしょうか?


「直ぐに出発しましょう!皆さんにはこれを」


 私は戴いた袋から円盤のような綺麗な板を騎士団の皆さんに渡しました。先程セイタさんに作っていただいた魔道具です。


 ボタンを押すと自動で使用者の頭上に展開し、体を覆うような円柱よ光によって外からの攻撃を防げる。


 私はそう解釈し、実際に空から落ちてくる氷の粒を弾く瞬間をこの目で確かめました。


 一度、前方から飛んできた木の葉も弾いたので、外からの攻撃が防げると思ったのです。


(……これは扱いには要注意ですね)


 これほどの物が出回ってしまったら、現在各地で起きている戦争や暴動が過激化する恐れがあります。


 何せ、私が見てきた中でこれが最も優れた防御魔道具であるから…。


「お、王女様っ!凄いですよこれは」

「兜を外しても全然問題ありません!一体これをどこで…」


「すみません。友人との約束でして、秘密です」


 口元に人差し指を当て、秘密にしておくよう注意しておきました。ミオンが信頼を置いている人達です。きっと守ってくれるに違いありません。


「さぁ、出発しましょう!」

「「「はいっ」」」


 目指すは北の迷いの森。

 ミオン……無事でいてください。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


――失敗した。

 まさかこの道で盗賊に襲われるとは。


 聖女様を御守りすべく奮闘したものの、こちらの騎士は3人。圧倒的数の差に、馬車を捨てる選択肢を取らざるを得なかった。


 幸い、聖女様の移動が目的だったために馬車に大したものは積んでいなかった。そうでなければ、あれほど迅速に馬車を捨てる判断ができたかは怪しい。


「聖女様、大丈夫ですか?お怪我は…」

「ええ、私は無事ですわ。それより…」

「私は大丈夫です。この程度、慣れております」


 逃げた先はすぐ横に広がる森。

 盗賊を振り切るために入ったが、ここは恐らく迷いの森だ。魔物が住んでいるし、一度入れば確実に迷うとされる霧が立ち込めている。


 完全に立ち往生だ。

「皆は無事か!!」


「団長、一先ず動けない者はいません!」

「御者の方も保護出来ました。被害は馬車だけです」

「よくやった。怪我をしている者は…」

「私に治させてください!その程度しか出来ないですから…」


 聖女とは、勇者と近しい存在であるとされている。


 勇者が魔王を倒す聖なる力、すなわち攻撃面を有するのに対し、聖女は人々を癒す力…補助や回復といった支援能力といった面を持つ。


 共に多大な魔力を持ち、光の精霊の加護を得ている。こと回復においては、この世界に聖女を超える者はいないとさえ言われているほどだ。


「さて…どうしたものか。先程使い鳩に伝達書を持たせたが……この霧で果たして無事に王城まで辿り着いてくれるかどうか…」


 怪我人は聖女様が何とかしてくれるだろう。

 動けない者もいない。

 しかし、食料も水もないこの状況……ここで助けを待つのは無理か。


 かと言って、無闇に動いても体力を消耗するだけ。やはり大人しく助けを待つべきか?ここは太陽の陽射しが通らない。かろうじて昼か夜かが分かる程度。更には今宵は非常に冷える。


(明かりと暖の確保が最優先だな)


 ここは森の中。暖を取るのに必要な木々は大量に落ちている。


「この中に火魔法を使える者は」

 続く言葉は、1人の騎士の叫び声にかき消された。


「魔物です!!獣型が数匹!」

「皆構えろ!離れすぎるなよ」


 真夜中の暗い時間に加え、この霧。

 戦うには不向きすぎる。


「"フラッシュライト"」


 聖女様の声に、辺り一帯に暖かな光が灯る。精霊加護付きの光魔法だ。


「助かります、聖女様」

「この位は簡単です。それよりもお怪我のないように!」


「来るぞ!!」

――ここから、私たちの長い夜が始まった。

あけましておめでとうございます。

今年も変わらず好きなように投稿していきます。

満足いく内容になるかは分かりませんが、今後とも私深夜をよろしくお願いします。


さて、本当はお正月の話でも書こうかと思っていたのですが、前回から引き続いたこの救出大作戦。

予想よりも長い話になりそうです。

次回も続きになりますが、予想外の展開をお届けできるよう頑張ります!


ここまで読みに来てくださってありがとうございます。

感想や評価、ブックマーク登録を是非ともよろしくお願いします。

Twitter(@Randy_sinyasho)のフォローもしていただけると嬉しいです。

ではまた次回……さらば!

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