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悪い顔

 ジャックの朝は早いです。7時頃にまだ寝ている兄達に飛び蹴り。情も情けもありません。


 「ルーズ兄、ジェーン兄、起きろー!」


 初登場ですので説明しときます。ルーズはアスト家一男、11歳です。家を継ぐべき立場だからか弟二人より賢いです。ジェーンはアスト家次男、騎士志望の剣の天才です。8歳でありながら気を習得している天才です。


 「いたっ、起こすならもう少し優しく起こしてくださいよ……」


 「ふはは! その程度の攻撃が当たるとでも思うのか?一から修行してこい!」


 そのあとジャック達は三人で食堂へ向かいました。なんだかんだ仲がいいのです。

 食堂には既にハルクとウィザド、おまけのウェイトと寝不足の蓮がいました。


 「誰ですか? この人」


 「なんだぁこいつ?」


 「この人は今日からジャックの従者をすることになった金堂蓮だよ」


 「あ、ども金堂蓮です。蓮と呼んでください」


 そのあとみんなで朝食をとりました。メニューはサラダとパンです。


 「おい蓮、俺は従者がいるなら町へ行っていいと母上に言われたんだ、ついてこい!」


 ジャックは何も考えずに屋敷を出ました。アスト邸がある町は田舎ではあるものの決して小さくはありません。町中を巡るには1日では済まないでしょう。


 「おい、まて! ジャック」


 蓮は昨日習得した気で人体能力を強化してジャックを追いました、蓮は天才ではないが、そこそこ気の才能があります。

 ジャックと蓮は路地裏近くの広場で太っちょが小さい子供をいじめているのを見かけました。


 「おい蓮、あれなんだ?」


 「へいへい、あれはいじめ、力が強いものによる弱いものへの憂さ晴らしだ。正直言って関わらない方がいいと思うぜ?」


 ジャックは考えました。強いものであるならたくさんお小遣いも持っているはずだと、ならフルボッコにして頂こうと。かなり盗賊的思考です。

 

 「おい!そこのでかいの!」


 「なんだ?お前?正義感振りかざすつもりか?」


 「セイギカン?なんだそれ、そんなことよりお前の小遣いをいただこう!」


 ジャックは太っちょに飛びかかりました。いくら太っちょが質量的に有利でも、ジャックが壁を跳ねて頭に飛びかかるとは予想できるはずもありません、その勢いのまま太っちょは押し倒されてしまいました。


 「ふはは! 雑魚め!」


 ジャックは馬乗りになり太っちょが抵抗しなくなるまで殴り続けました。


 「この程度でいいな、おい蓮!こいつの小遣いを漁れ、少しお前にも分けてやる!」


 小狡い蓮、自分に利益があると分かると躊躇もクソもありません。


 「ちょいと失礼、これか?財布は」


 ジャックは太っちょの上であぐらをかき蓮に中身を数えさせています。


 「確かお金の単位がエルトだから…400エルト、こいつハズレだ」


 ジャックは昨日気を習得した後常識を叩き込まれていました。ちなみにお金の単位はエルト、これはこの国、ポルックス王国の初代国王の名前です。一万エルトで一ハイエルトになります。400エルトでは1人で三食取っても100エルトしか残りません。


 「おい、このお金を増やす方法を考えろ!そうゆうの得意だろ、蓮?」


 悪い顔をしてジャックは命令しました。ジャックと蓮はお金に夢中でいじめられていたチビのことを忘れていました。


 「あの…助けてくれてありがとうございます」


 「なんだお前は?今俺達は忙しいのだ!散れ!」


 「おいおいジャックそんな言い方をしなくてもいいだろ…おいチビ助、お前助けてくれたことに感謝しているならやることがあるだろ?」

 

 蓮が悪い顔で言いました。さらに続けて言います。


 「何も金をくれって言うわけではない、誰かスラムか、スラム近くに住んで居る人間を教えてくれ」


 「なぜそんなことを? えーと、さっき僕をいじめていたのがそうです」


 「ありがとう!やっぱ人助けはするべきだな」


 ジャックは話についていけません。


 「おい?蓮、よく分からないがお金は増えるのか?」


 蓮が答えます。


 「ああ、うまくいけばたんまりとな」

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