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お父さんは凄い、お母さんもすごい

ジャックは金堂を担ぎアスト邸にやってきました。

 

 「ここが俺の家だ!」


 「でかい、貴族だってのは本当なんだな」


 金堂はジャックが貴族だと知ってもあまり言葉使いを変えません。


「おーいジャック、どこへ行っていたんだ」


「父さん! 森へ食べ物を探しに行っていたぞ!」


「……ところで何を担いでいるのかね?」 


 当然の反応です、自分の子供が見知らぬ人間を担いでいるのだから。


「こいつはコンドウレンと言うらしいぞ、歩けなかったから担いできたんだ!」


「おっとジャック、彼を下ろす時はそっと下ろすんだよ、優しくそっとだ」


 金堂は開放されました。金堂は考えました。ここは何処だと、日本ではないと、そして異世界チートキターとも考えました。ハーレムを侍らせてキャッキャウフフすることを考えました。


 「ところでコンドウ君、君は一体何者なのかね、客人を疑う様なことはしたくないんだ、正直に答えておくれ」


 金堂は考えました、相手は貴族だもし嘘をつきバレたら殺されると、金堂は異世界チートとハーレムを諦めました。金堂はチキンです。


 「はい、俺の名前は金堂蓮、家名が金堂で名が蓮です。ここは…日本では無いんですよね?」


「おい、日本とは何だ?」


 金堂は全て話しました、自分が日本と言う国の高校二年生である事、ここがどこかわからないことを、そしてこの二日間水しか飲んでいないことを。


「あらぁジャックじゃない、お帰り……それに貴方はお客様かしら?」


 「母様!」


 金堂は頭の中で情報を整理しました、目の前にいる気の弱そうな男がジャックの父、今きた胸の大きな美人、ロマンあふれるおっぱいを持つのがジャックの母親だと。


 「金堂君だっけ、君のことも、君が嘘をつかずに正直に答えてくれたこともよく分かった、誠意には誠意で返すのが僕の主義だ、僕の名はハルク・アスト、貧乏男爵さ」


 「私はウィザド・アスト、ウィズとでも呼んでください、巨乳好きさん」


 「俺はジャックアストだ! 五歳だ、偉いぞ!」

 

 何度も言いますがジャックは偉くありません、偉いのは父のハルクです。


 「あの、何故俺が嘘をついていないことがわかったんですか?」


 「僕の固有魔法で1日一回30分だけなら相手のありとあらゆる嘘を見抜くことができるんだ。力で成り上がったアスト家だけども力だけじゃ策略に喰われるからね」


 「ちなみに母上はかなり上位の魔法使いだぞ!」


 そうです、ジャックの父と母はすごいのです、ジャックも見習いましょう。

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