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無双したかった

 蓮はジャックに作戦を説明しました。要約するとこうです。太っちょを奪った金をぶら下げて脅し、スラムの仲間を呼ばせそれをボコり、まだ脅して金を持ってこさせ、手柄に応じて分配する。ヤクザみたいなことをやろうとしています。


 「なんだそれ!面白そうだ!」


 ジャックには良心もクソもありません、その作戦に乗り気です。


 「おい太っちょ、テメエの名前は」


 蓮が凄みました、身長170後半、目つきの悪い黒髪、かなり怖いです。


 「えっと、お……俺はゴルだ」


 「ならゴル、明日同じ場所に同年代の知り合いを連れてこい、1人あたり40エルト返してやろう」


 今度はジャックが凄みました、茶髪緑目の幼児、成長したら怖いのかもしれません。


 「は……はいっ」


 ジャックと蓮は上機嫌に帰って行きました。


 「おい蓮?お前気を教えてもらったんだろ?どう言うことができるのだ?」


 「おっ?そうゆう質問待ってましたー」


 ジャックと蓮は修練場に向かいました。


 「俺が習ったのは基本中の基本、気の操作だ。体内の気を操作して表に出す、それで人体能力が普段の八倍程度に上がる」


 蓮は実演しようと体に気を張り巡らせ、そこらを駆け回りました。


 「おお、凄いな!けど……何故か動きが不安定だ!」


 「それは基本しかまだ習得できてないからだな、ある程度習得すると身体が地面を蹴って吹っ飛んでる時に気で制御できるんだ」


 ウェイト曰くその技術を習得するまでに三週間ほど必用だそうです。思った以上に早いです。


 「あ、そうだ。昼飯食べたら自分冒険者登録して身分証取りに行かなくちゃいけないんだった。ギルドは柄が悪いの多いし屋敷で待ってろ」


 蓮の脳内予定では冒険者登録の際に無双しまくる予定ですが、蓮そこまで強くありません。蓮は昼食をとり、ギルドへ向かいました。


 「えーっとここら辺にあるでかい建物がギルドだとウェイトに言われたが、ほんとにでかいな……」


 冒険者ギルドは二階建て、横幅は一般的な住居の五倍ほどあります。


 「さあ、ここから俺の異世界チートが始まるんだ」


 残念ながら始まりません、ざまあみろ。


 「お前見ない顔だな、冒険者志望か?そんな細い体で冒険者が務まるとでも思っているのか?」


 そう言ったのは身長190cmはありそうな巨漢、ゴリマッチョです。


 「はっ、俺の実力を知らない奴は幸せだなぁ?」


 蓮はイキってます。凄い哀れです。


 「クソがっ!」


 巨漢が殴りかかりました。気や魔力を一切使わない身体能力のみの一撃でした。


 「うわっ、早すぎだろ……」


 蓮は気を使い辛うじて避けることに成功しました。


 「今度は俺のターンだ! ドロー!」


 蓮はどこか間違ったセリフを叫びながら巨漢に殴りかかります。直撃、巨漢は無傷でした。


 「この俺はCランク冒険者のバッカスだ!その程度では傷一つ付けれないぜ?」


 蓮はこの瞬間に自分と相手の実力差を完全に悟りました。


 「あっ、マジですいません、少し調子に乗っていただけです。本当に申し訳ございません」


 自分が勝てないと察すると速攻土下座に移る蓮、さすがプライドがありません。


 「お、おう……まあ俺は自分ができるやつだって勘違いしてる奴の鼻っ柱をおるのが仕事だからまあしょうがない、それにしてもよくその一瞬で自分が勝てないと分かったな?」


 蓮の流れるような土下座にバッカスは一瞬戸惑いましたがさすがCランク冒険者、そのあとは戸惑うことなく話しかけます。


 「あ、はい自分弱い奴には強く、強い奴には弱くがモットーですから」


 その一言で完全にバッカスの動きが止まりました、さすが蓮です、ゴミのような人間です。蓮は石像のようなバッカスを無視し職員のところまで行きました。


 「はい、これハルクさんからの推薦状。これであとは適正試験だけだよね?」


 「あ、えっと、次の試験は5分後なのでお待ち下さい」


 蓮の相手をしている受付嬢が可哀想です。


 「おい、蓮、お前何者だ? 領主からの推薦状とか」


 バッカスが問いました、当然の疑問です。


 「あ、俺、異世界人なんだ、わかりやすい言い方すると迷い人だっけ?」


 「それにしては弱いな……大抵の迷い人は

化け物じみた特異性を持っているはずなのだが……」


 バッカスは見た目に反して読書が趣味です、異世界人についての知識もCランクになると開放される図書館の資料から知りました。ちなみに守秘義務はありません、並の人間が読むと脳に異常をきたすような資料をまとめられているだけですから。


 「適正試験始まりまーす。職員の案内に従って、訓練場に集まってください」

 「お?始まるらしいな、気を習得してるなら多分合格だ、ぐっとらっく? だ」

 「ありがとよ、じゃあ行ってくるぜ」


 蓮は訓練場に向かいました。

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