第3話
「おーい!博士ー!」
「なんじゃ、騒々しい」
研究所をパナップは走っていた。
「昨日、クルーズが僕のプリンを食べたんだ!」
「そりゃ、残念じゃったのう。
仕方がない。わしの冷蔵庫に入ってるプリンをお前さんにやろう……」
博士は冷蔵庫の扉を開ける。
「いや、プリンはもういいんだけど」
「ああ、そうなのかい」
「僕はね、思ったんだ。食べられたプリンはとっても無念だったんじゃないかって!
だから食べ物の気持ちを分かる機械を発明してよ!」
「食べ物の妖精のお前さんが言うと、なんだか不思議な感じがするのう。まあいい。やってみるか……」
博士は近くにあるネジやらドライバーやらを取り出した。
数十分後。
「さっすが博士!」
パナップは小さい機械を持っていた。
「これで食べ物の無念さが分かるよ!
それじゃ、ありがとー!」
パナップは走って帰った。
家の冷蔵庫を開ける。
「さて、この機械をどれに使おうかな?
ん?一つしか食べ物がないじゃないか!」
パナップはゼリーを取り出した。
「くらえー!」
パナップは機械のビームを放った。
ゼリーからピョコンと手足が生えた。
「誰だい!僕を起こしたのは!」
「ねえねえ、ゼリー!今の気持ちを教えて!」
ゼリーは考えた。
「僕のこと絶対食べるなよ、このパイナップル!」
食べるものが失くなったパナップは、口をあんぐりと開けてフリーズした。