回り回って、君はおれを好きになる!
おれの【恋】は肩想いだ!
おれの好きな女の子は、おれと幼馴染の女の子で。
彼女の好きな男の子は、おれの親友の彼だから。
おれ達は、いつも3人で居る事が多かった。
まさか!? 彼女が彼とおれに黙って付き合っている事を
知るまでは、おれたちの関係は上手くいっていた。
『お前達、何時からなんだよ!』
『えぇ!?』
『何を急に!?』
『二人が付き合ってる事、知ってるんだぞ!』
『・・・すまない、黙ってて。』
『ごめんね、直ぐに、勇人に言おうと思ったんだけど...。』
『何で! 勝手にお前達、“付き合ってんだよ!”』
『別に、俺と秋が付き合ってても関係ないじゃないか! 俺たちの
関係が壊れる訳じゃないんだし!』
『そうよ! 私たちの関係は永遠でしょ!』
『おれは、抜けるわ! もう一緒には居れない。』
『・・・えぇ!? な、なんでよ!』
『俺たち、“親友”だよな?』
『もう、いいよ! じゃあーな、』
『おい、勇人!』
『待ってよ、勇人!』
『・・・・・・』
・・・おれは、二人と一緒にいる事をやめた。
どんな顔で、二人の間に居ていいのか? おれは分からなかったからだ。
ずっと肩想いの女の子がおれの親友の彼と付き合っていて。
二人に、おれはどんな顔をして一緒に居ればいいと思うと考えただけで
心が折れそうになる。
どちらも、おれにとって! “大事な存在”
二人を失うぐらいなら、おれはこの中から抜ける事を選んだ。
おれは、それから一人で居る時間が増え、家に引きこもるようになる。
たまに、どちらかが? おれの家に遊びに来る事もあったが。
おれは忙しいから、会えないと二人を追い返した。
*
・・・あれから半年。
幼馴染の女の子の秋が、おれに一人で会いに来た。
【ピンポン】
『・・・秋? 悪いけど、帰ってくれ!』
『どうしても、話を聞いてほしいの!』
『今は、誰とも話したくないんだ。』
『私ね、ヒロと別れたの。』
『えぇ!?』
『私の話を勇人に聞いてほしいの! 他の人には話したくないから。』
『・・・分かった、少し待ってて。』
『ううん、ごめんね。』
『別にいいよ。』
・・・おれと秋は、家の近くの公園のベンチで話をする事にした。
秋の話を聞けば? ずっと3人の関係が続いていくモノだと思って
いたのに、おれが二人から離れたせいで上手くいかなくなったらしい。
お互い好きだった気持ちも、いつの間にか? 薄れていく。
特にヒロは、秋という彼女が居るにも関わらず。
他の女の子と遊びに行くようになったらしい。
それからというモノ、二人が会ってもギクシャクするらしく。
お互い居ずらくなって、結果的に“別れた”
秋にとって、ヒロは特別な人だったが、今はそうじゃないと言う。
ヒロと会えない間、ヒロの事だけじゃなくおれの事も秋は考えて
くれていたみたいで、奥底にあったおれへの気持ちを引き出して
くれて、今日! ココにおれに会いに来てくれたと言った。
『・・・ごめんね、気づくのが遅かったよね。』
『い、いや? でも、本当なの?』
『勇人は幼馴染で、今までそんな風に考えてなかったんだけど?
居なくなって分かったの! “私は勇人が好きなんだって!”』
『・・・秋、』
『私達、付き合わない? そしたら、ヒロだって一緒にまた
3人で会えるじゃない!』
『・・・ううん。』
こうして、おれと秋は付き合うようになる。
その後、おれがヒロに連絡を取っておれと秋が付き合ってた事を
報告するのと、また3人で一緒に会うようになった。
ヒロもおれと秋が付き合っている事を受け入れてくれたんだ。
また、3人で一緒に居る事ができる。
今のおれは、とても幸せだ!
大好きな人と付き合う事ができて、親友の彼も戻って来た。
また3人で一緒に居れる。
*
『ヒロ、もう一度! 私達やり直さない?』
『えぇ!? でも、勇人が?』
『・・・勇人には申し訳ない事をしてるのはよく分かってる!
でも、やっぱり私はヒロが大好きなの!』
『・・・秋、』
『また、3人で一緒に居れるためにもこうするしかなかったのよ。』
『でも? もし、俺たちの関係がまたバレたら?』
『大丈夫よ! 勇人にはバレないようにするから。』
『・・・うん、分かったよ。』
『ありがとう、ヒロ!』
『俺も、秋の事がキライで別れた訳じゃないからさ。』
『うん。』
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