なんてことない、追放風景のはずだった。
勢い、だけの作品。
書きたいから書きました。
反省はしていません。
「ダイス・クゼディーノ! 今日限りで、お前は追放だ!!」
「なんだと……?」
まさしく、急転直下。
俺はとあるクエストの終了直後、ダンジョンの中でパーティー追放を言い渡された。リーダーであるショーゴは、あからさまにいらだった口調で告げる。
「お前にはもうウンザリなんだ! 世界最強の拳闘士かどうか知らないが、横暴が過ぎるんだよ! チームプレイをちっとも考えていない!!」
「チームプレイだと? 俺になんの責任があるのだ」
「あるだろ、パーティーなんだから!!」
「なにを、いっている?」
「あー!! だからそうやって、心底不思議そうな顔をするな!!」
こちらが真っ当に言い返すと、ショーゴは頭を掻きむしった。
そんなことをすれば、禿げてしまうというのに。
「他のみんなも、同意見だよな!」
「えぇ、そうよ! 私の武器を勝手に投げて、拾いにもいかないのだから!」
「そうだ! お前、いったいいくつだ!?」
「二十一歳だ!」
「「「自信満々に言うな!!」」」
俺が問いに答えたら、なぜか怒られた。
いったい、こいつらの思考回路はどうなっているんだ。
「ったく、言うことを訊かないならここで、痛い目に遭わせてやる!」
「えぇ! これまでの恨み、晴らさせてもらうわ!」
「いくぞ、ダイス! 三対一で勝てると思うなよ!!」
仲間たちは、なぜか各々に武器を構えた。
そして、少しずつ迫ってくる。――こうなっては、仕方ない。
「それなら、もちろん俺は抵抗するぞ――」
だから、俺は拳を打ち合わせてこう言った。
「拳で!」――と。
◆
「だから、俺に勝てる者などいないと言ったのに」
結果は俺の拳闘技術による一方的な勝利だった。
仲間たちはみな、泣きわめきながら走り去っていったのだが……。
「これは、クビになったという認識で良いのか?」
どうやら、俺はこれで無職になったらしい。
残念ながら仕方のないことだった。
「だが、この状況にも俺は抵抗するぞ――拳で!」
だから、すぐに気持ちを切り替える。
明日にでも、ギルドで募集をかければ良いのだ。
そして、いつの日か。
「俺は、俺より強い奴に会いに行くぞ!!」
そう叫んで、俺は月に向かって拳を突き上げるのだった。
面白かった
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